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Amazon.co.jp ・本 (184ページ) / ISBN・EAN: 9784761513450
作品紹介・あらすじ
カフェやオフィス、個人宅から、病院にお寺、アウトドアまで、さまざまな場所にある本棚に人が集い、メッセージ付きの本を通じて自分を表現し、人と交流する、みんなでつくる図書館「まちライブラリー」。その提唱者が、まちライブラリーの誕生と広がり、個人の思いと本が織りなす交流の場の持つ無限の可能性をお伝えします。
感想・レビュー・書評
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まちライブラリーとは、大きくまとめれば本を介したコミュニティの場で、メッセージ付きの本を持ち寄ってもらったり、おすすめの本を紹介するイベントを行ったり、活動としてはさまざまである。
著者は森ビルで「六本木アカデミーヒルズ」の立ち上げに携わった人で、第1章、第2章では森ビルでの活動と挫折、その後まちライブラリーを始めた経緯について述べ、第3章では全国のまちライブラリーの事例、第4章では大阪府立大学で立ち上げたまちライブラリーの経緯と運営方法、第5章はまちライブラリーの中でもより小さな仲間で運営しているマイクロライブラリーについて述べている。
著者の思いが強く、言いたいことがたくさんあり過ぎて、総ページ数の多くない本書では収まり切れなかったのだろう、多くの事例が紹介されているものの、具体的な活動などがイメージしづらく、もう少しそれぞれを掘り下げてほしかった、というのが正直なところである。ただ、思った以上に多くの場所でまちライブラリーの活動が行われているようなので、この本をきっかけとして、自分の近所のまちライブラリーを実際に訪れてみるのがよいのかもしれない。
最終章には活動を行う中で著者が感じ、伝えたいことがまとめられている。
特に、大きな力や資金を持って動かしていくことだけが社会を変える方法ではなく、社会の中にいる者たちが少しずつ変わることで結果的に社会全体を変えていくのだ、という主張には、大きな組織から草の根活動へシフトしていった著者の強い想いが感じられた。 -
私の地元には少ないけれど、最近ブックカフェが増えてきたように思っていたら、こんな本が出ていました。
「図書館あきよしうた」の主宰者としては見逃せない、ということでと読んでみました。
最大の関心は、プライベートとの兼ね合いと費用、選書と本の管理。
なるほど、まちライブラリーは、お店やお医者さん、カフェ等のもともと人の集まるパブリック空間を利用したものなんですね。
では、家庭では?
確かに個人宅を解放したものや、個人の施設を利用したものも紹介されていますが、まだ数は多くないようです。
また施設によっては、スタッフを雇い年間200~300万円の費用を自費で出されているところも!!!
トンデモナイ!!!うちの図書館では真似できません。
この他にも、マイクロライブラリーや、リトル・フリー・ライブラリーと言って、鳥の巣箱状の本棚を家の前に作って自由に持って来たり持って帰ったりしているものもあるそうです。
正直言って、これだけでは何もわかりませんでした。
お店や大学等、本来集客施設がするライブラリーならば、創めやすいし、費用の心配も少ないでしょう。
でも、個人のライブラリーがどうやって広がっていけるのか、やはりまだ暗中模索状態です。
個人としての生活(特に家族)を犠牲にすることはできません。プライベートスペースを開放するにしても、限られたものになるでしょう。
費用も、専業主婦の道楽ですから、できるだけ抑えたい。
献本を募ると言っても、置きたくない本も出てくると思うんです。でもご好意を考えると置かないわけにはいかなくなりませんか?現に地元の小学校で献本を募って図書室にびっくりするような本が置かれていたりします。
また、大事な良書だと思うからこそ、ぜひたくさんの人たちと分かち合いたいと思うんです。やっぱりぞんざいに扱われたうえでの破損や紛失があると悲しくなります。このこだわりをどう乗り越えていくか?
これらのことが課題になっています。
ぜひサミットに参加して皆さんのお話を伺いたいものだと思うのですが、これもまた、遠方で夜の開催ですから……。
まあ、もう少し待てってことですかね。 -
2015年4月12日(日)にまちライブラリー@大阪府立大学のリトル・フリー・ライブラリーで借りて24日(金)から読み始め26日(日)に読み終えた。PE班で運営している中津ぱぶり家ともつながる話が多く紹介されており、勉強になった。
なお、すでに非公式の場面で書いていることや個人的に書きためていたこととかぶっている内容も少なからずあったので、後々になって前後関係がわからなくならないように日付を書いておいた。
たとえば、まちライブラリーを立ち上げるときに困っていたこと、またそれをどのように解決したのかということは、ほとんどすべてが中津ぱぶり家で辿ったのと同じ経路であった。ただし中津ぱぶり家には、まちライブラリーがすでに乗り越えている問題でも、まだこれから乗り越えなければならない問題が少なからずある。そういう意味では中津ぱぶり家の運営に携わっている人にもぜひ読んでもらいたい一冊である。そうすれば、中津ぱぶり家が辿ってきた経路がまちライブラリーのそれとほとんど同じであるということに自信をもつことができるであろうし、他方でこれから解決しなければならない問題を再確認して共有することができるであろう。 -
マイクロライブラリーについて知りたくて、図書館で借りた本の一つです。
めちゃくちゃ熱いスピリットで溢れた本でした。想像以上です。端的に、まちライブラリーやりたいと思いました。
あと、読みながらとにかく礒井さんの考えることに共感しっぱなしでした。
相当クレイジーな人だと思いました。常識やタブーにとらわれないチャレンジ精神を各章に感じました。
と同時に、クレバーな人でもあると思いました。まじめに事業を運営して、利益を出して、関わったこと一つ一つに自分なりの総括をしている人だからこそ、ただタブーを破るのでなしに問題解決型のブレイクスルーとして実現出来るのだなと感じます。
紹介されていたまちライブラリーの事例もとっても興味深いです! -
まちライブラリー提唱者の著者がまちライブラリーをどのように生み出し展開したか紹介している図書。好きな部分を拾い読みした。個人の活動によって人と本がつながっていく様子は感動する。そして公共図書館はどう動いていけばいいのか悩む。まちにいる人をつなげていく、そのような発想を常に持っていたい。
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【「教職員から本学学生に推薦する図書」による紹介】
真境名達哉 先生の推薦図書です。
<推薦理由>
学生が自発的にまちづくりなどを行って欲しいためです。
図書館の所蔵状況はこちらから確認できます!
