学習意欲をデザインする: ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン
- 北大路書房 (2010年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784762827211
作品紹介・あらすじ
学習者の意欲を刺激し維持する学習プロセスをどう設計すればよいか。本書は,インストラクショナルデザインにおける3つの目的(効果・効率・魅力を高める)のうち,「魅力」に焦点を当てる。動機づけ概念や理論をふまえ,注意・関連性・自信・満足感という4側面から,システム的なプロセスとツール(解決策)を提供。
第1章 学習意欲を研究するということ
第2章 学習意欲のデザインとは何か?
第3章 学習意欲をデザインするARCSモデル
第4章 注意を生み出し維持する作戦
第5章 関連性を確立し支援する作戦
第6章 自信を構築する作戦
第7章 満足感をもたらす作戦
第8章 学習意欲の問題を見つける
第9章 動機づけの目的と方策を練る
第10章 学習支援設計に組み入れる
第11章 学習意欲のデザイン支援ツール
第12章 学習意欲のデザインに関する研究と開発
感想・レビュー・書評
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やはりアメリカの本だけあって日本の例示と異なるところがある。指標がそのまま日本で使えるか検討しないといけないと思う。
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筑波大学の授業科目「国際標準の指導者能力のすすめ」の教科書。
教育研究史をまとめた書として価値あり。
なんらかの教育をする予定の人のための、授業計画の立て方を解説する。計画例や読者が書込む表(ワークシート)の作り方などがあるが、ただし実は手引きは半分程度である。前半はこれまでの主要な研究と議論を、後半では筆者の提唱するモデルに至るまでを紹介しており、過半を教育研究史が占める。かなりのボリュームで、単に教育実務の手引きにのみ使いたい人には煩雑に感じるかもしれない。
ユニークな手法というよりは、正攻法をごく丁寧に体系的にまとめ上げたという印象。いかに受講者のやる気を削がないか、にちゃんと重点的に言及している点が良い。(悪い例に挙げられる、先生の顔が浮かんでしまう…)
目次
1.学習意欲を研究するということ
2.学習意欲のデザインとは何か?
3.学習意欲をデザインするARCSモデル
4.A:注意を生み出し維持する作戦
5.R:関連性を確立し支援する作戦
6.C:自信を構築する作戦
7.S:満足感をもたらす作戦
8.学習意欲の問題を見つける
9.動機づけの目的と方策を練る
10.学習支援設計に組み入れる
11.学習意欲のデザイン支援ツール
12.学習意欲のデザインに関する研究と開発 -
教育活動に関わっている人にオススメの一冊。分厚くて読み通すのは大変だが、拾い読みをしていってもとても勉強になる。
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学習を促進するために重要な要素である動機づけをARCS-Vモデルで解説した良書。少し専門的な知識が必要なので中級者向け。
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(推薦者コメント)
卒業論文のテーマにしたいと考えている分野なので、ぜひ買っていただきたいです。 -
基礎研究としての「動機づけ理論」に対して,
臨床実践としての「学習意欲のデザイン」という位置づけ.
これは,教授学習理論に対するインストラクショナルデザインの関係と同じ.
学習意欲のデザインに4つのモデル
・人間中心理論
・環境中心理論
・相互作用説
・オムニバスモデル
Web体験でフローを起こす条件
・即時フィードバック
・明確な目的
・飽きさせない十分な複雑さ
・動的な挑戦
オンライン教授方略の7つの原理(Johnson & Aragon, 2002)
・個々の違いに配慮
・学習者を動機づける
・情報過多を避ける
・現実の文脈をつくる
・社会的関わりを促す
・ハンズオン活動を提供する
・学習者の省察を促す
適応型教材・教授の6レベル
・学習者パフォーマンスへのフィードバック
・パフォーマンスの発達に応じた励まし
・異なるパフォーマンスに特化したフィードバック
・個人差に基づくオプション
・マネジメント〜インストラクションの複雑な制御
・学習者の意欲状態に反応する