石を積む人

  • 求龍堂 (2004年10月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (460ページ) / ISBN・EAN: 9784763004352

感想・レビュー・書評

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  • 【これは愛情の物語】

    すごく読みやすく、わかりやすい物語でした。
    最初はこの本の厚みにたじろきましたが、
    最後までするすると読めました。

    カリフォルニアのパインマウンテンに住む、老夫婦。二人は仲良く暮らしていたが、妻のアニーが心臓の重い病を患い亡くなってしまう。
    彼女が完成するのを待ち望んでいた、石塀をつくるため来る日も来る日も夫のジョーイは石を積み上げる。

    これは愛の物語でした。
    夫婦愛。親子愛。血が繋がってなくてもうまれる家族愛。
    人には、無償のいたわりや優しさや、愛情が必要なんだなと思いました。

  • 毎朝、山と会話するところから1日が始まるという生活に憧れる。自分の衰えと死への恐怖、妻を失うことの恐怖、失った後の寂しさ、それらの描写はなんとも切なくて苦しい。でも、それらを遥かに凌ぐ愛の描写に心温まる。

  • 愛の一つの形。

  • ジョーゼフのちょっとダメなとこや不器用さ頑固さに「おじいさん!」って気持ちになるときもあるが、なんだかそんなところが愛しく感じてくる。ボタンイジイジについて最初は「うわぁ」って感じだったけど、それも微笑ましく頑張れって思えるようになった。
    とにかく人と人との繋がりの重大さが伝わってきた。すべてはそれなのだと思う。
    読んでいて近くにいる人、離れてしまった人いろんな顔が浮かんだ。自分もなんだか失敗ばかりだなと苦い思いがした。
    大事なのはこれなんだよ、とジョーゼフに教わったように感じた。
    いい本だった。とっても。

  • 2017年2月26日に開催されたビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「夫婦」。
    チャンプ本。

  • 年老いた夫婦ジョーゼフとアンの最期を描いた小説

    冒頭はジョーゼフの印象が良くなかった(失敗ばかり
    しているし、有言不実行だし…)が、妻からの手紙を
    きっかけに妻の願いを叶えるために奮闘する中で
    周囲の人を助け、自身も成長する

    ジョーゼフとアンの会話が理想の仲良しの老夫婦で
    「いいなぁー」と思いました羨ましい

    冒頭は会話部分が多くて読みづらさも感じたのが
    マイナス点、本作品はデビュー作で三部作の予定
    原書では二作目が発行されているが現時点で翻訳はされていない

  • 稀に読んだ翻訳モノ。人生の終盤を迎える一組の老夫婦。添い遂げと互いへの敬い・慈しみの深さを、見事かつ繊細に描ききる。振り返りと老いへ正直に向き合う、一分一秒を刻む時の鼓動が聞こえてくる。未だ早いが己いずれの未来…"伝えることを伝えたい"、、なんか指針になる著書に思えてくる♪。

  • 老夫婦の物語。題名から何故か淡々と物語が進むかと思ったら、かなり劇的な結末。老いに対する怯えと生きる気力と、だんだん理解ができる歳になってきたなあとちょっと思ったりする。

  • 余生でやり残したことをしようと決めたジョーゼフとアンの老夫婦。しかし、実行力がないジョーゼフは、なかなか取り掛かろうとはしません。そんな折、アンは夫を残して、天国へ旅立ってしまいます。アンの望みは、やりかけの石塀を完成させること。その約束を果たすため、やり残したことに取り掛かる…。不器用で真っ直ぐな、夫婦の深い愛が伝わってくる本です。

  • 老夫婦のお互いへの深い愛がお互いを支えあって、アンが亡くなった後も思いが伝わるような仕掛けもあって、とても良い人生の終わり方だと思いました。最後に不本意な形で幕を閉じたかのようですが、いつかは引き受けなければならない死であれば、苦しまなくてそれが救いです。

  • 読んで良かった。むちゃくちゃ泣いた。近所の本屋に平積みされていたので読んだ。むちゃくちゃ泣いた。最後のメッセージは受け取る人が受け取ったのだと思う。がー。泣いたー。

  • 導入との齟齬、というかなんというか、凄くいろんな人に慕われていたのかな、と思わせておいて、実際のところ関わった相手はそうおらず、最終的な結末が刺されて、というのであったのでちょっと残念なかんじ。
    こういう小説は幸せに生涯を閉じて貰いたいなあと思いました。

  • ジョーイとアンの老夫婦
    ある日アンが心臓発作で倒れる
    アンは自分の死期を悟り、夫ジョーイへの手紙を家のあちこちに忍ばせる
    アンを失ったジョーイは妻との約束を果たすために石塀造りに打ち込むが、不良少年に襲われる
    ジョーイは彼等の裁判で石塀造りを手伝う条件をだし、石塀完成間近の日、登った山で銃弾に斃れる

  • 年老いても、こんなに愛し続けれるかな。理想でない終わりだけど、なんか良かったと思わせます。

  • ・生きることは積み重ねることだと思った。一人の人の優しさや怒り,傷つく背景には,その人の見てきた感じてきたものが理由として存在している。

    ・自分がぐらついてしまうときそれを支えてくれる周りの人間の存在もあらためてありがたいと思った。そういう人たちの顔を思い浮かべられることをうれしいと思った。

    引用p341
    「それどれの石はその下の石を押さえている。となりあった石どうしも互いを支えあっている。つまり『親石』がしっかりしていなくても,そのかわりに自分を支えてくれるしっかりした石があれがだいじょうぶってことなんだ」

    また読みたい本。

  • 理想だけで終わらないところに魅力を感じられる1冊。
    「人の心に残る人生を生きたい」全ての人に愛されたいと願っても、それは無理なこと。でも忘れ去られるのは寂しい。
    一途にお互いを思い続けるアンとジョーゼフ。片割れの死の後にどう生きるかがテーマの1つ。もし、誰かと年を重ねていけるなら、彼らのような夫婦でありたい(笑)愛情の深い物語。

  • 心暖まる夫婦愛と比較される、もう変わることのできない少年や親たちの存在の対比が辛い。

  • 淡々とした話なので前半はつまらないど、後半からはかなり心にぐっと来ます。
    私も先に死んだらこんな風に手紙を残していきたいと思う。
    忘れてほしいけど、やっぱり覚えててほしいもん。
    読み終わって心があったかくなりました。

  • アンもそうだけど、ジョーゼフが本当にアンを愛していたのがすごく伝わってきます。
    特別何か大きな出来事が起こったりするような話ではなくて、本当にどこにでも存在するような老夫婦のお話。だからこそこの話に出てくる人達の関係が真実味を帯びていると思います。
    妻アンと幸せに暮らしている一方で、息子との確執があったり、若い子供達が取る行動へのやるせない憤りなど、人間関係についても色々と考えさせられる事もあります。
    きっとこの本を読んだら誰もがお年寄りに対しての接し方を考えたりあるいは改めようと思うのではないでしょうか。2005.06.08読了

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