一色一生

著者 :
  • 求龍堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763004444

感想・レビュー・書評

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  • 美しい日本語と、美しい感性。草木染めの色と織りに格闘する生き方も、そのまなざしも素敵です。

  • 志村ふくみさんの作品と同じで、美しいけれども厳しい印象を受ける。うかつに近寄ってはいけないような。
    織ることをよく音楽に例えているけれど、両者は似ているのでしょうか。

  • ハチミツとクローバー 1で、女性芸術家で幸せになった人がどれだけいるか
    という台詞が出てきたのをふと思い出した。
    物を創るというのは、24時間365日、何をしていても全ての時間を
    創作に注ぎ込むことだ。
    加減出来る人もいるのかもしれないが、全力でやるならば
    他のいろんなものを犠牲にしなくてはならない。
    男は勿論だが、女のほうがより多くを犠牲にしなければならないように
    感じる。今の日本では特に。
    母という役割、妻という役割を演じながら、何の援助もなく仕事に没頭するのは
    物創りでなくとも相当に辛いことだと思うのだ。
    それをひしひしと感じた。

    絵や文章のように、じかの思いをぶちまけて表現するものを鋭角とすれば、
    物を通しての表現であるから、直接ものをいうわけにいかない「鈍」な仕事なのだ
    という言葉があったが、これはちょっと同意出来ないかなと思った。
    絵や文も、物を通しての表現であると思う。

    歴史を学んでいて、清貧とは、と考えているところなので
    "弓ヶ浜の人々は、「豊かに貧乏してきた」といみじくも嶋田さんはいわれたけれど、それならば現在の我々は「心貧しく富んだ生活をしている」というべきかもしれない。"
    という言葉にはとても共感を覚えた。

    "いつの間にか図太くなって、人前で話すこともさほど苦ではなくなったが、いいかえれば若い時の鋭敏な神経が鈍くなったのか。だんだんと持時間の少なくなってゆくのに、何を切り捨て、何を残したらいいか、本能的に判断を下しているのだろうか。"
    年をとるとどんどん衣を脱ぎ捨て透明になっていくという記述で
    これもハチミツとクローバー の青春スーツという表現を思い出した。
    年を経ることで積み重なるものもあれば、どんどん身軽になるものもあるし
    また、そうでなければならないだろうなと思った。

  • 染織家・志村ふくみさんの仕事への姿勢を綴った随筆集。
    高いプロ意識を持ちつつも「自然から色をいただく」という謙虚な姿勢は凛とした日本女性像そのもの。美しく紡ぐ日本語に思わず背筋が伸びる。
    この本を開くと『真美善』という単語が脳裏をよぎる。

  • 染織家、紬織の人間国宝の女性の日本語はあまりにも美しい。植物から微妙な色合いの色を取り出す、その肌理の細かさが文章にもそのまま顕れている。それだけ感受性が高いからこそ色に対するこだわりが出てくるのだろう。倒れた榛から金茶色を取り出す場面では「榛の木が長い間生きつづけ、さまざまのことを夢見てすごした歳月、烈しい嵐に出会い、爽やかな風わたる五月、小鳥たちを宿してその歌声にききほれた日々・・・色はただの色ではなく。木の精なのです。色の背後に一すじの道が通っていて、そこから何かが匂い立ってくるのです。」(P19叔父夫妻に育てられた著者が2歳の時に実母に会い、じっと目を離さず「この伯母さんと一緒にねんねする」といったという言葉は感動的。

  • 自然の中の隠れた色たちが
    糸の上に鮮やかな姿をあらわす不思議さ。
    染織という厳しくも魅力的な技をとおして
    日本の、世界の色に触れていく。

    色の和名は情緒にあふれていて
    大変美しい言葉に満ちた随筆集です。

    その国ぐにで永く受け継がれてきた色がある。
    それらに想いをはせるも、
    失われつつあるものも確かにあることに、
    一抹の寂しさを感じずにはいられません。

    何度もなんども読み返したい。

  • 一気に読んでしまいました
    筆者の仕事に対する姿勢にはただただ圧倒されるばかりです

  • 百の植物に百の色が生まれると表現する染色作家が、色との出合いを語ったエッセイにぐいぐいと引き込まれました

  • 教科書に出た時から気になって

  • まだ大学生の頃に読んで、その後新装版が出て再度購入して、人生の中で何度も読み返している。人生を感じる本。すごい人生。そして素晴らしい染織を作り上げる人。
    来週、会えるらしい! やった!

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