パーソナリティのHファクター 自己中心的で,欺瞞的で,貪欲な人たち

  • 北大路書房 (2022年7月15日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784762831973

作品紹介・あらすじ

自分を利するために計算高く他人を操る,特別な地位や権利を得るに値すると自惚れている…「Hファクターの低い人々」は誠実な人を困惑させ,正直な人から時に搾取する。パーソナリティのHEXACOモデルを発案した心理学者たちが,彼らに特徴的な性格傾向や行動様式をふまえて,見分け方や上手なつき合い方をアドバイス。

感想・レビュー・書評

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  • 採用候補者や従業員の審査に使われる性格診断テスト7選 | Indeed (インディード)
    https://jp.indeed.com/career-advice/career-development/types-of-personality-test

    The H Factor of Personality – WLU Press
    https://www.wlupress.wlu.ca/Books/T/The-H-Factor-of-Personality2

    パーソナリティのHファクター - 北大路書房 心理学を中心に教育・福祉・保育の専門図書を取り扱う出版社です
    https://www.kitaohji.com/book/b607791.html

  • HEXACOモデル。カナダ発のパーソナリティ理論。BIG5+Hのイメージ。Hは正直さ・謙虚さを表す性格因子。コラムでHとフリーライダーが扱われていた。これを研究することを考えるが、Hが低いほどフリーライドするという当たり前の結果しか出ないだろう。別の要因を加えて交互作用を検討しないと面白くないだろう。Hが高い=正直なら正確な自己評価?、Hが高い=謙虚なら自己卑下的な評価?自分が関連する判断や評価に影響を及ぼしそうな因子だな。E:情動性、eX:外向性、A:協調性、C:誠実性、O:開放性。

  • 難しかったです!
    人間の本質というか…どうしていろんな人間がいるのか、平和を声高に叫ぶ団体がいるけれども、なぜ世の中がそのようになっていかないのかとか…ちょっとダークな感想ですが笑…そんな中にもいろんな人がいるんだろうなと笑笑
    奥深いです。人を見る視点をまた一ついただいた感じがしました。

  • なるほどおもしろい。ただO因子とかのアルファベット表記は読みにくいね。

  • 表紙からするとダークな性格を持つ人にフォーカスを当てた本に見えるけど、本の主題は人の性格の正直さと謙虚さのもととされるH因子にある。

    パーソナリティ心理学ではそれまでビッグ・ファイブという5つの性格特性が主流の学説だったけれど、近年話題となるような「ダークな性格」はビッグ・ファイブでは説明しにくいところがあった。ビッグ・ファイブとほとんど共通するような5つの性格特性に、さきほどのH因子を足した6つの性格特性をそれぞれの頭文字を取ってHEXACOという。
    そして、さきほども触れたようにこの本では主にH因子のはたらきの多寡によって、性格が社会的に望ましいようなものになるか、人を利用しようとするようなダークな性格になるかが分かれることを説明する。

    たとえば、ビッグ・ファイブでうまく説明できなかったのは「仕事はとてもきっちりしていて周りからの評判もいいが、自分が処分するゴミの分類やその行先などには配慮せず、角材や石膏ボードやグラスファイバーなどをまとめて処分したり家庭ごみに出したりしている一人親方の建築作業員」のような人だとおもう。こういう人は社会的に望ましい誠実さを持っているけれども、仕事の効率のために正直さに目をつぶっているようなところもあって、ビッグ・ファイブの特性である誠実さではこれをうまく説明できない。もちろんまあその人が受けた教育とか賃金の低さによってそういう環境を強いられているという部分もある。建築業界は構造的に資材の調達や最終処分などの「外部性」を大きく地球環境に負担させているということが省みられることが少なく、H因子の特性が少ない男性がのし上がることができる業界ではあるなと思う。もちろんすべての人がそういうわけではないけれど。



    はてさて、以下に書くことは私の個人的なことなのですが、この本がとてもいいタイミングで胸に響くものがあったので書いておきたいと思います。
    私はパーソナリティ心理学の特性でいうと開放性が高いほうの人物です。ですので知らない音楽を漁ったり、本でも奇抜なことを言ったりするものが面白いと思っています。この特性はビッグ・ファイブやHEXACOの簡易的なWeb診断で確かめられたもので、それ以来は私にとって自覚的なものになりました。
    そして、私の場合は誠実さが開放性よりもちょっと少なめというのが自分にとっていろいろと苦労した原因だなと今更ながら思っています。開放性は性的な放埓とかルール無視なものをよしとするのですが、誠実さはその考えを押しとどめるほどでもない(かといって行動にうつさないくらいの誠実さはある)という感じだったので、自分はルールやその場での指導者などを尊重しないような誠実さに欠ける人間なのだと思っていました。

    しかし、実際私が世の中をいろいろ見渡したり人付き合いをしたりすると、本当に何の配慮もなく人を利用したりできる人が一定数いて、とくに仕事上ではそれを暗黙に了解している業界などではかなり苦労しました。また、誠実に付き合うことを是としているようなグループでも、平然とその誠実さのようなものをまやかしにして自分の過去の過ちを隠したりしている人などがまわりの人に公然と認められたりしていて、そういったものにもうんざりしていました。
    ですので、私は人付き合いに関しては開放的であることをちょっとやめて、数少ない正直で誠実な人たちとの関係を大事にしようと思ったわけです。それはこの本で書いてあることが大いに説得的であり、H因子の多い人は多い人同士で付き合う傾向があることなど、世の中の人はそうやってうまくやっているのだなあというのを今更ながら実感しました。

    この本でもポストモダン理論に触れられている箇所がありますが、日本の人文学書籍界隈でも、開放性に特化してかつあまり正直さが求められないようなものがもてはやされることが多くあり、私のような人間はいろいろと右往左往した経験があります。出版社の人や編集者の方なども誠実であろうとすればそういう人たちとうまくやっていけるということを信じてほしいかなと思います。

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