SNSカウンセリング入門: LINEによるいじめ・自殺予防相談の実際

  • 北大路書房
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本棚登録 : 76
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784762830211

作品紹介・あらすじ

相談してくれてありがとう!
この言葉からはじまる 新時代のカウンセリング
SNS相談の実際を伝え,今後の展望を開く!

中・高生の身近なコミュニケーションツールであるSNSは,自殺やいじめ等に悩む若年層の支援で活用が期待されている。その一方で支援者は新たなツールに戸惑うことも多い。本書では,行政初のLINE相談事業の取り組みを示し,その経験知を伝える。短い言葉の交互やり取りによる支援の実際と課題も論じ,今後の展望を開く。

■本書を推薦します!
 LINE株式会社 執行役員・公共政策室長 江口清貴氏
 一般財団法人全国SNSカウンセリング協議会
 一般社団法人全国心理業連合会
 認定特定非営利活動法人育て上げネット
 公益財団法人関西カウンセリングセンター

■コラム
アカデミック・アドバイザーのコラム:
 LINE 相談と変化のステージ……杉原保史(京都大学学生総合支援センター)
相談員のコラム1:
 相談初日に飛び込んできた子どもたちからの問い……河越頌子(公益財団法人関西カウンセリングセンター)
相談員のコラム2:
 LINE 相談の経験から学んだこと……古賀和香子(認定特定非営利活動法人 育て上げネット)
相談員のコラム3:
 重たい相談への対応の工夫……上野大照(オフィス・コミュニケーションズ/日本ブリーフセラピー協会)
相談員のコラム4:
 SNS を相談ツールに……伊藤吉美(公益財団法人関西カウンセリングセンター)
相談員のコラム5:
 扉をたたく勇気に応えたい……乙倉恵子(公益財団法人関西カウンセリングセンター)
相談員のコラム6:
 LINE 相談室の中……高間量子(公益財団法人関西カウンセリングセンター)

感想・レビュー・書評

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  • 借りたもの。
    SNSのひとつ、LINEを使ったカウンセリングの試験結果を基に、その可能性と今後の課題を提唱した一冊。
    現在進行形で模索しているものなので、ハウツーというよりは統計と検証が中心。
    「若者の利用者が多く、身近なツールであるLINEを使ったカウンセリングに効果があるのか?」
    2017年に行われたLINE相談窓口「ひとりで悩まないで@長野」の結果報告書のようなもの。(※1)

    既存のカウンセリング方法に囚われるカウンセラーへの苦言を呈しつつ、LINEによるカウンセリングのメリット、デメリットを挙げてゆく。

    緊急性のある事案か、それを判断する基準、その際はどうするべきか……
    やりとりのタイミングについても。

    スキマ時間で相談してくるという、「“ながら”カウンセリング」になるという指摘は衝撃的。
    自分の問題と向き合う集中した時間、というカウンセリングとは異なることになる。

    問題としては、スキルの確立が模索中であること、PCスキルやSNSのノウハウも必要になること、短い文章でどれだけ相互理解に繋がるか、さらにはカウンセリングに見合ったLINEスタンプが無いという問題提起も。

    人員やスキルの不足の問題(※2)は今後の課題だろう。

    ※1
    『LINEと長野県による、LINEを利用したいじめ・自殺相談事業の中間報告資料を公開』
    https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2017/1940 ( 2019/8/28確認 )

    ※2
    『「もう、疲れました」「さようなら」 “夜回り先生”水谷修の嘆きに心配の声、数日前には「一番怖い1カ月が始まります」』
    https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1908/22/news123.html ( 2019/8/28確認 )

  •  
     2017年に実施された行政によるSNS相談(日本初)の担当者たちが記した体験記に基づくSNS相談の入門書です。

     なぜSNS相談が必要なのかが熱く語られ,実際の相談体験から得られた統計データや事例が検討され,具体的な相談体制・方法についても触れられています。

     本書のもととなった行政によるSNS相談の一つ「ひとりで悩まないで@長野」は現在も継続して実施されていることから,本書のような取り組みがいかに意義深いものであったのかがわかります。

