土木計画学―公共選択の社会科学

著者 :
  • 学芸出版社
4.00
  • (2)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 23
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761531669

作品紹介・あらすじ

PI、合意形成、景観・風土論、災害リスク、モビリティ・マネジメント等、今日の社会・都市問題を捉えた公共政策論。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 明らかに教科書的な体裁・内容なのに、文体が分かり易い(飲み込み易い)からサクサク読める。
    論旨も説得力があるし、同意する部分が多い。

    本の前半(従来からのいわゆる土木計画学)は本題でないのかもしれないと思っていたが、将来需要推計(需要予測)が費用便益分析についても、内容自体はもちろんのこと、それらへの向き合い方が丁寧に述べられている。
    また後半はまさに真骨頂で、とくに「行政プロセス論」と名付けられた第10章は、目からうろこ。合意形成やPIについても、それに身を任せてしまうことの危うさを(直接民主制の問題点も参照しつつ)ようやく共有できたと思っている。

    土木の人がかいた本で、ここまで全く感銘しきってしまったり、絶賛したくなったりした本も珍しい。
    本書を国交省の全職員がよめば、日本は変わると思った。

  • 社会学と連携した土木計画の本を読みたくて、本棚に投入しました。
    感想は、うーん抑制的、ということでしょうか。

    土木行為が、往々にして行政的行為であることや、
    またほとんどにおいて社会的影響力をもつ行為であることなどもあり、
    たしかに大局を見る目線が大事なのだとは思います。

    そして、技術的運用と社会的運用、数理的プランニングと社会的プランニングなど
    計画段階の再分類にも成功しているし、
    土木計画を設計する上で、それぞれの段階での注意点や留意点を、現実的に指摘できていると思います。

    だけれど従来通り、
    「公共」と「私人」、
    または「解析学的手法」と「包括的てプランニング」、
    さらに「中央」と「辺境」の、
    対立構造、ないしは二項構造を
    多少なりとも描いてしまっているような印象を受けます。

    そして、そこを乗り越える画期的な案の提案というよりは、
    教科書という性格上は、
    現行されているPI手法の紹介にとどまっています。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1968年奈良県生まれ。京都大学土木工学科卒業、京都大学大学院土木工学専攻修了後、同大学助手・助教授、東京工業大学助教授・教授を経て、2009年より京都大学大学院教授。ならびに、16年より京都大学レジリエンス実践ユニット長。2012年12月から安倍内閣内閣官房参与(防災・減災ニューディール担当)。専門は土木計画、経済政策などの公共政策のための実践的人文社会科学研究。生活・交通行動分析(アクティビティ分析)にて1998年土木学会論文奨励賞、認知的意思決定研究で05年行動計量学会林知己夫賞、社会的ジレンマ研究で03年土木学会論文賞、07年文部科学大臣表彰・若手科学者賞、06年に『村上春樹に見る近代日本のクロニクル』にて表現者奨励賞を、18年に公民的資質のためのシティズンシップ教育研究で土木学会研究業績賞を受賞。著書に『国土学』『経済レジリエンス宣言』『プラグマティズムの作法』『列島強靭化論』『コンプライアンスが日本を潰す』『社会的ジレンマの処方箋-都市・交通・環境問題のための心理学-』『合意形成論』(編著)『モビリティ・マネジメント入門』(共著)『社会心理学の新しいかたち』(共著)等。

「2018年 『改訂版 土木計画学 公共選択の社会科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤井聡の作品

ツイートする