クリティカル進化(シンカー)論―「OL進化論」で学ぶ思考の技法

制作 : 秋月りす 
  • 北大路書房
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本棚登録 : 332
レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784762821394

作品紹介・あらすじ

自分の周囲の人や種々の問題について,性格に理解し,自分の力で考え,適切な判断をしていくのがクリティカルな態度であり,その思考である。クリティカル思考は複雑化した現代社会に適応していく上でも必要となろう。本書では,ユーモアあふれる4コマ漫画を題材にわかりやすく楽しく身につけてもらうことをめざした。

感想・レビュー・書評

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  •  ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」で、人間は本来批判的に物事を考えることが苦手である、といったことが明らかになっています。
    要するに、「え、まじかよ?」とツッコミが入れられないのです。

     本書は漫画「OL進化論」を題材に物事を批判的に考える方法を伝授します。
    裏返すと人が陥りやすい思考のツボが明示されます。
     
     批判的というと、非難中傷をイメージされるかもしれませんが、そうではなくあらゆる可能性を想定する、つまりじっくり考えることを指します。

     よく、偏った見方をしてる人を見てイラっときたがことある人は、その偏りの種明かしがされるのでイチオシです。
    本書ではステレオタイプと断じて陥らないためのポイントを解説しています。

     非クリティカル思考者の一例として
    ・二分法論法
    AかBかでしか考えられない。敵か味方かといった具合に。
    例 A「アベノミクスは(経済学的に)正しい」 → 安倍政権支持者と決めつける
    (*政治に左派右派があるように、経済政策にも色々あります。)
    ・体験談論法
    一人の体験をあらゆることに当てはめようとする。
    例 ダイエットサプリの広告
    ・人身攻撃論法
    議論の中身ではなく論じてる人の方を攻撃する
    「あんな人に〇〇を語る権利はない」
    ・藁人形論法
    相手の言葉や立場を実際以上に極端なものに書き換えて攻撃する。
    例 A「甘いものは食べない」B「甘いものを食べている人を一方的に差別している。食べ物の好き好みでレイシズムに陥るのはよくない」

     ギャグ漫画を題材にしているので親しみやすいし、漫画を読んでから解説に入るのですっと頭に入ります。

     コラムで心理学者自身から心理学の実際が語られたエピソードは興味深かったです。
    人に好かれる秘訣がわかる、心理テストで本当の自分がわかる、心理学を学べば人の心が見透かせる、なんてよくある「心理学もどき本」のようにシンプルな答えを出してはくれないのだそうです。メンタリストなる人にハマってる人、この本を読んだ方がいいです。

     ところで、著者曰く「大学の先生は一度も世間に出たことがないので、言うことが現実的じゃない」と言われてしまうらしい(73ページ)
    ええ、40〜41ページのコラム「ある読者と筆者の仮想対話」にて、
    草野球でバカスカ打って快勝した話をする”読者”に対して、「それはどうかな?」なんて理屈をこねたらごく世間一般の人なら十中八九ブチ切れます。そんな仮想をするあたり、「現実的じゃない」と思いますが、おっとこれは批判的思考ではないかもしれませんね。

     僕が高校生の時に買った本ですが、出版年は、1999年。著者は60年代生まれ。長く読み継がれてる書籍なんですね。

     余談ですが、デカルトの方法序説を読んでしまえばそれでよし、と考えることもできるけれど、それだけじゃあちょっと…と言う人にオススメのハウツー本。

  • 当たり前と言えば当たり前。
    ただ、ここまでシンプルに整理してもらえると、自分の頭がどういう状態になっているかを自認し易い。
    当たり前と感じた事自体が後知恵バイアスなのかも。

  • 【Aの部分に書き手の主観や解釈が混入していることがある表現の例】

    「Aもまた事実である」
    「Aは厳然たる事実である」
    「bさんは「c」と述べ、Aしました」(「A」=「~という考えを示」、「~という姿勢を強調」、…)
    「bさんはAを念頭に「c」と述べました」


    【読み手に同調圧力をかけたいときにも使える、場の空気などに関する書き手の主観や印象を事実っぽく表現するテクニックの例】

    「~に対して不安が広がっています」
    「~という疑問が広がっています」
    「~への懸念が広がっています」
    「~に衝撃が広がっています」
    「~に波紋が広がっています」
    「~への不信感が広がっています」
    「~への批判が高まっています」
    「~を求める声が高まっています」
    「~にも期待が高まっています」
    「~という意識が高まっています」
    「~の機運が高まっています」
    「~について議論が高まっています」
    「~への反発が高まっています」
    「~に対する抗議の声が高まっています」
    「~との見方が強まっています」
    「~に注目が集まっています」
    「~に関心が集まっています」
    「~に世界が注目しています」


    (仮説)
    ある事柄についての専門家は複数存在し、それらの専門家の間で意見のばらつきがあることがほとんど。

  • クリティカルシンキング本の中で一番わかりやすい本です、漫画を使って説明が書かれています。

  • 社外講師オススメの一冊。漫画と解説で、入門書としてはぴったり。

  • 大学の講義で勧められた本。マンガなので分かりやすいです。

  • 4分割表の考え方を得られたのが一番大きい。
    何か仮説を立てる際に、「ある×ある」「ある×ない」「ない×ある」「ない×ない」の4つの視点があるということが、これまで無意識に行っていた場合もあるが、改めて意識して気づいた発見であった。
    クリティカルシンキングとは、どこか分析やマーケティングに通ずるものがあるなと感じた。
    そのような仕事をする場合に特に必要で役に立つ考え方であると思う。
    4コマ漫画の身近な事例を、そこまでやるか!というくらい掘り下げることで見える多角的視点やあらゆる仮説が、やはり改めて取り上げることで、新鮮に受け取れた。
    また4コマ漫画と見開きである程度完結しているスタイルが、一度読み終わったあとでも読み返しやすい。
    時々読み返しては、多角的かつ懐疑的視点を体得していきたい。

  • うーん。
    論理的・客観的な思考のことを「クリティカル・シンキング」というようだけど…。「そりゃそうでしょ」という内容がほとんどだった。

    「彼らは似ている。われわれはさまざまだ」(141頁)というのは,なるほどそうだなぁ,と。

  • OL進化論、奥が深い!

  • たまたま、出会った本。最高だった。

    ひな鳥思考に陥らないようにマインドフルに生きていこう。

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プロフィール

琉球大学大学院教育学研究科教授

「2016年 『批判的思考と市民リテラシー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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