これからの世界情勢を読み解くための必須教養 防衛産業の地政学

  • かんき出版 (2025年2月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784761277932

作品紹介・あらすじ

◆防衛産業を知らずして、地政学を理解することはできない――
◇軍事×経済のデータ・ファクトから、各国の動向、対立の構造が見えてくる!

今、装備品の生産を担う「防衛産業」が大きな岐路に立っている。

世界に目を向けると、ロシアのウクライナ侵攻によって、
装備品・弾薬供給の脆弱性が露わになるなど、そのあり方の再考を迫られている。
日本でも、政府の防衛予算増額による「防衛特需」に対し、
これを好機と見る各企業の参入の動向が、さかんに報道されるようになった。

さらに、無人機や人工知能(AI)の登場で、担い手が重工業からソフトウェア産業へ、
領域もサイバー空間や宇宙へ広がるなど、「技術戦」の様相も呈している。
これらの変化により、従来とは異なる国家間の連携と対立も生じるはずだ。

本書では、そんな今注目を集める防衛産業の現状、そして未来について、
防衛研究所主任研究官である著者が、データ・ファクトを基に語り尽くす。

本書を読めば、世界の防衛関連企業の貴重な情報を得られるのはもちろん、
世界情勢・地政学への理解もより深まること、間違いなし!
これからの世界各国の動向、対立の構造が見えてくるヒントが満載の1冊。

みんなの感想まとめ

防衛産業の現状と未来を理解するための入門書として、非常に有益な内容が展開されています。特に、地政学や国際関係における防衛産業の重要性が明確に示されており、ウクライナ戦争以降の各国の防衛事情を整理したダ...

感想・レビュー・書評

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  •  各国の国防支出から防衛産業の現状まで、かなりわかりやすく解説されている。各国ごとに代表的な企業と製品の説明があるので、ゼロ知識からでも入れる良著だと感じた。
     個人的に面白かった話として、欧州の共同開発と自国産業の育成がせめぎ合っている状況についてだ。防衛装備品の商売になると我田引水となるほか、仕様のすり合わせや開発分担の割合などで揉めやすいらしい。これは今、戦闘機の国際共同開発を行なっている日本に対しても注意せねばならない話であり、すり合わせによってなんとか完遂して欲しいと願っている。

  •  地政学かどうかはともかく、世界の防衛産業の現状と主な企業の概要が分かりやすく把握できる。日本の変化も詳述。
     全世界的には、冷戦後は中露を含み防衛産業の集約化の傾向。また標準化や個別の要求仕様の抑制などが課題。
     米国の存在感は圧倒的だが、供給網と生産余力の課題が表面化。欧州では国際共同開発の流れだが総論賛成・各論反対で、自国の防衛産業保護や要求性能のため「我田引水」。韓国は2000年代から武器輸出活発化。中露では産業再編に特に政府が強く介入。新興勢力イスラエル、インド、トルコ。
     主な防衛関連企業売上高のうち、防衛関連は欧米企業では高い傾向だ。三菱重工をはじめ日本企業では低いが、下請け中小企業ではそうではなく、この二重構造が存在。

  • 勉強のために読んだ本。勉強になった。でも、できたら平和ボケして生きていきたいと思っている。

    私見として、防衛って囚人のジレンマみたい。
    お互い本当は武器は持ちたくないけど、どちらかが武器をもつと持ってない方が不利になる。だから、お互いに武器をもっともっとと集めなくてはいけない。
    武器を持っていくから攻められないと言うのもその通り。でも本当は攻める概念を無くしてお互いに武器を持たないのが一番いい。
    エネルギーや電力の話も同じ。最近は、レコードが流行り出したり、デジタルデトックスしたがったり、みんなちょっと「もういいやん」って思い始めてるのに。競争を止められない。

