イスラエルとパレスチナ 紛争の解剖学

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  • かんき出版 (2024年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (168ページ) / ISBN・EAN: 9784761277772

作品紹介・あらすじ

なぜ争いが続いてしまうのかーー。
この問題を知らずして、世界を語ることはできない!

イスラエルと近隣アラブ諸国との間の最初の戦争から75年が経ち、再び燃え上がっている。なぜ戦いは始まり、なぜいまなお火種がくすぶり続けるのか。
複雑な感情のまじりあうイスラエルとパレスチナ問題について、
2023年10月7日のハマスによるテロ攻撃をきっかけに、
フランスの歴史学者たちがポッドキャストで語り合った。
本書では、Q&A形式で構成され、地図や年表、用語と人名解説を追加。
歴史的背景だけでなく、問題の本質がわかる。

巻末には、NHK解説委員・津屋尚氏による、「2023年10月7日のあとに起きたこと」を追加。終わりの見えない争いを知る糸口となる1冊だ。

感想・レビュー・書評

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  • 概説書として手に取りやすい厚さ。
    イスラエル史をざっくりと理解するには良いかも。
    ただし、因果関係などを理解するには量が中途半端で、アメリカがどういう経緯からイスラエル支持にまわったかなどが語られていない。特に2023年のテロについてはほとんど触れられていない。
    やや「きちんと知りたい」という人には内容が不足しており、そこが残念だった。

  • 東2法経図・6F開架:227.9A/Sm9i//K

  • [図書館]
    読了:2025/3/20

    すごく深いところまで突っ込んで書かれている。
    最初から深過ぎて、佐藤優『戦争と有事』で読んだ前提知識があっても少し難しかった。

    津屋尚氏による解説の、
    「欧米の自己矛盾(イスラエルの国際人道法違反を非難しつつ国内のユダヤロビーへの忖度によりイスラエルへの軍事支援はやめないアメリカ、ウクライナへのロシアの残虐行為を非難する矛盾)」が自由主義や民主主義の価値を揺らがせている、というのは大いに同意。

    p. 120 ラビンにはイスラエルの人に和平を説く精神的・政治的権威があることそれが、極右のユダヤ人テロリスト(宗教シオニスト)に暗殺された理由。

  • イスラエルとパレスチナの現状について過去の歴史からどうしてこうなってしまったのかわかりやすく解説されていた。私はニュースで時折耳にする程度だったので複雑に色々な国や宗教が絡み合ってることを知り、決して対岸の火事ではないと危機感を覚えた。

  • ふむ

  • イスラエルとパレスチナのこれまでの歴史について6つのフェーズに分けて説明されており、概略を把握しやすい。いかにパレスチナが大国に翻弄されてきたかがよくわかる。しかし、今後、アメリカをはじめ世界各国がより自国優先を進めていくと、さらに小国は翻弄されていく事になりかねないってこともNHK解説員の後書きにあり、暗澹たる気持ちになる。

  • シオニズムの理想と歴史的背景
    - テオドール・ヘルツルの主張:
    - 1897年、ヘルツルはユダヤ人国家の創設を提唱。
    - シオニズムはユダヤ人がシオン(エルサレム)に帰還することを理念とする。

    - シオニスト会議の開催:
    - 1897年8月、バーゼルで第1回シオニスト会議を開催し、シオニズムの制度化が進む。
    - ヘルツルはシオニスト機構の初代会長に就任。

    ユダヤ人の帰還と国家建設
    - 歴史的背景:
    - ヨーロッパにおける反ユダヤ主義やナショナリズムの高まりが、ユダヤ人の国家建設を後押し。
    - 1880年以降、パレスチナへの移住が始まり、これがシオニズムの基盤となる。

    - シオニズムの発展:
    - シオニズムは中央ヨーロッパの非宗教的知識人によって推進され、宗教的コミュニティからは独立して発展。
    - 1905年まで議論が続き、最終的にパレスチナにユダヤ人の故郷を建設することが目標として確立。

    分割案とイスラエル建国
    - 1947年の国連分割案:
    - 国連はパレスチナをユダヤ人とアラブ人の2つの国家に分割する提案を行う。
    - 分割案は地理的に複雑で、実現が難しいとされる。

    - イスラエル独立宣言:
    - 1948年5月14日、ダヴィド・ベン=グリオンがイスラエルの独立を宣言。
    - その後、周辺のアラブ諸国からの攻撃を受け、第一次中東戦争が勃発。

    パレスチナの反発とインティファーダ
    - 第一次インティファーダ(1987年):
    - 軍事訓練を受けていない市民による抗議運動が広がり、「石のインティファーダ」と呼ばれる。
    - ハマスが創設され、パレスチナの立場が強化される。

    - ハマスの役割:
    - ハマスはイスラム主義の立場からパレスチナの民族運動に寄与。
    - PLOに対抗する存在として、ガザ地区での支持を拡大。

    現代の状況と未来の展望
    - オスロ合意:
    - 1993年から1995年にかけて、パレスチナ諸領土の分割が進む。
    - 2020年の状況では、イスラエルの入植地が拡大し、パレスチナの自治が制限される。

    - 将来の不安定性:
    - イスラエルとパレスチナの対立が続き、地域の安定に対する懸念が高まる。
    - 国際社会の介入や和平プロセスの行方に注目が集まる。

    まとめ
    - 本書はシオニズムの成立から現代のパレスチナ問題までの歴史的経緯と重要な出来事を網羅している。
    - シオニズムの理念がどのように発展し、現在の状況に影響を与えているかを理解するための貴重な資料となっている。

  • 『イスラエルとパレスチナ――紛争の解剖学』
    原題:Israël / Palestine: anatomie d'un conflit (Les Arènes, 2024)
    著者:Thomas Snégaroff(1974-) 記者
    著者:Vincent Lemire(1973-) 歴史学
    訳者:工藤 妙子(1974-) 仏日翻訳
    解説:津屋 尚  ジャーナリスト(安全保障)
    出版社:かんき出版
    出版日:2024-12-18
    ページ数:168
    ISBN:978-4761277772


    【簡易目次】
    「6つの節目」で問題の本質を解剖する
    1897年~ シオニズムの理想郷として
    1917年~イギリスの二枚舌外交
    1947年~国連による分割決議
    1967年~第三次中東戦争
    1987年~インティファーダと交渉
    2007年~パレスチナ人同士の内戦、そして混乱

    解説 2023年10月7日のあとに起きたこと 

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