代替行動の臨床実践ガイド 「ついやってしまう」「やめられない」の〈やり方〉を変えるカウンセリング

  • 北大路書房 (2022年6月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784762831911

作品紹介・あらすじ

「どうしてもついやってしまう」「やめたくてもやめられない」

夜更かし,ゲーム,ギャンブル,飲酒,喫煙,風俗通い,薬物,リストカット,家族間のコミュニケーション不全……。

クライエントを取り巻く状況やその悩みの特異性に応じて,試行錯誤してきた経験豊富なセラピストたちのノウハウを惜しみなく公開。依存・自傷・家族関係に寄り添う心理学的支援の方法とは。



■ 本書の主な目次

少し長い「はじめに」

●第Ⅰ部 ふだんの生活

 第1章 夜更かし

 第2章 気分の波

 第3章 回避行動/抗不安行動

●第Ⅱ部 嗜癖行動・自傷行為

 第4章 ギャンブル行動――刺激を遠ざけ、感情を豊かにしていく

 第5章 飲酒――万能薬に代わる行動を習得する

 第6章 喫煙――「一人で我慢」を手放すことから始める

 第7章 性的な問題行動――対人関係・犯罪(痴漢)

 第8章 自傷行為(リストカット)

●第Ⅲ部 家族間のやりとり

 第9章 育児におけるパートナーや家族との対話

 第10章 物質使用によって生じる問題への家族の対処行動

 第11章 中高生のゲーム問題に対する家族のコミュニケーション

 第12章 子どもの困った行動への対応

 第13章 精神疾患患者を抱える家族の間に起こるコミュニケーション不全

編集後記

感想・レビュー・書評

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  • 夜ふかし、気分の波、飲酒、喫煙、自傷行為などの行動をどのように考えて対処するのかを豊富な事例と共に語るガイドです。専門用語はありますが平易かつ実践的なガイドとなっています。心理学に興味がある方におすすめ。

  • CBT臨床における重要な(だが、詳細に解説された資料はこれまであまり見当たらなかった)要素である「代替行動」についてまるまる一冊を使って紹介する待望の本。さまざまな臨床場面における臨床での活用事例や基本的な考え方は、もちろんこれが全てではないが現場でいろいろな問題に直面する方を支援する上で大きなヒントとなるだろうと思う。

    本書の内容は大きく「ふだんの生活」「嗜癖行動・自傷行為」「家族間のやりとり」に分けられ、さまざまな"困った場面"への対処について丁寧にページを割いている。「まえがき」に基本的な考え方が書かれており、熟読をお勧めしたい。

    悪者をつくらない、誰かのせいにしない、問題を個人に帰せず機能と環境の相互作用として介入ポイントを探るという行動療法の考え方は非常に好ましいと個人的に考えている。しかし、具体的に「問題」とさせる状況をどう取り扱うかを考える時、代替行動の概念がなければ下手すると「ABC分析しっぱなし」で終わってしまう可能性もある。

    本書は臨床における道筋を照らす灯火のひとつとなる一冊だと思う。CBTに馴染みのない方にもお勧めしたい。

  • 様々な状態に対する“代替行動”について事例を交えて学べる良書。
    実際の現場で役立ちそうなヒントが多く散りばめられていた。

  • CBTの適用範囲の広さがわかる内容。やっていることは基本的なことだが、機能分析やケースフォーミュレーションをどう進めていくのかは参考になる。さらに、CBTだけでなくMIやアサーションも織り交ぜられており、本書から学べることは多い。問題行動の代替行動足りうる行動をいかに構築していくのか、その考え方が知れたのがよかった。

  • とても分かりやすく大まかな援助方針と留意点がまとめてあって読みやすかった。欄外の著者のコメントの方に大事なエッセンスが隠れていて必見。
    色んな症状が網羅されているため、一つ一つを深める感じでは無いので、あくまでも概観するための一冊かな、と感じた。

  • まさに臨床実践ガイド!
    利用者との会話を思い出しながら読んだ。
    書籍でも手元に置いて置きたい。

  • ・サポートする側向けの本
    ・注が多いけど読みやすい

  • 少し長い「はじめに」

    第Ⅰ部 ふだんの生活

    第1章 夜更かし
    事例を通して考える
    ◆ 事例1「Aさんの場合」
     睡眠-覚醒リズムのアセスメント
    問題行動を代替行動へ置き換える
     入床-起床のスケジュール化
     日中の活動のスケジュールの確立
     セラピストや養育者の関わり
    まとめ

