男子問題の時代?:錯綜するジェンダーと教育のポリティクス

著者 :
  • 学文社
3.83
  • (1)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 65
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784762026348

作品紹介・あらすじ

ジェンダー平等をめぐる教育現場での錯綜は男子になにをもたらすか。

男子の学力不振、厄介者の男子、「男らしさ」の市場価値の下落……男のあり方をめぐるパラドックスに迫る。「男性優位社会」日本における 男の生きづらさ とは。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「政治分野における男女共同参画推進法」が5月16日に成立した。
    しかし中にはこんな意見もあるかもしれない。

    能力のない女のせいで優秀な男が政治家になれないのではないか?
    女が政治に参加しないのはそもそも能力がなかったり、興味がないからではないか?

    この法律の是非はまだ論じるには早すぎるが、得てして日本ではこんな風潮に傾きやすい。
    女は充分に優遇されているだろう、なぜそれなのに......。
    ではこういった意見に傾きやすいのはなぜなのか?

    本書では男性の生きづらさを理解することで誰にとっても行きやすい社会の構築に向けて提言する。

    男性が生き辛いと感じるのは「女性支配の社会になってしまったからではない」(47頁)
    男性は、男ならこうあるべきというレッテルの下で生きている。
    たとえそこから降りたくても、『「降りさせない」ための男同士の相互監視に晒され』(52頁)ている。
    そしてその男らしさを女性も求めてしまい、皆が逃げ場をなくしている。

    女性の研究は多くなされてきた。
    それは長いこと女性が男性の被支配下にあり、弱者だったためだ。
    決してその抑圧が解決されたわけではないが、時代を追うごとに少しずつ、女性は重圧から逃れてきた。
    それゆえに男性の研究は進んで来なかったし、ジェンダー教育も進んでは来なかったと著者は述べる。

    男性は過剰防衛をしているのではないか、私にはそう思えてならない。
    私たちが恐れるべきは、男女相互ではなく、反知性的社会の再構築だ。
    お互いを攻撃しても、何も良くならない。
    首を絞め合った先に何があるというのだろう?
    目指すべきは、「男女が対等に社会に貢献し、経済的に自立し、その機会を得、責任を持つ社会」(59頁)であり、そうでなければ、生きづらさは決して解消されないのだ。

  • 東2法経図・6F開架:367.5A/Ta17d//K

  • 社会
    ジェンダー
    教育

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

(たが ふとし)関西大学文学部教授/博士(教育学)。専門は、教育社会学、ジェンダー論。

「2016年 『男子問題の時代?:錯綜するジェンダーと教育のポリティクス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

多賀太の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
有効な右矢印 無効な右矢印

男子問題の時代?:錯綜するジェンダーと教育のポリティクスを本棚に登録しているひと

ツイートする
×