ドイツのコンパクトシティはなぜ成功するのか: 近距離移動が地方都市を活性化する

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  • 学芸出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761526399

作品紹介・あらすじ

ドイツの街は、なぜコンパクトで活気があるのか。日本のコンパクトシティは、なぜ失敗するのか。人口減少・超高齢社会に車主体の交通は成り立たなくなる。車の抑制、住宅地の高密度化、商業施設の集約、公共交通の財源確保など、移動距離の短いまちづくりによって交通を便利にし、経済を活性化するドイツのしくみを解説。

感想・レビュー・書評

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  • 道路政策というものの重要性を痛感させられる一冊。

    ここで描写される欧州の街における交通政策は、日本から見るとかなり過激に感じられる。
    そもそも車の進入を許さない、
    低速化するようなつくりにしてある、などなど。

    ただ、日本と同じく自動車が主要産業であるドイツでこのようなまちづくりが実現している、という点は日本としても学ぶべきものがありそうである。

  • 以下、主に後半部分のメモ
    ・ショートウェイシティ
    ・シェアド・スペース ←スケートリンクの原理
    ・公費に頼りすぎない、持続可能な交通手段の仕組みづくり
    ・「最良の交通計画とは、交通がそもそも発生しない都市計画である」(p.176, フライブルク市の土木局交通計画課エンジニア談)
    ・域内GDPが増えるようなまちづくりをしないと持続可能性がない。

  • 日本の住宅政策
    →木造が22年で減価償却、新築を作り続ける

    増田レポート、地方消滅-東京一極集中が招く人口急減

    国土の長期展望
    国土のグランドデザイン

    経済活動の維持
    エネルギー部門の改革

    ドイツ ショートウェイシティ
    移動を増やす、居住地内に日用品や日常サービスを提供するスペース
    都市計画が厳しい

    戸建てと持ち家主体の居住形態が核家族化と人口減少で難しくなった
    不動産をどう構成するか

    ヨーロッパは電力会社と交通は公営

    モータリゼーションが都市空間を破壊

    道路が壁になり、歩行者の移動の自由が奪われる

    ホコ天にすると人が溢れる

    日本の自治体では道路に関わる政策は県や国などの上位計画によって簡単に変えられる、役所と警察の温度差も大きい

    フライブルグ市
    郊外型店舗の進出をゼロにする都市計画制度
    中心部に適した品揃え
    そうでない品揃えで分ける
    最大の面積をきめる

    くのーふらっはー
    節約されたはずの時間の合計はゼロ、交通のスピードが変化しても変わることがない

    渋滞は交通問題ではない
    渋滞や低速度の自動車交通によってのみ、移動距離を縮めた街づくりが可能になる

    貴重な都市空間を、歩行者、自転車に再分配

    シェアドスペース

  • 都市の境界を駐車場で囲い、市内交通は、自転車類とEVに限定。時速20km以内に制限!
    そんなコンパクトシティを夢見る。

  • コンパクトシティ先進地域のドイツ・フライブルク市の事例を中心に構成されている。

    路面電車ありきの都市計画ではなく、投資対効果の強い自転車の利用促進政策の推進が、5万人未満の中規模都市では重要になるだろう。

    また、宇沢弘文の「自動車の社会的費用」も併せて読むと、より理解が深まるだろう。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/699487

  • 人口減少時代のインフラのあり方を検討するため、それとまちづくりを合わせた成功事例を学ぶため、購読。

    ・日本は、ドイツに比べて戸建てが多い。ドイツでは集合住宅が多い。
    ・日本では、戸建て購入が推奨され、優遇する政策が取られてきた。その結果、一世代で資産価値がなくなる家が、数十年周期でスクラップアンドビルドされ、街としての長期的な資産は無い状況。
    ・この住宅形態が、車の所有も促す。
    ・車の所有世帯が多いため、町は車のために道路を優先した町を作ったので、町の多くの面積が道路で占められ、町が道路で分断される、という結果となった。
    ・人は、交通の移動時間を受け入れるのであり、距離ではない。つまり、交通の速度が上がっても、その分距離を増やすだけで、移動に費やす時間は減らさない。したがって、町の中の移動が安全な速度で、短距離になるよう、生活機能が集中していれば良い。

  • 20190615 下京図書館

  • ドイツの都市計画の初学書としては良書。
    時折作者の感情交じりのコメントが入るがご愛嬌か。
    折に触れて読み返したい。

  • 【資料ID: 1117018125】 518.8-Mu 43
    http://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB23323586

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著者プロフィール

村上敦/ドイツ在住ジャーナリスト、環境コンサルタント。1971年生まれ。執筆、講演等でドイツの環境政策、交通政策、都市計画制度を日本に紹介する。一般社団法人クラブヴォーバン代表。日本エネルギーパス協会、日本エネルギー機構の顧問。著書に『フライブルクのまちづくり』『100%再生可能へ!ドイツの市民エネルギー企業』『100%再生可能へ!欧州のエネルギー自立地域』(以上、学芸出版社)など。

「2017年 『ドイツのコンパクトシティはなぜ成功するのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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