「ジプシー」と呼ばれた人々 東ヨーロッパ ロマ民族の過去と現在

  • 学文社 (2005年1月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784762013621

作品紹介・あらすじ

放浪の民、ジプシー楽団というイメージが先行するロマの人々。しかしその実態はあまりにも知られていない。
ヨーロッパに推定800万人も居住しているというロマ民族について、
その特異な歴史 文化 政治的現状を彼らが集住する東欧に焦点をあて多角的に考察。

ジプシーとしてホロコーストを経験したロマの人々。
しかし未だ人権が確保されているとは言い難い彼らに拡大EUはどう対処するのか。
EUの理念と実態の乖離ははたして埋まるのだろうか。ロマ民族の今と、EUの今後をうらなう。

感想・レビュー・書評

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  • 戦後もロマの要求を支援する民族国家もなければ、ロマ自身による自主的運動体も皆無だった。ナチス強制収容所で囚人だったロマが連合軍によって1945年に解放されて、自由の身になって生まれ故郷に帰還したものもいる。しかし厄介者がまた帰ってきたと地域住民に歓迎されたわけでもない。ロマが直面したのは経済的困窮だった。あらゆる財産をナチス時代に没収されたうえに、自分たちのもともとの居住区も徹底的に破壊されており、再出発のために必要な身分証明書もパスポートなどの種類も紛失していた。そしてジプシー差別は敗戦後も間断なく続行していたため、安定した職を見つけることは至極困難だった 。

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著者プロフィール

前学芸大

「2022年 『国境で読み解くヨーロッパ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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