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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761525552

作品紹介・あらすじ

世界と渡り合う16人の建築家・デザイナーのエネルギッシュなエッセイ。A.シザ、H&M、D.アジャイ他、大建築家達との面談、初の担当プロジェクト、ワーク&ライフスタイル、リストラ、独立、帰国…、建築という武器と情熱があれば言葉の壁は関係ない。一歩踏み出すことで限りなく拡がる世界を見た実践者から若者へのエール。
気鋭の若手から無名の努力家まで、世界16都市で活躍する建築家17人の思い溢れる書き下ろしエッセイ。海外で本格的に働く彼らが、作品紹介ではなく体験談を赤裸裸に綴った。閉塞感の滲む日本の社会や建築業界で、建築に関わることの魅力という原点に立ち返った実践者たちが贈る、勇気の出る本。
建築家・西沢立衛氏推薦

感想・レビュー・書評

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  • 日本で働いているフランス人を含め、海外で自分のフィールドを定め、活躍している人達の事例が、抱えている思いを含め載っていて刺激にはなった。
    ただ、建築を仕事にする、という事には、発注者として、ゼネコンの監督として、ディベロッパーとして、職人として、国際機関で、
    等々色んな形があり、所謂アトリエ系の建築事務所で働いたり、を経営したりしている人達しか載っていないのがとても残念だった。

  • 海外で建築を仕事にする

    ■ポルトガル(伊藤廉)
    ・ポルト歴史地区(下町)の人は話し声が大きく口が悪いが、クリスチャンが多く人情がある
    ・数百年の歴史的建造物の中で培われた空間感覚・豊かな手仕事の伝統、曖昧差を許容する社会による非効率の美徳
    ・新しいことが価値を持たないため、建築学生はか必死に歴史的な建物wお研究する。恣意的な新しさは軽蔑の対象。


    ■中国(松原弘典)



    ■ベトナム(佐貫大輔・西澤俊理)
    ・ホーチミンは資本・技術・情報などのリソースが不足した発展途上国だが、先進国にはない人々のうねりのようなエネルギーを感じる
    ・ベトナムは隣国にカンボジア・タイ・ラオス・中国などを持ち、様々な海外諸国に自然と活動の場を持つことができる。
    ・中国や途上国は、設計にスピードが要求される。(日本では3・4カ月かかるのが、1か月。)
    ・とにかく早く竣工させる。実施設計と施工期間がラップすることもあり、図面を書いてすぐに現場に反映させることもある(1/1の模型のよう)
    ・その分現場監理が占めるウェイトは大きい。何度も現場に足を運び、その場で指示を行う必要がある
    ・地元の設計会社は2日で基本設計、2週間で実施設計まで完了。全てパッケージ化されている。
    ・富裕層のクライアントは狭い部屋を嫌う。広くするとどれだけ家具を置いてもスカスカになってしまい、スケール感が狂う。
    ・9カ月費やしたプロジェクトが1日で凍結することもあり、

    ■フランス(田根剛)
    ・パリでは当然のように工期が遅れる。

    ■イタリア(田根剛)
    ・工程がない。現場が始まるとようやく働き出す。要するに段取りをしてくれない。
    ・だが、最後には素晴らしい仕事で仕上げる(伝統が力を持つ職人気質)

    ■オランダ(田根剛)
    ・イタリアとは全く逆で、全てのプロセスで合議的に合意が得られ、無駄なく役割は明確。全ては円滑に進む。
    ・無駄がないから無理をしない。現場では全く融通が利かず、出来ないことは出来ないまま進む。

    □オランダ(梅原悟)
    ・オランダ人はコミュニケーションにたけており、議論好き。
    ・給料も議論しないと上がらない。黙っていると満足していると思われる。
    ・同時に頑固で負けず嫌いでもある

    ■スウェーデン(田根剛)
    ・北欧の国は成長しない。全てはゆっくりと成熟へ向かっている。複雑なこともシンプルに考える。
    ・質素で寡黙な温かみのある豊かさ。