    まあ、そうは言ってもの世界。いい落とし所がまとまって、このまま平和ボケできることを願っている。

  • 第1章 世界の国防支出と防衛産業の概観

    1 世界各国の国防支出

    2 武器の輸出入から見る国際情勢

    3 防衛産業の世界地図

    4 増大する武器の需要と供給網の逼迫



    第2章 世界の防衛産業(1):米国

    1 米国ーー圧倒的な防衛産業の存在

    2 米国防衛産業の課題と対応



    第3章 世界の防衛産業(2):欧州・韓国

    1 欧州ーー遠い米国の背中を追う

    2 韓国ーー武器輸出大国へ



    第4章 世界の防衛産業(3):ロシア・中国・その他

    1 ロシアーー「武骨さ」の伝統

    2 中国ーー民生技術が軍事技術を牽引

    3 イスラエル、インド、トルコーー躍進する新興国



    第5章 日本の防衛産業

    1 「安全保障三文書」と「防衛生産基盤強化法」

    2 防衛費増額と防衛産業

    3 装備品の構成部品・関連技術

    4 カネの壁と技術の壁



    第6章 防衛装備品の海外移転

    1 「武器輸出三原則」から「防衛装備移転三原則」へ

    2 次期戦闘機の共同開発

    3 政府安全保障能力強化支援(OSA)



    第7章 防衛産業の新傾向と展望

    1 新しい戦いと新興企業の躍進

    2 サービス業としての防衛産業:民間軍事会社(PMSC)の台頭

    3 ソフトウェア主導の装備品開発

    4 社会は防衛産業とどう向き合うべきか

  • 防衛産業の入門書として最適。
    第5章は、ビジネスチャンス獲得の観点から、中小製造業の経営企画、開発担当に強くおすすめしたい。私の個人的な気づきとしても、だからあの企業があの大手と開発をしていたのか、と腹落ちしました。
    また、巻末の、失敗の本質を引用した、イノベーションへの提言は日本製造業全体に刺さるものです、
    第1章はタイトルに比較的促しており、教養として知っておく価値が高い。
    第2〜4、7章は趣味的要素が強い点もある。私は勉強になりました。
    図表、写真が効果的に利用されており、読みやすい。出典明記、索引も充実。作り手の入門者への親切さも感じる。

  • ウクライナ戦争以降、防衛産業の位置づけが高まっている中、今日の各国防衛事情を整理するダイジェスト本。米国のプレゼンスが依然圧倒的とはいえ、中国の台頭や韓国の健闘(?)など、20世紀とは違った様相も表れつつある。自立型兵器やAI等、最先端技術についての記述は少ないが、書籍で網羅出来るほど情報が表に出てきてないのだろう。

  • 各国の軍事関連の歴史と戦闘機や戦艦、武器の説明など。軍需産業の横の繋がりなども知れますが、かなり興味のある方でないと段々読むのがしんどくなってきます。

  • 防衛産業の歴史と構図、展望などが述べられている良書です。

  • 日本を含めた各国の防衛産業の現状と問題点に関して、突っ込んだ内容が書かれているかと思い期待したが、そんなことはなかった。

    各国の防衛産業の話はほんの少しで、大部分は主要なメーカーとその代表的な装備品の概要紹介ばかりであった。

    最初の方に、メーカーごとの軍需依存度の違いが示されており、それを切り口にメーカーごとの戦略や国における位置づけの違い等の話があるのかと思えばこれもなく、正直地政学というより防衛メーカーガイドを読んでいるような印象だった。

    日本の防衛産業の問題や課題についての深堀もなく、まあ一般人向けならしょうがないのかなと思いつつ、このような書籍を手に取る読者のニーズにこたえているような内容なのかなと感じた。

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著者プロフィール

防衛省防衛研究所 特別研究官
1988年3月京都大学経済学部卒業、住友銀行(88~96年)を経て、97年1月に防衛庁防衛研究所に入所、社会・経済研究室長などを経て2020年4月より現職。この間、青山学院大学大学院修士課程、ロンドン大学大学院(SOAS)修士課程修了。専門は戦争・軍事の経済学。
著作に『日本 戦争経済史』(日経BP日本経済新聞出版本部、2021年)、共著書に「20世紀と日本」研究会編『もうひとつの戦後史――第一次世界大戦後の日本・アジア・太平洋』(千倉書房、2019年)、David Wolff, et. al. eds., Russia’s Great War and Revolution in the Far East: Re-imagining the Northeast Asian Theater, 1914-22 (Bloomington, IN: Slavica Publishers, Indiana University, 2018)、Oliviero Frattolillo and Antony Best eds., Japan and the Great War (London: Palgrave Macmillan, 2015)、三宅正樹他編『検証 太平洋戦争とその戦略1 総力戦とその時代』(中央公論新社、2013年)など。

「2021年 『米国を巡る地政学と戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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