- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784761525583
作品紹介・あらすじ
1988年彫刻家イサム・ノグチが完成を見ずに逝き、続行も危ぶまれたモエレ沼公園計画は17年後に完成した。ゴミの埋立地が「大地の彫刻」に変貌した軌跡を設計統括を担当した建築家とランドスケープデザイナーが明かす。残された僅かな図面を頼りにそのコンセプトは如何に読み解かれ実現されたのか?初めて明らかになるその舞台裏。
感想・レビュー・書評
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モエレ沼公園行く前に読んでおくと、
公園の面白さが三割増になると思う。
あと、あの公園を完成させる事が、
どれだけ凄いプロジェクトだったのか❓️
あの公園に携わった人達がどんなに凄い人達で、
完成までにどんな苦労があったのか❓️
この本読めば、モエレ沼公園の事が詳しく分かる。
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札幌のモエレ沼公園がイサム・ノグチ晩年の設計ということは知っていたが、数枚の平面図と模型しか残っていなかったところを、イサム・ノグチ財団や設計統括担当の河村純一、ランドスケープデザイン担当の斉藤浩二らの努力と、札幌市の英断によって実現したことを知った。
元湿地でごみの最終処分場だった場所を、既にあった基本計画をひっくり返してイサムに任せ、多額の整備費を投入した市の判断は素晴らしい。対費用効果などを指摘され、なかなかできるものではない。地元新聞社の積極的な支援があったことは、もっと評価されていい。
地元マスコミと行政は、対立ばかりでなく、共同して新しい文化を生み出すパートナーになるべきだ。
東北で進む震災復興では、新たな公園の話題をあまり聞かない。北国では、あまり公園で遊ぶ人がいないからと聞いたこともあるが、イサムが考えたモエレ沼公園には年間80万人の人が訪れ、冬でも子どもたちが遊んでいるという。設計担当の斉藤が回想する「モエレ山によって、冬の公園が寂しいのは遊び場所を作っていないからだと気づいた」は深い。
ただし、このようなハード整備は実施設計から現場施工までの面倒を誰が見るのかが重要になる。この本では書かれていないが、市の担当者や地元工務店の努力は相当だったろうと思う。優れた施設の整備における施工上の苦労は、篠原修氏が設計に関わった宮崎県の日向市駅について書かれた「GS群団総力戦 新・日向市駅―関係者が熱く語るプロジェクトの全貌」に詳しいが、被災地復興でこんなに手間暇かかる工事をしてたら、市民の生活再建が進まないで大変だ。
設計チームがいつも反芻したというイサムの言葉は素晴らしい。
「役に立つことを考えながら、シンボリックな場所に」
「宗教のない時代にあって、何が残るかと言えば、子ども」
「シンプルにしていけば、美に近づく」
「庭が本物になるまで30年かかる。後は自然が自分でやる」 -
勇気がでる。
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貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784761525583