     文字だけのカウンセリング(相談)というと,抵抗感がある場合もあるかと思いますが(本書に示されたSNS相談事例を見る限り,相談員の対応という点に私はかなり課題を感じました),それ以上に恩恵もあると本書を読んで感じました。

     本書にも明確に記されていますが,今後どうやってSNS相談をより意義あるものとして位置づけていけるのか,それを考えるきっかけになる本だと思いました。

     ちなみに,本書に触発されて「恋愛カフェ@オンライン」というLINEのオープンチャットをはじめました。カウンセリングはできませんが,雑談・相談であればできますので,ご興味のある方はご参加ください。
     

  • データは少なめ。ふつうのカウンセリングと何が違うのか分かったのでよかった。事例もあるから実際どんな感じなのかイメージできた

  • 対面での相談では、相談員に求められるのは受動的傾聴であるが、
    SNS相談では非言語的情報を伝えることができないため、それらをはっきりと言葉にして伝える必要がある。
    気軽に相談できるがために、相談への動機付けが低かったり、相談する環境が整っていない状況で相談してくる相談者が多い=時間的・空間的・心理的に相談に専心できない状況(帰宅途中の電車の中、友達とゲームをしながら、など)→相談内容をよく考えしっかりと話す姿勢が乏しいため、受動的に聞いているだけだと話が展開しない
    対面の相談以上に、相談者のリソース(がんばっているところ、大事にしているところなど)を見出し、積極的に言葉にしてフィードバックすることが大切

  • SNSカウンセリング入門と題名がついていますが、確立されたハウツーを初心者に紹介するというよりは、筆者達が行ったLINEによる中高生へのカウンセリングの実際を、統計解析・方法説明・検証や考察を交えて未来へのたたき台とするために情報共有する目的で書かれた本でした。

    そのため一般人がSNSカウンセリングについて知りたいと思って読むと少し温度差があります。
    SNSカウンセリングは対面や電話相談とは勝手が違う為、実際行う場合はどのような点に注意すべきか?といった具体的な疑問がある人にとってはとても良い参考書になると思います。

    そもそものSNSカウンセリングの意義は、「若年層のための悩み相談は、若年層が最も親しんでいるコミュニケーションツールを用いて行うべきだ」というところに根ざしています。
    敷居が低い分相談者は相談に対する準備ができていない場合もあり、専門家同士でもSNSによるカウンセリングは軽視(もしくは毛嫌い)されているようです。しかしそれはカウンセリングを提供する側の問題であることも多く(最大限のカウンセリングが出来ない等)、確かにデメリットもありますが、SNSカウンセリングはホームドクターのような初期段階での中高生の心のケアに非常に適しています。実際「LINE相談室だから相談できた」という相談も多くあったようです。

    この本を読んで、提供側の「サービスの提供しやすさ」が重要なのではなく、よりサービスに親しんでもらう・活用してもらう為に、どこにニーズがあり、そのニーズに寄り添うにはどのアプローチが最適か?を考えることが大切で、サービスの有効性の最大化も大切ですが、実際にサービスを使う側に立った物の考え方が重要だと思いました。

  • 電話相談ではなくLINEによるカウンセリングの研究について実践例を元に解説している。実際に文字にして相談をすることで、オウム返しや傾聴が通用しない。また、途中で途切れてしまうこともある。どうしても相談時間が長くなることも多いようだ。

  • ■書名

    書名:SNSカウンセリング入門: LINEによるいじめ・自殺予防相談の実際
    著者:杉原 保史、宮田 智基

    ■概要

    相談してくれてありがとう。この言葉からはじまる、新時代のカウンセリング。
    SNS相談の実際を伝え、今後の展望を開く!
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    時代に即した本だと思います。
    カウンセラーも時代に取り残される人と時代についていける人で今後は分かれていくこと
    になりそうですね。

