コンパクトシティ再考―理論的検証から都市像の探求へ (都市科学叢書 2)

著者 : 鈴木勉
  • 学芸出版社 (2008年11月30日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761524500

コンパクトシティ再考―理論的検証から都市像の探求へ (都市科学叢書 2)の感想・レビュー・書評

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  • Sat, 11 Jul 2009

    低炭素社会,脱石油,コミュニティ再生 さまざまな点でコンパクトシティの実現は興味深いし, 私たち人間が日常生活を 人間らしく暮らす空間として21世紀の 目指すべき一つの指針だろうと なんとなく思っていた.

    しかしながら,実は深く議論すると 「で,コンパクトシティって実際にはなんなんだろう?」 という疑問がわきあがる.

    本書は編著の 玉川先生が 「一つの構図にまとめることは容易ではなかった・・・」 と最後に述懐しているように,決して,一冊できれいにまとまった書ではない.

    しかしながら, 二章から順に 理念的モデル,移動距離ベースでの実証モデル,消費エネルギー, 交通管理,都市防災,広域合併(市町村合併) と,多面的に各専門の先生が記述することで, 多義的なコンパクトシティについての現状認識を「吐露」出来ているという点で 優れた一冊だと思う.

    予定調和で無いのがすばらしい.

    特に,理念的モデルでは,私がなんとなくコンパクトシティと思っていた有機的でひととひとの繋がりに焦点を当てたものではなく, 無機的で効率重視な ダンツィク&サアティ(1974)の姿が描かれる.

    それは,「ファスト風土化する社会」などでやり玉に挙げられる,ジャスコ・イオンのようなショッピングモールにまち全体をぶち込んだような,高効率・高密度.人工都市なのだ. 「えええええ!!?真逆やん!」 っと思ったりするが,なるほど オペレーション・リサーチ 的な背景のもとならそういう思考なのかもしれない.

    他にも防災のところでは 東京 という街のコンパクト性について議論される. これも分かれるところだろう. 世界一のメガシティがコンパクトなのか??
    # 東京圏の人口は,経済圏(通勤圏?)的にみると世界最大. しかし,密度が高いのはイヤって程確かだろう.

    コンパクトってなんなのか? コンパクトならいいのか? 目指すべき都市像とは「コンパクトシティ」って7文字に預けていいのか? 問題意識を持って読むと,示唆に富む一冊でした.
    # コンパクトシティについての著作はこれまた,まだまだ少ないので・・・・

    ちなみに,コンパクトシティの話は 海道先生の「コンパクトシティ」をチェックしないとモグリみたいですね. どの本,文献でも参照されています.

    ちなみに,ここ一年以上考えてきて 僕にとってのコンパクトシティって 「自転車で用が足せて,イイカンジの街」 なんだよね.

    あと,雰囲気的には ・ジェーン・ジェイコブスの「アメリカ大都市の死と生」 アメリカ大都市の死と生 (SD選書 118) posted with amazlet at 09.07.11 ジェーン・ジェコブス

    だと思う. ま,昭和な雰囲気かもしれない.
    あと,ハードだけでなく,多くの人が主体的に物事を捉えられる世界 というのもコンパクトさの重要さだとおもう. そういう意味では企業のコンパクトさも都市システムの中で考えられるべきだろう.

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