創発まちづくり 動く・繋がる・生まれる

  • 学芸出版社 (2005年12月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784761523763

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/699483

  • 2008-06-18

    「創発」という言葉を本場,理系の複雑系,システム屋が使うのをビビリだしてる気がする,という話を以前にしたが,その一方で,
    活発に使い出している人たちもいる.

    ビジネス界啓発系の人たちと,都市・まちづくり関係の人たちだ.

    本書は広島でのまちづくりの事例を「創発」というキーワードでNPOや大学の活動を5事例ほどまとめている.

    創発現象に正面から向かい合ったときに,その事例としてあがるのが,生命現象であったり都市であったりする.

    つまり,自律性をもった諸要素が相互作用しながら活動することで,レイヤーが一つ上のシステムが立ち上がってくる,
    それが要素の総和以上の特性を歴然と持つということ.

    このような,システムを人工的に構成しようとしても要素の持つ自律性,適応性をそのレベルまでくみ上げることが現代では困難なために,
    工学的には創発現象を相手にするのは難しい.進化的計算を創発的計算と呼び変えてみるくらいだろう.

    分析的態度にとってみてもそうだ,

    アナリティカルな立場からは,創発現象を総体的に記述するのはキビシイ.

    もちろん,適切な抽象度を設定することで,ベナール対流やチューリングパターン.また,
    それにヒントを得た古澤等の細胞分化のダイナミカルシステムモデルなど,好例はある.

    しかし,全体的にはキビシイし,一部,クリエイティブな人たちだけが切り込んでいる.そんな気がする.

    ところで,学問的には創発現象は存在しなくても,現象としては日常的にそこいらに存在するし,
    都市に対する行政を考えるときにはそのダイナミクス無視してはもはや冷静なハコモノ行政,ドウロ行政すら成り立たない.

    都市に対する政策というのは基本的には直接制御ではなく,環境設計を通した周縁制御(marginal control).

    なかなか,理系の人間には全体像が見えづらいのがつらいが,トップダウンのコントロールが許されないという制約条件にしても,
    システム論的には非常にチャレンジングな題材なのは間違いない.

    最近,科研費のプロジェクトで,「人を含んだ系における創発現象」,および「作る設計論から育てる設計論へ」
    というキーワードで動いている.

    そのいみでもこんな本はちょっと面白かった.


    もちろん,筆者達が「創発」という言葉をどこまで深く議論しているかは疑問ではあるが,あるいみそれは些細な問題だろう.

    (中には創発を「創」と「発」に切って解釈している人もいた^^)

    ただ,各氏が結構,まじめに創発という言葉に敬意を払って,理解しようとしていたのは好感が持てた.

  • ひろしま、いいんじゃないでしょか。

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著者プロフィール

和田崇(わだ・たかし)
1982年大分県生まれ、福岡県で育つ。
立命館大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
三重大学教育学部講師を経て、現在、同准教授。
専攻は日本近現代文学・文化。主にプロレタリア文化運動を研究。
主な論文に、“Anti-Bourgeois Media in the Japanese Proletarian Literary Movement”, Humanities,
Vol.11 No.6, 2022.、 “‘Doublethink’ in production literature theory”, ed. Irena Hayter et al., Tenko :
Cultures of Political Conversion in Transwar Japan, Routledge, 2021.「 地方のプロレタリア文化運動(」中
川成美・村田裕和編『革命芸術プロレタリア文化運動』森話社、2019年)、「日独プロレタリア文
学の往来」(『立命館文學』652号、2017年8月)などがある。

「2023年 『徳永直の創作と理論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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