白井晟一空間読解―形式への違犯

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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761512057

作品紹介・あらすじ

図面と実空間のディテールに表われる空間を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 哲学的で、西洋的でも日本的でもない異端の建築家とされてきた白井晟一の作品を図面や歴史的建造物、同世代の建築家(丹下健三、吉田五十八、堀口捨巳)らの作風との比較から読み解く。

    白井の作品では、外からみた形と中からみた形が不整合である。近代建築では機能と形との関係が不可分とされたので、近代合理主義が築きあげてきた考え方では理解されなかった。

    白井同様、構造を内部、外部に表さない吉田五十八も近代建築の主流からは受け入れられなかった。彼を評価したのはむしろ彼のクライアントである画家、作家、文化人、役者、料亭、旅館の主人たちだった。石井の最初の受賞が高村光太郎賞であったと同じく、吉田は日本画家の大家達の推薦により日本芸術院会員になった。

    内外を徹底して真壁造で構成しそのまま見せた丹下、内部を真壁造、外部を大壁とし柱を最小限、構造材ではなく付け柱で見せた白井、内外とも大壁にして造作を構造、木割りからも解放、徹底して細く少なく見せた吉田、三人三様の和を追求した。

  • 白井晟一の空間はなかなか良い。白井のディテールに惚れた...

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著者プロフィール

東北大学建築学科卒、同大学院建築学専攻修了、「『源氏物語』における寝殿造住宅の空間的性質に関する研究」で工学博士(東北大学)、東北大学建築学科非常勤講師などを経て、秋田県立大学・建築計画学講座・教授。空間史。
著書に、『ペーパーバック読み考-レーモンド・チャンドラーからポール・オースターまで-』(新風書房、1995)、『日本の建築空間』(新風書房、1996、〈社〉日本図書館協会選定図書)、『近代日本の建築空間』(理工図書、1998)、『源氏物語空間読解』(鹿島出版会、2000)、『地方をデザインするー地方からの発想』(秋田魁新報社、2003)、『建築概論』(学芸出版社、「日本建築の空間史」執筆、2003)など。

「2005年 『白井晟一空間読解 形式への違犯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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