    第2章 気分の波
    ◆ 事例2「トクシマさんの場合」
    双極性障害とは
    心理教育
    セルフモニタリング
    双極性障害の感情調節の問題
    マインドフルネス
    まとめ

    第3章 回避行動/抗不安行動
    事例紹介
    ◆ 事例3「Bさんの場合」
    面談開始前後のBさんの状況
    面談開始前後の病棟スタッフの状況
    Bさんの回避行動を考えてみる
    病棟スタッフの回避行動を考えてみる
    病棟スタッフへの働きかけ
    Bさんへの働きかけ
    Bさんのその後の経過
    自然に維持される行動を考える

    第Ⅱ部 嗜癖行動・自傷行為

    第4章 ギャンブル行動―刺激を遠ざけ、感情を豊かにしていく
    ギャンブル障害の事例
    ◆ 事例4「Cさんの場合」
    ギャンブル障害の支援にあたって
    Cさんの不適応行動とその悪影響
    初期にはいわゆる「ギャンブルの代わりの行動」には触れない
    ギャンブルにつながる刺激を避けるような生活スタイルを送る
    ギャンブルにつながる刺激にたどり着く方法を面倒にする
    ギャンブル行動のハーム・リダクション
    ギャンブルの代わりとなる行動
    まとめ

    第5章 飲酒―万能薬に代わる行動を習得する
    なぜ依存症になるのか
    認知行動療法への誘い
    アルコール依存症のための認知行動療法
    ◆ 事例5「Dさんの場合」
     あいまいな言葉はより具体的に
     アルコールに太刀打ちできる代替行動のリストとは
     連鎖反応に備える
    ◆ 事例6「Eさんの場合」
    セラピーのゴールとセラピストのあり方
    まとめ

    第6章 喫煙―「一人で我慢」を手放すことから始める
    禁煙への第一歩―三つの視点から
     視点1
     視点2
     視点3
    二つの事例から
    ◆ 事例7「Fさんの場合」
    ◆ 事例8「Gさんの場合」
    最後に―社会が変われば禁煙につながる

    第7章 性的な問題行動―対人関係・犯罪(痴漢)
    ◆ 事例9「電車内痴漢行為」
    ◆ 事例10「風俗通い」
    個別面接の流れ
    「反省」という減っていくブレーキ
    「いいところ」を話してはいけないという呪い?
    性的な問題行動の体験と同じ体験ができる行動なんてありません
    代替行動を必要としない生活
    社会通念や偏見にとらわれないアプローチ

    第8章 自傷行為(リストカット)
    代替行動に取り組むまでのアセスメントとコミュニケーション
    ◆ 事例11「Hさんの場合」
     その自傷の自殺リスクは?
     セラピストの過剰な反応による自傷行為の強化に注意!
     「適度な距離を保った相談関係」を築くためのコミュニケーション
    二つの次元で考える代替行動
    まとめ

    第Ⅲ部 家族間のやりとり

    第9章 育児におけるパートナーや家族との対話
    育児中の対話を工夫することで、養育者が直面する問題に取り組む
    育児に関する対話に影響するさまざまな要因
     産後におきる生物学的変化
     アイデンティティの模索
     夫との対話
    ◆ 事例12「Iさんの場合」
    臨床のヒント
     相手への言葉かけを工夫する
     セラピストは母親にも父親にも共感しノーマライズする
     一番苦痛なことは何か、変えられそうなことから一緒に考え取り組む
     行動を変えたい場合
     考えを変えたい場合
     癒しや楽しみを感じたい場合
    まとめ

    第10章 物質使用によって生じる問題への家族の対処行動
    家族の考えと行動
    ◆ 事例13「薬物の問題に直面する家族」
    家族の行動の特徴
    家族の行動に随伴する結果
    コミュニケーションのポイント
    家族の不安の解消に関する代替行動
    本人の望ましい行動の増やし方
    家族の健康を回復させる行動
    まとめ

