チョコレート・アンダーグラウンド

制作 : Alex Shearer  金原 瑞人 
  • 求龍堂 (2004年5月1日発売)
3.79
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  • Amazon.co.jp ・本 (507ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763004208

作品紹介

舞台はイギリス。選挙で勝利をおさめた"健全健康党"は、なんと"チョコレート禁止法"を発令した!国じゅうから甘いものが処分されていく…。そんなおかしな法律に戦いを挑むことにしたハントリーとスマッジャーは、チョコレートを密造し、"地下チョコバー"を始めることにした!チョコレートがこの世からなくなったら、あなたはどうしますか?禁チョコなんて、ダイエットのときしかしたことない!読めばきっと、チョコレートが食べたくなる…。

チョコレート・アンダーグラウンドの感想・レビュー・書評

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  • チョコレート禁止令!
    チョコレート大好きなわたしは、もしこんな世界になったら禁断症状でとんでもないことになりそう。

    「リンゴさくさく気分を」
    「ジューシーオレンジ気分をどうぞ」
    「どうぞバナナを」
    挨拶だけならユニークな健全健康党だけど、やっていることはまるで恐怖政治。
    チョコレートを忘れられない子どもたちを再教育という名の下、洗脳じみた嫌忌療法を行ったりする。
    訳者があとがきで書いているように「チョコ」を「自由」に置き換えると確かにぞっとして少しコワイ。

    チョコレート禁止令に怒り、チョコレートの密造と密売をする主人公の少年二人スマッジャーとハントリー。
    二人と組んで密売に手を貸す売店のバビおばさん。
    同じようにチョコを愛し革命組織を結成、秘密集会を開く古本屋のおじいさんと出会い、チョコレートマンというキャラでCMに出ていたために失業しホームレスになってしまった役者を巻き込み、密売行為はだんだん大きなものになっていく。

    チョコを食べたいという気持ちだけではなく、密造と密売という行為にドキドキワクワクしてしまうスマッジャーとハントリーが可愛い。
    そして同じように浮かれてしまうバビおばさんも(おばさんというものの、おばあさんという年らしいが)とても可愛らしい。
    ちょっとしたロマンスがあったりするところも可愛い。

    革命のところは駆け足で書かれているような気もするけれど、終章の「謝辞とあとがき」が同じ世界で書かれており、後日譚が語られていて嬉しい。
    人々が捜査官にした「仕返し」がしゃれているのだけれど、この仕返しがとても効果的だったとみえて後日譚に出てくる彼のその後がステキです。

    お話だけでなく、装丁もすごく好き。
    表紙カバーも可愛いのだけど、カバーをはずすと表紙は少しつやのあるチョコレート色で、扉の紙もチョコレート色、本文の文字も全部チョコレート色!
    本からチョコレートの匂いがしそうで、読んでいる間に何回か嗅いでしまった(^^;)
    (ふと知り合いがチョコの香りつきボウリングボールを使っていたのを思い出したり)

    チョコ好きは読み終わったとたん、ピカピカのアルミホイルをばりばりと破ってチョコバーをかじりたくなること請け合いです。

  • ときは現代のある国。
    選挙で勝利をおさめた『健全健康党』は『チョコレート禁止法』なるものを発令する。
    それが狂気のはじまりだった。
    国じゅうからありとあらゆる甘いものが処分され、
    街には四六時中、パトロールするチョコレート探知車があふれ、
    横暴なチョコレート警察による強制捜査が行われた。
    いつしかチョコレートだけでは飽きたらず、スーパーマーケットや商店の砂糖や蜂蜜、シロップにプリン、漫画までもが健全なものに取り替えられ、
    チョコレートの包み紙を誤ってポケットに入れていただけで『再教育』という名目で刑務所に収監される恐ろしい世界と化していった…。


    いやぁ~児童書ながら背筋がぞ~っとした。
    荒唐無稽の作り話だと笑える人もいるかもだけど、僕にとってはあたかも自分の思春期を補完、肯定してくれるような圧倒的なリアリティを感じた。
    この物語の中で魔女狩りにあう甘いものやチョコレートを
    僕の好きなロックや不良文学、映画に置き換えて読んだからだ。
    いや、真面目な話、共謀罪法案の採決が強行された今の日本を考えるとまったくもって人ごとじゃない。
    監視社会となり、言論を封じられ規制される不安や危険性は誰もが持っているハズ。


    個人の趣味や嗜好品が取り締められ奪われる恐怖感。

    大人になればなるほど、時間が足りなくなるので生きるために必要なものだけになってくるのは仕方のないことだ。
    人は歳を重ねるごとにあんなに好きだった音楽を捨て、本を読まなくなり、夢を諦めていく。
    想像し夢想することを止め、チョコレートだってスナック菓子だって大人には必要のないものだと
    どこか言い聞かせて。


    でも歳をとってあとから振り替えってみれば、なんてことはない。
    一見必要のないことや役に立たないと思うモノの方が
    実は人間的な深みを作るためには欠かせないモノだったり、それに触れることが人間力を養ってくれてたりすることがよ~く分かる。


