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- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763004444
感想・レビュー・書評
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志村ふくみさんの作品と同じで、美しいけれども厳しい印象を受ける。うかつに近寄ってはいけないような。
織ることをよく音楽に例えているけれど、両者は似ているのでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
染織家、紬織の人間国宝の女性の日本語はあまりにも美しい。植物から微妙な色合いの色を取り出す、その肌理の細かさが文章にもそのまま顕れている。それだけ感受性が高いからこそ色に対するこだわりが出てくるのだろう。倒れた榛から金茶色を取り出す場面では「榛の木が長い間生きつづけ、さまざまのことを夢見てすごした歳月、烈しい嵐に出会い、爽やかな風わたる五月、小鳥たちを宿してその歌声にききほれた日々・・・色はただの色ではなく。木の精なのです。色の背後に一すじの道が通っていて、そこから何かが匂い立ってくるのです。」(P19叔父夫妻に育てられた著者が2歳の時に実母に会い、じっと目を離さず「この伯母さんと一緒にねんねする」といったという言葉は感動的。