コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761512866

作品紹介・あらすじ

山崎亮 初の単著 デビュー作にして定本

新しくモノを作るよりも「使われ方」を考えること。
全国で使い手のつながり、コミュニテイのデザインを切り拓いた著者の全仕事。

当初は公園など公共空間のデザインに関わっていた著者が、新しくモノを作るよりも「使われ方」を考えることの大切さに気づき、使う人達のつながり=コミュニティのデザインを切り拓き始めた。
公園で、デパートで、離島地域で、全国を駆け巡り社会の課題を解決する、しくみづくりの達人が、その仕事の全貌を初めて書き下ろす。

[目次]

Part1
「つくらない」デザインとの出会い
1 公園を「つくらない」  有馬富士公園(兵庫 1999-2007)
2 ひとりでデザインしない  あそびの王国(兵庫 2001-2004)
3 つくるしくみをつくる  ユニセフパークプロジェクト(兵庫 2001-2007)

Part2
つくるのをやめると、人が見えてきた
1 まちににじみ出る都市生活  堺市環濠地区でのフィールドワーク(大阪 2001-2004)
2 まちは使われている  ランドスケープエクスプローラー(大阪 2003-2006)
3 プログラムから風景をデザインする  千里リハビリテーション病院(大阪 2006-2007)

Part3
コミュニティデザイン―人と人をつなげる仕事
1 ひとりから始まるまちづくり いえしまプロジェクト(兵庫 2002-)
2 1人でできること、10人でできること、100人でできること、1000人でできること 海士町総合振興計画(島根 2007-)
3 こどもが大人の本気を引き出す  笠岡諸島子ども総合振興計画(岡山 2009-)

Part4
まだまだ状況は好転させられる
1 ダム建設とコミュニティデザイン  余野川ダムプロジェクト(大阪 2007-2009)
2 高層マンション建設とコミュニティデザイン マンション建設プロジェクト(2010)

Part5
モノやお金に価値を見出せない時代に何を求めるのか
1 使う人自身がつくる公園  泉佐野丘陵緑地(大阪 2007-)
2 まちにとってなくてはならないデパート マルヤガーデンズ(鹿児島 2010-)
3 新しい祭  水都大阪2009と土祭(大阪・栃木 2009)

Part6
ソーシャルデザイン―コミュニティの力が課題を解決する
1 森林問題に取り組むデザイン  穂積製材所プロジェクト(三重 2007-)
2 社会の課題に取り組むデザイン  +designプロジェクト(2008-)

感想・レビュー・書評

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  • 地域の課題を解決するのは人の力。
    都市開発のような大がかりなものではなく、ひとつひとつの行動は些細なこと。それがまちの活力になり少しずつ、ゆっくりではあるけれど、変化をもたらす。

    人のつながりを生み出すのはちょっとしたきっかけ。それを作り出すコミュニティデザインの可能性を強く感じた。

  • 今作は事例がたくさん紹介されておりイメージがしやすい。依頼された案件に合わせてアプローチ手法を変え、その後も自走し続けられることを目指して解決策を提示していく手法は鮮やかです。designは記号的な美しさとしてのサインから抜け出し、課題の本質を美しく解決すること。

  • 2020/8/20

    コミュニティデザインが大事なんだな

    分かってはいるけど、、、

    個人的にはいえしまのプロジェクトで、ひとりの学生の卒業制作がきっかけで色んな人を巻き込んで壮大なプロジェクトになってるのが面白かった

  • 本の作りに工夫がある。1人でできること。10人でできること...と、人数でできることの順に話が書かれている。

  • 今回の対談ゲスト 山崎亮さんの本です。
    中身はファシリテーションの活用事例やTipsが満載で、読み応えがあります。

    Event Staff

  • 「状況はまだまだ好転させられる」
    まさにまさに!と思いました。

    コミュニティ支援について、いわゆる福祉的な「ソーシャルワーク」だけで見ていてはいけないということにこの本から気づかされ、はっ!とさせられました。

    できることは、まだある。
    「福祉」という「枠」にとらわれない。
    そんなことを考えました。

  • 旬過ぎて「キニナル本」としてはどうかと思うけど。

    「つなぐ」がキーなのはわかるし、手法の一つ一つもそんなに目新しくぶっ飛んでるワケでもないと思ったりする。
    とすると、一体この人どんな人?ってことがキニナッテしょうがなくなる。一緒に仕事して、みてみたいと思わせる人だね。

    伊那谷に移り住んだ建築家夫妻が、去年の春に「これ!」と見せてくれた。その後瞬く間にコミュニティにかかわるいろんな人たちが話題に。(ひーさん)

  • 著書がランドスケープ(景観、公園)デザインのハードから、ハードや地域を担う人や組織に焦点をあて、彼らが主体になるための仕掛けやプログラムをマネジメントしていく過程が仕事を通じて進んでいく。
    絶えず試行錯誤しながら、地域の課題は当事者が中心となって解決していくように仕掛けていく姿勢、ノウハウが参考になった。
    例えば、過疎対策や移住者で有名になった隠岐海士町で、通常はコンサルが作成する行政の中期(10年)基本計画「第四次総合振興計画」を住民が行政と一緒に策定した過程が面白かった。住民から、
    1人でできること、10人でできること、100人でできること、1000人でできること、
    つまり、自助、共助、公助の具体案が提示され、行政ビジョンに取り入れられた。



    終盤にある以下の文書が本書の根底にある考えなので、長いが抜粋する。

    「社会的な課題に対してデザインは何が可能なのか。漠然と考えていたテーマが、このとき明確になった。デザインはデコレーションではない。おしゃれに飾り立てることがデザインなのではなく、課題の本質を掴み、それを美しく解決することこそがデザインなのである。デザインはdesignと書く。de-signとは、単に記号的な美しさとしてのサイン(sign)から抜け出し(de)、課題の本質を解決する行為のことを言うのだろう。僕が取り組みたいと思っていたデザインは、まさにそういうデザインである。人口減少、少子高齢化、中心市街地の衰退、限界集落、森林問題、無縁社会など、社会的な課題を美と共感の力で解決する。そのために重要なのは、課題に直面している本人たちが力を合わせること。そのきっかけを作り出すのがコミュニティデザインの仕事だと考えるようになった。」

  • これが東日本大震災前に出版することができなかったことが悔やまれる。

    どんなに時代が進化し、文明が発達しようと

    人と人のつながり、コミュニティの意義は変わらない。
    人は人とFace to Face で繋がっていることで前を向いて生きていけるんだろうと私は思う。だからこそ、この本で山崎さんらがやっている活動には深く深く共感をさせてもらった。

    最後の社会のデザインの部分は自分のやりたいことに繋がり大変参考になった。

  • バイブル。

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著者プロフィール

山崎亮(やまざき・りょう)
コミュニティデザイナー。studio-L代表。関西学院大学建築学部教授。主な著書に『コミュニティデザイン』(学芸出版社)、『ソーシャルデザイン・アトラス』(鹿島出版会)、『コミュニティデザインの時代』(中公新書)、『コミュニティデザインの源流:イギリス篇』(太田出版)、『ケアするまちのデザイン』(医学書院)などがある。

「2024年 『新版 生きのびるためのデザイン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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