    好きなものがなんの理由もなく
    ある日突然禁止されたら、人はどうするだろう。
    (それは自由を奪われることと同じだ)

    そう、声を上げて戦うのだ。

    子供にだって権利があることを分からせるために
    物語の中、ハントリーとスマッジャーの二人の少年は
    雑貨屋のバビおばさんと共に
    政府を出し抜いてチョコレートを密売することを思いつく。
    自由のために、全ての子供たちがチョコレートをかじる権利を求めるために
    声を上げ、巨悪に立ち向かうってところが、本当にカッコいい。

    忙しい中、1日5分でもいい。
    想像の世界を飛び回れるひとときを持ちたい、
    自分が勝ち取ってきた『好き』を簡単に放棄する大人になんてなりたくない。
    この本を読んであらためて思った。



    すべての者に、自由と正義、
    そしてチョコレートを!

  • チョコレート、その他甘い物は一切食べることを禁止とする「健全健康党」に支配された世界で、チョコレートが大好きなハントリーとスマッジャーが自由を勝ち取るための立ちあがる物語。

    前半は戦う子供たちがかわいくて楽しい気持ちだが、後半からはヒトラーの時代を思わせるかのような恐ろしい雰囲気も。

    「チョコレート禁止」という法律を、差別に関する法律や、今まで歴史上にあった理不尽な支配に置き換えて読むと、考えさせれらたり、学ぶことも多い。
    そういう意味では、子どもに是非読ませたい1冊だ。

  • チョコレートが禁止された!?
    与党になった〈健全健康党〉によって、甘いものが国中から消えていく。

    それに怒った少年2人が取った行動とは。



    ―リンゴさくさく気分を、どうぞ
    ―ジューシーオレンジ気分を、どうぞ
    という、〈健全健康党〉の挨拶は面白いのに、政策は極端過ぎて、残念です。

    お話は、空想上のものですが、とても上手くお話の中に、現実社会を織り込んであります。
    だから、読んでると、社会や登場人物たちの言動は、こういうこと、現実でも、確かに出来そう、しそう、言いそう、って思います。

    お話として、とても面白く、ハラハラ、ワクワクしながら読めるし、
    一歩立ち止まって、うーんと考えさせられる本でもあります。

    帯にもあるように、読んだら、チョコレートが食べたくなりました!

  • チョコレートが禁止されたらと想像すると甘党の私は大変だなぁと考えた(笑)
    面白かった!

  • 「しかし、地獄への道はーースマッジャーの父さんが好んで口にするせりふだがーー善意というアスファルトにおおわれているのだ。」

    健全健康な生活のために、悪とされたものは全て禁じられた世界。
    チョコレートまでもが禁止対象に。
    そこでチョコレートを愛する二人の少年が密造、密売を企てる…というのが間違いなくあらすじではあって、それだけだと軽いユーモア小説のようなのだけど、読んでいて身につまされること。
    冒頭の引用ではぞっとした。
    この未来が実際に訪れることが簡単に想像出来る。
    この作品でチョコレートというのは、「自由」のことだ。

    「希望を残すためにやりたいんだよ。おれたちはぺしゃんこにされない! いいようにされてたまるもんかってとこを見せてやりたいんだ」

    後半では思わず涙した。
    少年達と共犯になるのが、身寄りのないおばあさんだというのも最高。
    もう少しじっくり書いて欲しかったというところがあちこち(特にクライマックス)あるのだけど、結末はなかなかグッとくる。
    読む時には、「あとがき」まで必ず読むこと!

  • ラストのアレ、結構皮肉が効いてると思うのよね。

  • 現代のとある国。
    選挙で〈健全健康党〉が勝利をおさめ、お菓子をはじめ甘いものは所持すら許されない〈チョコレート禁止法〉が発令された!
    違反者は連行され党の規律を叩き込まれる施設へと送られてしまう―
    国中から甘いものが処分され消えていく―
    そんなおかしな法律に戦いを挑むことにしたハントリーとスマッジャーは、お菓子を買いに通っていたお店のバビおばさんと共にチョコレートを密造し、〈地下チョコバー〉を始めることに。
    党の監視・手入れがつきまとう中、チョコレートを愛する者たちの戦いが始まった!

    いろいろツッコミ所はあるけど、面白かったです-
    私も年間十万円以上チョコレートに費やす軽度?中度?中毒者なので、こんな状況になったら絶望ですわ…
    でも外国で楽しむには許されるっぽいので、旅行目的にお金貯めるかな-

    地下活動はスリリングで楽しそうで。
    矯正施設は恐ろしい…
    党のバックにはプルーン業界がついてると思いました。

    「どの党も同じようなもんだ。どうしようもない」と棄権した人々がいたのが発端?
    だから、現実世界は絶賛選挙戦中なので、ちゃんと一票投じようと思いました。

  • 中学生の時に千田くんが貸してくれた
    「私も何か成し遂げよう!」と思った

  • チョコチョコチョコチョコォォォォ!!ってなる一冊です。

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