緑の分権改革: あるものを生かす地域力創造

著者 : 椎川忍
  • 学芸出版社 (2011年11月15日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761525248

緑の分権改革: あるものを生かす地域力創造の感想・レビュー・書評

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  • 初代総務省地域力創造審議官であり、執筆当時総務省自治財政局長であった椎川忍氏が、鳩山内閣の原口総務大臣の新しい政策であった「緑の分権改革」を解説。
    緑の分権改革は、地域が本当に元気になるためには、政治・行政上の分権改革だけでなく、経済・社会システムの分権改革にも取り組まなければならないという理念のもと、地域にある「もの」(地域資源)とそこにすんでいる「ひと」(人間)をいかにブラッシュアップしていくかという観点での政策取組である。
    考え方は、昔からある内発的発展論と同じものであり、その理念は間違っていないと思われるが、緑の分権改革が実効性のある政策だったかというと疑問符がつく。補助金に頼らずに規制改革等で自治体での取組を推進するということだったが、具体的成果があったとは言い難い。リーディングケースについての委託事業にしても、その後の取組につながったと思われるもの(北海道下川町のバイオマスによるまちづくりなど)もあるものの、岡山県瀬戸内市のバイクビズなど継続的取組に至っていないものが少なくないと思われる。政権交代などの制約があったとは思われるが、このように看板だけ変えて、同じようなことを繰り返すのはあまり生産的なことだとは思われない。緑の分権改革の理念は重要だとしても、それは各地域が地道に取り組むべきものであり、国が音頭をとって推進するようなものではないのではないだろうか。

  • 「緑の分権改革」という名前は聞いたことがあっても、内容はよく分からないというかたは読んでみてもよいかもしれません(わたしはある自治体で緑の分権改革の調査をしたことがあるのでそれなりには知っています)。とはいえ、基本的にはいろいろな報告書に載っている内容を整理して本にした印象が強いです。

    緑の分権改革は地域にある資源とひとを活用し、地域外から資金を呼び込み、地域外への資金流出を防ぎ、地域内循環をいかに高めるかというのがポイントになっていると思います。

    この取組みが本当に各地域を救うのかは、まだ疑問が残ります。内発的発展論だけでは限界があるのではないかというのが最近のわたしの問題意識です。各地域が独自性を打ち出せるうちは良いのですが、それなりに緑の分権改革を通じて各地域が地域力を発揮した場合、既存の産業はどうなるでしょうか。例えば電力会社は売上が減少していくと想定されます。

    そのときにも、地域外の「外貨」が潤沢である保証はあるのかなど、疑問はいろいろと出てきます。多くの地域で取組めば取組むほど、厳しくなってくるのではないかというのがわたしの印象です。

  • 「緑の分権」とは何かを現役総務省官僚がビジョンと地域活性化の具体例を交えて示している。
    自分は緑の分権改革という政策を初めて知り、それが研究ビジョンと一緒で刮目しながら読んだ。
    地域力を地域資源力(自然資源、文化)かつ人間力[ Σ(やる気×能力)+つながり力]と定義し、それぞれをどうやって生かす(育てる)かの方法論と、実践事例が豊富である。
    さらに言えば、現在進行形で進んでいる緑の分権改革「地域おこし協力隊」「地域再生可能エネルギー事業」など最新トピックもあり、間違いなく最前線。

    特定地域に携わると俯瞰的視点を(自分から求めていかないと)持ちにくいと思うが、国(総務省)レベルで地方をどうしていこうとしているのか、最前線に立つ著者の考えがまとまっていて勉強になった。


    地域活性化のデータベースがあったらいいいなと考えていたが、既に総務省が作ってあったので紹介します。
    「地域力創造データバンク」
    http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/7_consult/adviser/chiikiryokuDB_top.htm

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