路地からのまちづくり

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  • 学芸出版社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761531478

作品紹介・あらすじ

路地は可能性の宝庫。「路地はやっかいもの」という既成概念を乗り越える道が見えてきた。各地の取り組みと、防災等の問題の検討から、ヒューマンスケールな空間の再生を目指す。

感想・レビュー・書評

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  •  図書館でなにげなく、借りてきた。

     都市局にいて、土地区画整理事業などを実施する立場からすると、2項道路などは、最終的に4mに拡幅すべきもの、消火、防災という観点からも、拡幅すべきものとなんとなく思っていたが、この本を読んで、狭い幅員の間につくられた路地の価値に気付かされた。

     実際に、佃島とか京都とか、なんとか、建築基準法の42条3項と地区計画、建築協定などを会わせてつかっているが、正面から、路地の位置づけをしつつ、地区の環境、防災性を高める制度設計が必要なのではないか。

    (1)実際には、佃島でやっているように、道路斜線とか前面道路の容積率制限を緩和するために、地区計画と併用している。それならば、地区計画に位置づけた道路については、3項道路と見なして、接道条件をみたすこととする、その場合にあわせて、最近技術進歩が進んでているとされる耐火性能の高い木材の使用を義務づけるなど、防火性能の規定も同時に地区計画に決められるようにする。

     そもそも建築基準法の道路の規定は、道路位置指定と開発許可との関係のように、都市計画とせの接点なので、なわばり意識をすてて、地区計画の中にすべてセットで決められるようにできないか。
    また、都市計画に位置づければ、実質的に全員同意が必要であっても、連坦設計のように制度的に全員同意が求められないので、事実上、薦めやすいのではないか。

    (2)路地の管理については、都市再生法で規定した歩行者ネットワーク協定のように、維持管理などを土地所有者等が協定で約束し、みんなで管理し、修繕していく仕組みが必要なのではないか。

    (3)路地については、道路交通法上の道路ではないとして、自動車の流入などについては、当該協定に基づいて、自家用車だけなど、周辺地権者が自ら決められないか。

     これは、司波さんが提案するように、将来的には、地区交通の交通規制権限は、当該地区で決めらるようにすべきと考える。(p254)

     しかし、警察庁は、まちづくりに口だしをしても権限を手放そうとはしないので、当面、協定で独自に自ら管理する実態をつくっていったらどうか。

     たいへん、すぐれた論考ばかり。ためになった。

     なお、ついでに余分なことを言えば、現在復興計画の中で、一定のかさ上げをする場合に地区計画の策定を補助要綱上位置づけているが、例えば、1階部分はRCにするといった構造については、一切地区計画ではかけないことになっている。これも縦割りの問題だが、こういう構造の問題とか、防火の問題とか、地区計画がこれだけ汎用性がでてきたので、制度的に入れることができないか。

     求む賛同者。

     なお、付箋をつけたページ。p15,18,37,60,66,75,77,85,97,103,127,144,149,182,201,205,214,219,228,239,240,254,258。

  • 2008/6
    路地をキーワードにまちづくりに関する論文をまとめている。都市工学的に、またコミュニティー論としてまとめられている。また全国各地の路地を活用したまちづくり例が紹介されているので、実際にこれを読んだ後歩いて見ると、いろいろと勉強になると思われる。

  • いろんな手法・事例が載ってて
    勉強になる。

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著者プロフィール

1952 年、福岡市生まれ。東京大学教授。日本イコモス国内委員会委員長、文化庁文化審議会委員、同世界遺産特別委員会委員長。専門は都市計画、都市保全計画、都市景観計画。『西村幸夫 風景論ノート』(鹿島出版会)、『都市保全計画』(東大出版会)など著書多数。

「2018年 『信仰の対象と芸術の源泉 世界遺産 富士山の魅力を生かす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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