    時代に取り残される人は、やはり年代の上の人が多いのでしょうね。
    ロジャーズを神格化している人ほど、実はロジャーズの真の意味が分からず方法論に
    囚われて時代に取り残されていくのだと思います。

    ロジャーズの方法をあくまでカウンセリングの一つの手段であり、本来の目的は
    「相談者にに寄り添い、相談者を助けること」と理解している人は、新しい手段でどのように
    ロジャーズの考えと相談者の悩みを解決していくかの融合を考えていけるのだと思います。

    杉原さんを批判する昔の人は多いと思いますが、無視してどんどんこういう新しい技術に
    よる新しいカウンセリングを実践していっていただきたいですね。

    ロジャーズが正義と思っているカウンセラーは、将来的には自分が役に立たなくなる可能性の
    人間であることを自覚したほうがいいと思いますけど、何を言ってもどうせ聞く耳持たないから
    ほっとけばいいと思います。
    両方やれる人が最強なのはいうまでもありません。

    時代に合わさられるカウンセラーを育てることがカウンセラーの重要課題だと思います。

    そういう意味で、この本については、しっかり本質を理解して柔軟な考えでカウンセリング
    を研究している本だと思います。

    ■気になった点

    ・若者が得意とするコミュニケーションツールで相談をすることが大事と考えます。

    ・データが示す効果的な言葉は「勇気」「賢い」「誇り」です。

    ・LINEでは非言語コミュニケーションが成立しないため、積極的な応答が必要となります。

    ・相槌の後に非言語で伝わるであろう情報を、文章とする必要があります。
     自分はそういうのを受けて、こう思った、感じたよというのを常に文章でしっかり伝える
     必要があります。

    ・LINEでは、通常のオウム返しは、相談者をイライラさせることがあります。
     オウム返しは、そんなのわかっているよ!と思わせるだけです。

    ・LINEでは、質問力が必要です。傾聴というよりは、問題点を想像し、何に悩みどうしたら
     相談者が納得するかを想像し、質問し、会話を導いていく力がひつようです。

    ・行き違いやタイムラグには、応答するようにします。

    ・相談を終えるときは、相談を終えてもいいかを確認し、相談を終えるようにする。

  • 今だからこそ読む価値あり!

    2017年9月と11月~2018年3月に行われたsns相談のまとめ。
    「実際」だからこそ参考になりそう。

    半年後、一年後には古くなってるかもしれないけれど、少なくとも今の私には新鮮に感じました。

  • オンラインカウンセリングをこれからやろうとしている人にとっては最高の内容。データが多く、自分がこれからどんなコンテンツを作ればいいのか分かる道しるべになる

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著者プロフィール

京都大学学生総合支援センター教授(カウンセリングルーム室長) 教育学博士(京都大学) 臨床心理士 略 歴 一九六一年 神戸市生まれ。 京都大学教育学部、京都大学大学院教育学研究科にて臨床心理学を学ぶ。 大谷大学文学部専任講師、京都大学保健管理センター講師、京都大学カウンセリングセンター講師を経て現職。 主な著書 『技芸としてのカウンセリング入門』創元社 二〇一二年 『12人のカウンセラーが語る12の物語』(共編著)ミネルヴァ書房 二〇一〇年 『統合的アプローチによる心理援助』金剛出版 二〇〇九年 『大学生がカウンセリングを求めるとき』(共編著)ミネルヴァ書房 二〇〇〇年 『臨床心理学入門』(共編)培風館 一九九八年 主な訳書 『心理療法家の言葉の技術 第二版』(ポール・ワクテル著)金剛出版 二〇一四年 『説得と治療:心理療法の共通要因』(ジェローム・フランク&ジュリア・フランク著)金剛出版 二〇〇七年 『心理療法の統合を求めて』(ポール・ワクテル著)金剛出版 二〇〇二年

「2018年 『SNSカウンセリング入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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