土木計画学 公共選択の社会科学

  • 学芸出版社 (2008年6月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784761531669

感想・レビュー・書評

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  • 明らかに教科書的な体裁・内容なのに、文体が分かり易い(飲み込み易い)からサクサク読める。
    論旨も説得力があるし、同意する部分が多い。

    本の前半(従来からのいわゆる土木計画学)は本題でないのかもしれないと思っていたが、将来需要推計(需要予測)が費用便益分析についても、内容自体はもちろんのこと、それらへの向き合い方が丁寧に述べられている。
    また後半はまさに真骨頂で、とくに「行政プロセス論」と名付けられた第10章は、目からうろこ。合意形成やPIについても、それに身を任せてしまうことの危うさを(直接民主制の問題点も参照しつつ)ようやく共有できたと思っている。

    土木の人がかいた本で、ここまで全く感銘しきってしまったり、絶賛したくなったりした本も珍しい。
    本書を国交省の全職員がよめば、日本は変わると思った。

  • 社会学と連携した土木計画の本を読みたくて、本棚に投入しました。
    感想は、うーん抑制的、ということでしょうか。

    土木行為が、往々にして行政的行為であることや、
    またほとんどにおいて社会的影響力をもつ行為であることなどもあり、
    たしかに大局を見る目線が大事なのだとは思います。

    そして、技術的運用と社会的運用、数理的プランニングと社会的プランニングなど
    計画段階の再分類にも成功しているし、
    土木計画を設計する上で、それぞれの段階での注意点や留意点を、現実的に指摘できていると思います。

    だけれど従来通り、
    「公共」と「私人」、
    または「解析学的手法」と「包括的てプランニング」、
    さらに「中央」と「辺境」の、
    対立構造、ないしは二項構造を
    多少なりとも描いてしまっているような印象を受けます。

    そして、そこを乗り越える画期的な案の提案というよりは、
    教科書という性格上は、
    現行されているPI手法の紹介にとどまっています。

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著者プロフィール

京都大学大学院工学研究科教授、1968年生。

京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員、東京工業大学教授等を経て現職。

2012年から2018年まで安倍内閣・内閣官房参与としてアベノミクス、国土強靱化等の政策アドヴァイスを担当。

2018年より保守思想誌・『表現者クライテリオン』編集長。


「2024年 『「西部邁」を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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