13カ月と13週と13日と満月の夜

  • 求龍堂
3.81
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本棚登録 : 3066
感想 : 412
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763003072

感想・レビュー・書評

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  • 箱入りの本。箱が可愛らしくて手にとってみて、帯に書かれているレビューを読んだら大人向けの物語かもと思い購入。
    中々読まないジャンルかな?と思いながら読み始めてみると始めは子供向けかと思っていたらこれは大人が読む物語かもに変わりました。
    子供を通して、老人を通して、世の中の理不尽さ、家族というものが書かれています。
    ズキンとして伝わってくる物語です。
    違う世界から見える人生を知れて楽しく読めました。

  • 赤毛でそばかすいっぱいのおしゃべりなカーリーと
    濃い髪色で手足の長いほっそりしたメレディスが
    老魔女姉妹に奪い取られた体を取り戻すドキドキハラハラの冒険譚。

    さっきまで老人であった魔女たちが、若い体を乗っ取るやいなや、
    口汚く老人を罵るので邪悪さが増し、同情することなくカーリーたちを応援できる。
    カーリーの体を乗っ取るためのお芝居はなかなか周到。
    最後の夜の設定は都合が良すぎるけれど、児童書なので野暮は言うまい(笑)

    「こども」の話と「老人」の話は誰もまともに聞いてくれない、というのが
    とてももどかしく、また実生活でも気をつけなきゃと思わせてくれる。

    『チョコレート・アンダーグラウンド』に続き、
    2作目の求龍堂のシアラー作品だけど、この本もとても装丁がステキ。
    特に見返し。紺地に金色のイラストと文字がとても雰囲気が出ていて好き。
    同じイラストが鏡像で原文とともに裏側の見返しにも描かれている。

    • takanatsuさん
      九月猫さん、こんにちは。
      『チョコレート・アンダーグラウンド』のレビュもでしたが、この本のレビュもとっても素敵でいろいろ思い出しました。
      「...
      九月猫さん、こんにちは。
      『チョコレート・アンダーグラウンド』のレビュもでしたが、この本のレビュもとっても素敵でいろいろ思い出しました。
      「「こども」の話と「老人」の話は誰もまともに聞いてくれない、というのが
      とてももどかしく、また実生活でも気をつけなきゃと思わせてくれる。」
      体を乗っ取られたということをお母さんに伝えようとするシーンは涙が止まりませんでした。
      最後まで読んで大好きな1冊になりましたが、あのシーンだけは今でも思い出すとすごく悲しくなります。
      九月猫さんのレビュを読んで私も気をつけなきゃ…!と思いました。
      2013/03/18
    • 九月猫さん
      takanatsuさん☆

      コメントありがとうございます♪
      takanatsuさんに「素敵」なんて言われて、白飯3杯は食べられそうなく...
      takanatsuさん☆

      コメントありがとうございます♪
      takanatsuさんに「素敵」なんて言われて、白飯3杯は食べられそうなくらい舞い上がっちゃいましたo( ̄▽ ̄o)(o ̄▽ ̄)o

      takanatsuさんもこの本、お読みになってるんですね。
      >体を乗っ取られたということをお母さんに伝えようとするシーン
      この場面、すごく悲しいですよね…。
      お母さんが思わず泣いてしまうところ、お母さんはただ「かわいそうなおばあちゃん」だと思っての涙なのが、もう本当にもどかしいというか悲しくて。
      何を言っても、老人は「トシのせい」・こどもは「想像(夢)」で片付けられてしまうのって、やるせないですよね。
      でもすごく現実的でもあって……。

      ふだん、あらためて考えもしなかったことや忘れかけてることを本を読んで「はっ」と気づいたりするので、やっぱり読書はやめられないなーって思います。
      2013/03/19
  • これは児童書なのかな?かなりの読みやすさだった。
    小学生の高学年から中学生くらいの子なら、本に馴染みがない子でも読みやすさと一転二転する展開で、飽きずに楽しむことができると思う。
    大人の私でも引き込まれてしまうほどのスリリングな場面もあり楽しい時間を過ごすことができた。