    第11章 中高生のゲーム問題に対する家族のコミュニケーション
    インターネットゲーム障害
    ゲームの問題に対する一般的な対処
    事例から考える
    ◆ 事例14「ある中学生Kくんの場合」
    代替行動の検討
     情報収集のためのコミュニケーション
     ゲームと拮抗する行動としてのコミュニケーション
     今後の問題解決の基盤としてのコミュニケーション
    具体的な代替行動
     適切な賞賛
     ゲームの持つ「ポジティブな部分」を利用する
     コミュニケーションが促進され始めた後は
    まとめ

    第12章 子どもの困った行動への対応
    子どもの暴力や癇癪に悩む保護者
    ◆ 事例15「エミさんの場合」
    親子の緊張を高める減らしたい関わり
    親子の関係を温かくする増やしたい関わり
    子どもの困った行動への対処法
    エミさんが新しい関わり方を習得するまで
    まとめ

    第13章 精神疾患患者を抱える家族の間に起こるコミュニケーション不全
    ◆ 事例16「強迫症の娘を持つ家族の場合」
     事例の解説
    アセスメントと問題の焦点化
     クライエントは誰?
     「これまで」と「今」についてのアセスメント
    機能的なコミュニケーション行動を拡大する
    般化を促す

  • 【書誌情報】
    『代替行動の臨床実践ガイド――「ついやってしまう」「やめられない」の〈やり方〉を変えるカウンセリング』
    横光健吾 編
    入江智也 編
    田中恒彦 編
    中島俊 著
    宮崎友里 著
    高階光梨 著
    甲田宗良 著
    中村亨 著
    村瀬華子 著
    瀬在泉 著
    野村和孝 著
    谷口敏淳 著
    牧野みゆき 著
    辻 由依 著
    上河邉 力 著
    姜 静愛 著
    ジャンル 心理学 > 臨床心理・精神医学
    出版年月日 2022/06/20
    書店発売日 2022/06/08
    ISBN 9784762831911
    判型・ページ数 A5・272ページ
    定価 3,080円(税込)

     「どうしてもついやってしまう」「やめたくてもやめられない」 夜更かし,ゲーム,ギャンブル,飲酒,喫煙,風俗通い,薬物,リストカット,家族間のコミュニケーション不全……。
     クライエントを取り巻く状況やその悩みの特異性に応じて,試行錯誤してきた経験豊富なセラピストたちのノウハウを惜しみなく公開。依存・自傷・家族関係に寄り添う心理学的支援の方法とは。
    [https://www.kitaohji.com/book/b606156.html]

    【目次】
    少し長い「はじめに」

    第Ⅰ部 ふだんの生活

    第1章 夜更かし
    事例を通して考える
    ◆ 事例1「Aさんの場合」
     睡眠-覚醒リズムのアセスメント
    問題行動を代替行動へ置き換える
     入床-起床のスケジュール化
     日中の活動のスケジュールの確立
     セラピストや養育者の関わり
    まとめ

    第2章 気分の波
    ◆ 事例2「トクシマさんの場合」
    双極性障害とは
    心理教育
    セルフモニタリング
    双極性障害の感情調節の問題
    マインドフルネス
    まとめ

    第3章 回避行動/抗不安行動
    事例紹介
    ◆ 事例3「Bさんの場合」
    面談開始前後のBさんの状況
    面談開始前後の病棟スタッフの状況
    Bさんの回避行動を考えてみる
    病棟スタッフの回避行動を考えてみる
    病棟スタッフへの働きかけ
    Bさんへの働きかけ
    Bさんのその後の経過
    自然に維持される行動を考える

    第Ⅱ部 嗜癖行動・自傷行為

    第4章 ギャンブル行動―刺激を遠ざけ、感情を豊かにしていく
    ギャンブル障害の事例
    ◆ 事例4「Cさんの場合」
    ギャンブル障害の支援にあたって
    Cさんの不適応行動とその悪影響
    初期にはいわゆる「ギャンブルの代わりの行動」には触れない
    ギャンブルにつながる刺激を避けるような生活スタイルを送る
    ギャンブルにつながる刺激にたどり着く方法を面倒にする
    ギャンブル行動のハーム・リダクション
    ギャンブルの代わりとなる行動
    まとめ

    第5章 飲酒―万能薬に代わる行動を習得する
    なぜ依存症になるのか
    認知行動療法への誘い
    アルコール依存症のための認知行動療法
    ◆ 事例5「Dさんの場合」
     あいまいな言葉はより具体的に
     アルコールに太刀打ちできる代替行動のリストとは
     連鎖反応に備える
    ◆ 事例6「Eさんの場合」
    セラピーのゴールとセラピストのあり方
    まとめ

