説明文理解の心理学

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  • 北大路書房 (2004年12月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784762824135

作品紹介・あらすじ

説明文を理解し表現する技能は,おもに児童期に形成され,その獲得に小学校国語科教育が主要な役割を担っている。本書では,児童を対象に行なった多くの実験研究や調査研究の成果をまとめ,「その技能はどのように発達するのか」「指導する際にはどのような点が重要なのか」を認知心理学・教育心理学の立場から提言する。

感想・レビュー・書評

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  • 犬塚美輪『読めば分かるは当たり前?』から。
    レビューは割愛。

  • 実に勉強になる。特に先行研究が多く紹介されているのでありがたい。惜しむらくは、中学生以降の研究が少ないこと。文章理解研究って、小学生ばっかなんだよなあ。高校生以上となるとすごく少ないのはなんでだろう。

  • 小学生や成人を対象としたデータを基に、説明文の理解と表現の発達過程を明らかにする研究。全体としては、普段から子どもたちの様子を見ているかぎり常識的、感覚的に思っていたことが裏付けられたという感じで、目新しい発見はなかった印象だった。
    最終的な指導の提案に関しても、「国語科」という教科場面に限れば、確かに体系的な指導がなされていないのは確かだと思うが、それでも今回の協力者にあたる大学生などの成人が、ある程度の理解、表現力を身につけていることを考えると、生活のあらゆる場面で、どのようにして文章理解や表現を学んでいるのかが知りたい。教科書の指導内容等を基準にするのではなくて、もっと広範囲の成長の場面で触れる言語環境の視点から、より原理的な発達について知りたかった。
    具体的な指導内容を指導法と合わせて考えるのであれば、量的なデータで各学年間での発達差を検討するだけでなく、具体的な指導や内容に対する子どもの反応と成果物との間が検討できるような質的なデータも欲しい。

    とはいえ、子どもたちの説明文の理解、表現に対してフィードバックをする指針として、それぞれの研究で分析の観点とされていた要因は、すごく参考になる。例えば、最後の手続き的説明文に関する研究では、手続き的説明文の質について、「正しさ」と「わかりやすさ」であると言っている。そのうえで、「わかりやすさ」の基準について、「語彙の適切さ」「段落の意味のまとまり」「説明順序の適切さ」「目的との適合」「全体的なわかりやすさ」の五つの観点を設定する。子どもたちが書いた説明文について、1)必要な説明内容の数、2)不要な説明内容の数、3)内容混入文数、4)促進文数を数える。
    当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが、これから、子どもたちが書いた文を読んでいくうえで、参考になる観点が多くある。研究自体の成果よりも、一人ひとりの文章を見るときの視点として発見の多い本で面白かった。

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著者プロフィール

岸  学 (きし・まなぶ)
1951年 東京都に生まれる
1980年 早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得満了
現 在 東京学芸大学次世代教育研究推進機構 特命教授(プロジェクトリーダー)
(博士(心理学))
主著
・説明文理解の心理学  北大路書房 2004年
・SPSSによるやさしい統計学  オーム社 2005年
・説明の心理学(分担執筆) ナカニシヤ出版 2007年
・文書表現技術ガイドブック(編著) 共立出版 2008年
・子どもの論理を活かす授業づくり-デザイン実験の教育実践心理学-(分担執筆)
 北大路書房 2009年
・ツールとしての統計分析(共著) オーム社  2010年
・現代の認知心理学3 思考と言語(分担執筆) 北大路書房 2010年
・教育工学研究の方法(分担執筆) ミネルヴァ書房 2012年

「2016年 『21世紀の学習者と教育の4つの次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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