    ■イギリス(小沢慎吾)
    ・ロンドンは多種多様な価値観を持つ人たちが集まるため、日本のように厳密に物事を成立させるのは難しく、相当な余裕をあらゆる場面で確保する必要がある。
    ・何事においても時間がかかる上に、適当になされている印象を受ける。
    ・日本人としてはいら立たせられる点でもあるが、同時に曖昧さが魅力であり、余白の大きさゆえに様々なものを許容してくれる。
    ・美術館のようできれいだが、技術が更新されても街はずっと止まったまま。(東京はその時々に必要なものが建てられどんどん変わり、その蓄積としての街が面白い)

    ■フランス(エマニュエル・ムホー)
    ・フランスでの建築史の地位は高いく、医者・弁護士・建築士といわれる(日本は勉強さえすれば誰でもなれる)
    ・ヨーロッパでは、技術よりも芸術に近い領域(日本は技術的なエンジニア)
    ・フランスでの建築は街並みを形成する息の長い建物wお設計することに他ならない(日本人は飽きやすい性格で目まぐるしく建物が建て替わる)


    ■オーストラリア(柏木由人)
    ・多国籍で色々な人種の人とやり取りをすることになる。
    ・異文化の人にも共感してもらえる本質に迫った建築の意義をスタッフに理解してもらえないと、お施主さんに了承してもらうのも難しい。
    ・グローバルな感覚でいる必要があるが、同時にまとめるのも大変
    ・異なる価値観が共存できる寛容さがないと、その建築が社会に受け入れられることはない。
    (建築の物理的な寿命よりも、社会的寿命の方が短い現代では致命的)

  • 井川直子「イタリアに行ってコックになる」同様に、胸に迫る。

  • 【配置場所】特集コーナー
    【請求記号】520.28||M【資料ID】91140936

  • タイトル通り、
    海外で建築の仕事をされている若い方達の
    リアルな話を読むことが出来る。
    海外で仕事をすることになったいきさつは
    皆様々なのだが みんな面白い。
    建築の仕事を目指している人は読む価値があると思う。

  • 建築設計者として活躍をする30代~40代の人たちがこれまでのキャリアを振り返る文章をまとめた本。

    現在も海外の建築設計事務所で働いている人もいれば、現在は日本に帰国して事務所を構え独立している人もいるが、それぞれの人の中で海外の事務所で働いた経験が建築設計をまとめ上げる力を養う上でとても大切だったことがよくわかる。

    また、現在に至るまでのプロセスがとても率直に書かれているが、皆さんとても前向きにキャリアを積んできたことが分かる。

    そもそも建築設計者というキャリアは非常に先行きが見えにくい職業ではあるが、そのことに拘泥せず自分の直感や想いを信じて積極的に飛び込んでいったことが結果的に道を切り開いくことにつながっている。

    「どうなるか分からない」から動けないのではなく、「どうなるか分からない」けど動いていくことで、何かしらの次のステップに上がっていける。そして、そこから見えた新しい風景の中から次の一歩を考えていくようなことが大切なのだと感じた。

    そういう意味で本書の副題の「世界はチャンスに満たされている」ということを感じられた。

    建築設計を目指す人以外でも、読んでみると将来のことについてポジティブな見方ができるようになる本だと思う。

  • 世界はチャンスで満たされている  建築との巡り合いで海外で仕事する若者の行き様を紹介してくれる 言葉の障害、文化の違いを越えて活躍する日本人がいることは、勇気づけられる 

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784761525552

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著者プロフィール

前田茂樹(まえだ しげき)1974年生まれ。大阪工業大学工学部建築学科専任講師。ドミニクペロー事務所に10年間勤務後、2010年帰国して現職。ジオ・グラフィック・デザイン・ラボ主宰。主な作品に大阪富国生命ビルなど。

「2013年 『海外で建築を仕事にする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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