    第6章 喫煙―「一人で我慢」を手放すことから始める
    禁煙への第一歩―三つの視点から
     視点1
     視点2
     視点3
    二つの事例から
    ◆ 事例7「Fさんの場合」
    ◆ 事例8「Gさんの場合」
    最後に―社会が変われば禁煙につながる

    第7章 性的な問題行動―対人関係・犯罪(痴漢)
    ◆ 事例9「電車内痴漢行為」
    ◆ 事例10「風俗通い」
    個別面接の流れ
    「反省」という減っていくブレーキ
    「いいところ」を話してはいけないという呪い?
    性的な問題行動の体験と同じ体験ができる行動なんてありません
    代替行動を必要としない生活
    社会通念や偏見にとらわれないアプローチ

    第8章 自傷行為(リストカット)
    代替行動に取り組むまでのアセスメントとコミュニケーション
    ◆ 事例11「Hさんの場合」
     その自傷の自殺リスクは?
     セラピストの過剰な反応による自傷行為の強化に注意!
     「適度な距離を保った相談関係」を築くためのコミュニケーション
    二つの次元で考える代替行動
    まとめ

    第Ⅲ部 家族間のやりとり

    第9章 育児におけるパートナーや家族との対話
    育児中の対話を工夫することで、養育者が直面する問題に取り組む
    育児に関する対話に影響するさまざまな要因
     産後におきる生物学的変化
     アイデンティティの模索
     夫との対話
    ◆ 事例12「Iさんの場合」
    臨床のヒント
     相手への言葉かけを工夫する
     セラピストは母親にも父親にも共感しノーマライズする
     一番苦痛なことは何か、変えられそうなことから一緒に考え取り組む
     行動を変えたい場合
     考えを変えたい場合
     癒しや楽しみを感じたい場合
    まとめ

    第10章 物質使用によって生じる問題への家族の対処行動
    家族の考えと行動
    ◆ 事例13「薬物の問題に直面する家族」
    家族の行動の特徴
    家族の行動に随伴する結果
    コミュニケーションのポイント
    家族の不安の解消に関する代替行動
    本人の望ましい行動の増やし方
    家族の健康を回復させる行動
    まとめ

    第11章 中高生のゲーム問題に対する家族のコミュニケーション
    インターネットゲーム障害
    ゲームの問題に対する一般的な対処
    事例から考える
    ◆ 事例14「ある中学生Kくんの場合」
    代替行動の検討
     情報収集のためのコミュニケーション
     ゲームと拮抗する行動としてのコミュニケーション
     今後の問題解決の基盤としてのコミュニケーション
    具体的な代替行動
     適切な賞賛
     ゲームの持つ「ポジティブな部分」を利用する
     コミュニケーションが促進され始めた後は
    まとめ

    第12章 子どもの困った行動への対応
    子どもの暴力や癇癪に悩む保護者
    ◆ 事例15「エミさんの場合」
    親子の緊張を高める減らしたい関わり
    親子の関係を温かくする増やしたい関わり
    子どもの困った行動への対処法
    エミさんが新しい関わり方を習得するまで
    まとめ

    第13章 精神疾患患者を抱える家族の間に起こるコミュニケーション不全
    ◆ 事例16「強迫症の娘を持つ家族の場合」
     事例の解説
    アセスメントと問題の焦点化
     クライエントは誰?
     「これまで」と「今」についてのアセスメント
    機能的なコミュニケーション行動を拡大する
    般化を促す

    編集後記
    文献
    索引

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著者プロフィール

横光健吾(よこみつ・けんご)
2014年 北海道医療大学心理科学研究科博士後期課程修了 博士(臨床心理学)
現在 人間環境大学総合心理学部 講師
《主著・論文》
ギャンブル依存のための認知行動療法ワークブック(共訳) 金剛出版 2015年
遠隔心理支援スキルガイド―どこへでもつながる援助―(共著) 誠信書房 2020年
こころの健康教育ハンドブック―こころもからだも健康な生活を送るために―(共著) 金剛出版 2021年
Characteristics of gamers who purchase loot box: A systematic literature review.Current Addiction Reports, 8, 481–493. 2021年

「2022年 『代替行動の臨床実践ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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