  • 【久々に五つ星つけちゃった作品】
    帯の絶賛コメントを疑ってましたが、それ以上の面白さで一気読み。
    疾走感がありすぎて、長いジェットコースターを乗り終えた後のような、ぼーっとした感覚に。
    年老いた邪悪な魔女に騙されて体を乗っ取られた少女が、自分の体を取り戻そうと必死になる話。
    ただのファンタジー、冒険譚にとどまらない、家族愛、友情、勇気、自分の心に正直であることなど、人生で大切にしたいものを思い出させてくれた。
    「家というのは、いたいと思う場所、心のすみかだ。もしそこにいたいと思わないのなら、それは家なんかじゃない。」p257
    昔読んだ「青空のむこう」も再読しようと思う。読めてよかった!

  • イギリスの作品ですが、舞台が異国でもイメージしやすくわかりやすい描写で、このあとどうなるんだろうと、読むのを中断できないワクワク感がある。何より、悪しきは懲らしめられるハッピーエンドがきちんと待っているし、児童文学の良さを再発見した。
    ただ、年齢を重ねることに関して、あまりにもネガティブ一辺倒な捉え方しかなかったのは、うーんと思ったし、魔女にいよいよ反撃に打って出る展開以降のチャプターは、もう少しボリュームがあってもいいのではと感じた。前半の丁寧さに比べて多少アンバランスな感じは否めない。
    とはいえ全体として面白い作品で、素敵なファンタジーでした。

  • 主人公は12歳の女の子。児童文学っぽいけど、子どもの頃に読んでたら眠れなくなりそうなほど魔女の悪意が怖い。全くグロテスクな表現でもないのに、底知れない悪が想像力をかきたてる。
     老いの表現もリアルでより一層恐怖を引き立てていた。少しずつ年を取るのではなく、いきなり自分の体が老いた体にすり替わる恐怖。大人でも嫌な気分にさせられた。
     わかっているつもりでも忘れてしまう、自分もいつか老人になるという事実。当たり前にできたことができなくなってしまうこと。単純に優しくするのではなく、相手を尊重し敬い、意思を汲み取って接することが大事だと思う。

  • なんでこの本を知ったのか覚えてない。
    3回くらい読んだ。
    3回とも同じような場所で声を出して笑った。
    カリフラワーがなんちゃらってところと
    入れ歯がこっちを向いて笑ってる。ってところが好き。
    途中で衝撃的な展開があってすっごく面白い本!

  • 2013年10月30日
    ハラハラドキドキ

  • 最後まで気を抜けない面白さ

  • 「このひとが翻訳した本ならぜったいハズレがない」という翻訳者は数人いて、金原端人はそのひとり。赤毛でぽっちゃりした女の子カーリーは、孫娘の姿をした魔女に身体を盗まれたと訴えるおばあさんに出会う。邪悪な魔女との対決という、ファンタジー小説の王道的設定にくわえて、二転三転する展開、とつぜん老いがふりかかった10代の女の子たちが、衰えゆく体力や記憶力をあつかいながら、若い身体に入った魔女たちと闘うのが面白い。2人が老人ホームを脱出して身体を取り戻しにいくシーンなど、おばあさんらしさと少女らしさの絶妙なミックス具合がいい。老いたひとたちへの共感が根底にある、楽しくて元気の出るファンタジー。

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著者プロフィール

英国スコットランド北部のウィックに生まれ、現在はサマセット州に住んでいる。テレビやラジオ、映画、舞台のシナリオライターとして活躍したあと、数多くのヤングアダルト小説を執筆、ガーディアン賞にノミネートされた『スノードーム』(求龍堂)などを生みだした。映画やテレビシリーズになった作品もあり、日本では『チョコレート・アンダーグラウンド』(求龍堂)を原作としたコミックやアニメ映画が制作された。他に、『青空のむこう』、『13ヵ月と13週と13日と満月の夜』『This is the Life』(いずれも求龍堂)、『スキ・スキ・スキ!』(あかね書房)、『世界でたったひとりの子』『あの雲を追いかけて』『骨董通りの幽霊省』(いずれも竹書房)などがある。

「2017年 『ガラスの封筒と海と』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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