地方都市を公共空間から再生する 日常のにぎわいをうむデザインとマネジメント
- 学芸出版社 (2017年11月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (236ページ) / ISBN・EAN: 9784761526603
作品紹介・あらすじ
公園の環境悪化、小学校の廃校跡地、中心市街地からの百貨店撤退、車中心の道路空間等、地方都市が直面する公共空間・施設再生の処方箋。多くの現場で自治体・市民と協働してきた著者は、日常的に住民が集い活動できる場の創出こそが経済的な好循環にもつながると唱え、その手法を実例で詳述。行政職員・コンサルタント必携
感想・レビュー・書評
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公共空間の整備に際し必要となる、基本的な考え方、具体的な実践事例、細かいテクニックを紹介した本。
・活性化に必要な3つのポイントとして、日常性・波及性・継続性を挙げる。日常性:イベント時だけでなく、普段使う利用者の規模に合わせて作る。波及性:その空間だけでなく、周辺への回遊を促す。継続性:維持コストと空間の履歴(p13)。
・活性化を測る3次元評価。利用者数・利益・時間価値の評価軸を置き、その体積が大きくなることを目指す(p29)。3点目はどうしても抽象的にならざるを得ない。
・第2章では福岡・警固公園の再生プロジェクトの実践を紹介。空間デザインのプロが視線(見る側と風景)、動線をコントロールする方法と考え方を知ることができる。再整備により治安が向上し、ハント族(強引なナンパ)が姿を消し、賑わいを取り戻したという事例。
ただ本書刊行からさらに2年経過した2019年現在、利用マナーやごみの問題を指摘したニュースも出ている。賑わうようになった後、その賑わいが別の課題を連れてくることもある。[ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/544570/ ] また公園から消えたハント族は、この世から消えた訳ではない。他の場所でナンパしているのか、ナンパの代わりに何をしているのか、それは地域にとってプラスの変化なのか。そこまでは「空間」を扱う人の責任範囲ではないけれども、「公共」を扱う人はその全体をも見据える必要があるのだから難しいことだ。
・第6章では市民参加及び合意形成の一環として、ワークショップの具体的な方法も紹介される。白紙でなく地図にプロットするという方法。課題によっては、地理的だけでなく時間的な可視化ということで年表など使ってもいいかも。ファシリテータの人材育成、スタッフ側の意識共有が重要。
・第3-4章の実践例と第6章をあわせて読むと、物理的に場所を作るというデザインのみならず、関係者の合意形成自体がひとつのデザインであると感じる。個人邸宅と異なり、公共空間の場合はステークホルダーが桁違いに多様。p223で示されたコミュニティデザインの12ステップの最後の方に「住民へ責任を移行」が明記されているとおり、デザインする人は、外部刺激なしには形成されえなかったコミュニティを作った上で、最終的に去らねばならない。首長が変わり高齢ボランティアが亡くなり学生が卒業し、20年30年のスパンで見た時に、なお機能するコミュニティとはどのようなものだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687705 -
事例と合意形成のための手法が参考になる。
◯活性化に必要な3つのポイント
N 日常性
H 波及性
K 継続性
◯活性化を評価する3次元
利用者数、利益、時間価値
・ワークショップの手法
プロセスデザイン
プログラムデザイン -
日本、アメリカの事例をもとに、景観、デザイン、合意形成について説明している。
公共施設の整備にあたっては、日常性、波及性、継続性が大切。 -
都市デザイン論[Theory of Urban Design]
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東2法経図・開架 518.8A/Sh18c//K
