捜査心理学

制作 : 渡辺 昭一 
  • 北大路書房 (2004年3月発売)
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  • 本棚登録 :41
  • レビュー :3
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784762823510

作品紹介・あらすじ

科学警察研究所犯罪行動科学部が放つ,犯罪捜査支援にかかわる「知の結晶」。これまで蓄積してきた研究成果のうち,犯罪捜査に役立つ心理学的知見をまとめた。犯罪捜査に携わる警察官や科学捜査に興味・関心のある人など,心理学を専門としない人に解説した入門書であるが,専門家にも読みごたえのある内容となっている。

捜査心理学の感想・レビュー・書評

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  • 捜査心理学は、犯罪の捜査に関して一般的な人間の心理が影響を及ぼす心理学的要因・影響を科学的に解明しようとしていることだと読後に思った。内容も系統的であり、実際の捜査時に心理的に配慮が必要で会ったりすることがまとめられていると思う。犯罪心理学に興味がある人にとっては格好の入門書だと思った。


    はじめに
    序章 心理学と犯罪捜査のかかわり
      1 捜査心理学の定義
      2 捜査心理学の領域
      3 捜査心理学の課題
    第1部 犯罪捜査と心理学
    1章 目撃証言の心理
     1 目撃者の記憶の過程
     2 目撃者の記憶に影響する要因
     3 記憶想起と証言の聴取
    2章 写真面割り
     1 写真面割りの正確性に影響する要因
     2 面割り写真の構造上の特性
     3 面割り写真の構成
     4 面割り写真の公正さ
     5 面割り写真の呈示
     6 確信度および目撃供述の性質と同定判断の正確さ
    3章 ウソ発見の心理
     1 ポリグラフ検査とは
     2 ウソ発見のカギは質問にある
     3 ポリグラフ検査の方法と手続
     4 ポリグラフで測定される生理反応
     5 判定の方法
     6 ポリグラフ検査の正確度
    4章 犯罪手口を用いた優先順位による被疑者検索
     1 犯罪手口による被疑者検索の考え方
     2 被疑者検索が可能な条件
     3 優先順位による被疑者検索システムの概要
     4 優先順位による被疑者検索システムの検索精度
     5 今後の課題
    5章 取調べと自供の心理
     1 調査方法と面接項目
     2 否認する被疑者の特性
     3 不利な証拠の強さと否認
     4 否認中の被疑者の感情と心理
     5 否認の原因
     6 取調べの成功を決定する要因
     7 取調べのアプローチ
     8 自供の動機
     9 自供後の心理
     10 まとめ―自供にいたる心理過程―
    6章 人質立てこもり事件
     1 わが国の人質立てこもり事件の特徴
     2 犯人および人質の心理と行動
     3 人質立てこもり事件の類型化
     4 人質立てこもり事件におけるリスク評価

    第2部 各種犯罪の犯人像
    7章 プロファイリングによる捜査支援
     1 事件リンク分析
     2 犯罪者プロファイリング
     3 地理的プロファイリング
     4 まとめ
    8章 殺人捜査本部事件の分析
     1 殺人捜査本部事件のデータベース
     2 殺人捜査本部事件の犯行現場情報に関する分析
     3 殺人捜査本部事件の地理的情報に関する分析
     4 殺人捜査本部事件の類型化の試み
     5 まとめ
    9章 「バラバラ殺人」事件の犯人像
     1 国内での発生状況
     2 「バラバラ殺人」事件の類型化
     3 事件類型別の犯人像
     4 まとめ 
    10章 通り魔事件の犯人像
     1 通り魔事件の定義
     2 通り魔事件および加害者の分類
     3 通り魔事件の加害者特徴
     4 まとめ 
    11章 連続放火事件の犯人像
     1 国内外における放火研究
     2 調査の枠組み
     3 連続放火犯の基本的属性
     4 連続放火事件の事件態様
     5 地理的分析の有効性
     6 地理的分析による居住地推定
     7 まとめ
    12章 年少者強姦事件の犯人像
     1 年少者強姦事件の犯人特徴
     2 類型別の犯人特徴
     3 まとめ
    13章 年少者わいせつ事件の犯人像
     1 海外文献に見られる加害者類型
     2 年少者誘拐・わいせつ犯の特徴
     3 まとめ

    第3部 犯罪情報分析と捜査心理学
    14章 犯罪情報の戦略的活用
     1 犯罪関連情報の戦略的活用
     2 犯罪情報分析
    15章 北米における犯罪情報分析
     1 アメリカにおける犯罪情報分析
     2 カナダにおける犯罪情報分析
     3 まとめ
    16章 イギリスにおける犯罪情報分析と捜査心理学
     1 警察組織における捜査支援
     2 大学からの捜査支援―リヴァプール大学における捜査心理学とその応用―
    17章 海外における凶悪犯罪捜査支援システム
     1 ヨークシャー・リッパー事件
     2 犯罪捜査データ管理の発展
    18章 犯罪情勢分析とクライムマッピング
     1 犯罪情勢分析の類型
     2 地理情報システム(GIS)
     3 GISを用いた犯罪情勢分析
     4 実務向けの犯罪分析ソフトウェアの開発
     5 犯罪地図の提供
     6 海外でのクライムマッピング支援体制

    終章 捜査心理学の今後の課題
     1 科学的な根拠に基づく警察活動
     2 捜査心理学の今後の課題

  • 実務者には得るもの多し。ただし多少眉に唾する記述もあるため注意が必要です。

  • 本書は、「観想力」の著者三谷氏が読んで面白いとの事だったので、興味を持ち
    読んでみました。著者は、科学警察研究所の方々で、複数の人が執筆しています。

    内容は、目撃証言の心理から始まり、写真面割り、嘘発見の心理、プロファイリングに
    よる各種の犯人像、海外の事例等々、かなり盛りだくさんですね。ただ、私が興味が
    あったは、「犯人が自供をする心理とその心理過程」だったので、そこを中心に
    まとめると、

    1.アプローチには、「事実分析的」「共感的」の二つがある
    2.望まれる資質は、知性的・優れた理解力・善良な性格・忍耐力と執着心
    3.共感的アプローチの方が効果が高い

    の3点です。特に、自供促進要因とし個人的には、捜査情報に基づく説得や
    理詰めで責めていく方法が、一番効果的かと思っていたのですが、結果はTVで
    おなじみの、「おふくろが泣いているぞ!」的な、相手側に立ち、共感し、相手の
    見方である事を十分に認識させてから、心情に訴えかける方法が有効なようですね。

    よく考えれば、相手は犯罪に手を出してしまった人、理詰めではどうにもならない
    ですよね。人は、感情の生き物ですからね。こういった事も、プロジェクトを動かして
    いくには大切な戦略なのでしょう。

    普段ニュースで色々な事件を見たり聞いたりしていますが、意外としらない捜査の中身、
    その一端を知る事が出来るのはとても面白かったです。

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