http://mcatalog.lib.muroran-it.ac.jp/webopac/TW00353404 -
南町田のまちライブラリーに行きたくなった
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まちライブラリーの可能性や試みについて包括的にまとめられている。
各地まちライブラリーの誕生のプロセスについての記述は豊富であるものの、一軒一軒における洞察は浅めとなっている。これからまちライブラリーをやっていく方は、どうすれば私設の小さな本棚を活躍させられるか、試行錯誤して考えていくしかないだろう。 -
まちライブラリー活動の前身となった事業から、様々なまちライブラリーが誕生して広がっていく様子が紹介されています。
集まった人々が対等に本を紹介することから始まる、人と人との繋がりや交流、それがまちライブラリーの醍醐味のようです。持ち寄った本は持ってきた人が口頭やメッセージカード等で紹介します。全てが誰かが持ってきた本なら、それぞれが持ち寄った本の専属司書であり利用者でもあるといった感じでしょうか。ネット上のSNSやソーシャル読書サービスを現実に持ってきたような印象を感じました。 -
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内容に興奮し、ページを繰る手が止まらず。
まちの小さな私設図書館である”まちライブラリー”の広がりについてのエッセイ本です。
カフェでもオフィスでも、そして個人の家でも、自由に本を持ち寄って置ける本棚を用意することで、その場所がコミュニティの拠点になります。
そして本を通じたコミュニケーションが生まれます。
”地域の壁”を緩やかに崩すための、間違いなく良い方法だなーと感じました。
今年中に私も着手しよう。
事例が多いので、本としての読み応えは少し冗長な印象もありますが。 -
黒板に本を差し込む本棚が素晴らしい!! P155に写真が載っているが、自分がもし本屋を開くならば、必ずこの黒板を購入したい。
本を通して人との出会いを期待した場所としてまちライブラリーはあり、自分の存在感と、受け止めてくれる他者がいて、本がある、そんなブックコミュニティスペースを取り上げたのがこの「本」だ。 -
奥トレにも来てくれた磯井さんがまちライブラリーについて書いた一冊。先日出演したたちかわ創造舎のトークイベントで僕が選んだのは、この本でした。朗読してもらったのは奥多摩の廃校・小河内小学校のくだり。実際に自分も本の内容の通りに菅原くんに案内してもらったことがあり、そのときの様子が改めて思い出されたり、鳩ノ巣でのまちライブラリーのイベントなど懐かしく思い出しながら読みました。本人の人柄の通りのやさしい文章で、取り組みが全国に広がる様子が感じられて嬉しかったです。これからも応援していきたいと思います。
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コスギビレッジのイベントで
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まちライブラリー。
図書館で働く者としては興味深いテーマでした。
図書館=静寂が求められる空間、その古い価値観を捨ててこそ新しい価値が生まれる。
閲覧スペースを、本について人と語り合うことのできるサロンやアゴラのような場所にしたいという考え方にはおぉーっと思いました。
公共図書館に染まっていると絶対に思いつかない考え方。
大きな写真とともに活動例が具体的に書かれていて、とても勉強になりました。
町づくりにもデザイン、アートが欠かせない時代になってきた。
何か企画を立てる際にまた参考にしたい本です。 -
自分の本を誰かに勧め、読んでもらいたい。
SNSが発達し、他人に認められる・褒められることをより求め始めた今の時代。
ネットではなく、リアルで自己承認されるというのは、とても幸せなことだと思います
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知り合いからサミットや大阪府立大でのイベントに招待されて、ちょっと気になるけれど、遠いなぁ、と思っていたことの全貌が、この本を読んでようやくわかった&とても興味深い。本好きな私としても、何か小さく始めてみたい気持ちになった。私の目的は、利用している場所の活性化か、本で人と出会うコミュニケーション…かな。
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かちんこちんの「図書館」という「組織」に物申す「まちライブラリー」という「個人」。
本と人をつなぐのが「図書館」なら、本で人をつなぐのが「まちライブラリー」か。りっぱだ。 -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784761513450 -
昔からの夢の一つに「図書館を作る」を胸に抱えている。
そんな夢をすでに実践している人がいた、という発見に勇気付けられた一冊。
そんなに難しいことではないのかもしれない。
身近な場所にも、本がたくさん置いてある喫茶店とかあるだろう。たぶん、それだけのこと。
足を踏み出せるかどうかは自分次第なのだ。
著者プロフィール
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