スノードーム

  • 求龍堂 (2005年1月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (423ページ) / ISBN・EAN: 9784763005014

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

愛の形や人間の悲しみを深く掘り下げた物語が描かれています。登場人物のエックマンは、愛を求めつつも、理解されない悲劇を背負い、彼の内面の葛藤が読者に強く響きます。美しい世界を創り出す一方で、彼が抱える狂...

感想・レビュー・書評

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  • 「愛されるよりも、愛したい」マジでっ…て誰かの歌詞じゃないですが、純粋に誰かを愛してる、見返りを求めてないけど愛してほしいと望む。それぞれの愛の形が最後にわかると、とても切なくなりました。

  • 理解される事のない、ある人間の悲劇。
    普通になれない悲しさは、誰もが持つものなのか。

    エックマンの悲しみは、フィクションとして、第三者の視点で眺めるからわかる。
    現実の世界でも、エックマンはどこにでもいるだろう。
    他者への思いやりもどこまで行き届くものかはわからないが、念頭に置くだけでも、人同士の間に流れるものは変わってくるんだろう。

  • 邦題「スノードームSnowdome 」
    きらきらした華やかで可愛らしいストーリーを想像していたら、とんでもなく人間らしいある意味身勝手な愛の物語だった。

    愛に飢え愛を欲していたみにくい男。つくりだす世界が美に満ちているのは、ある意味狂気のなせる技。彼を苦しめるのも幸せにするのも愛でしかなかった。本当に閉じ込められたのはどちらなのだろう。
    そして愛は引き継がれていく。あなたはなにを選ぶのか。

    読了後に原題が「The Speed of the Dark(闇の速度)」だとあらためて分かると、ものすごく作品全体の空気感が腑に落ちた。ただ「スノードーム」というタイトルは秀逸。スノードームの圧倒的な美しさと儚さってある種の閉鎖的狂気感あるもんな。

    400ページをこえる作品ながら数時間で一気に読めてしまうのは、原作の力だけでなく訳者石田文子さんの言葉選びのすばらしさもあるのだと思います。

  • 不思議で、怖くて、綺麗で、考えさせられるおはなし。

  • 図書館にて。

    生きていれば、誰だって、愛されたいと願うはずだ。もし、そんなこと思わないという人がいたら、その人は、きっと、既に誰かに愛された経験があるからだろう。

    自分に笑いかけてくれた。声をかけてくれた。
    相手からしたら、何気ない、とるに足らないことに救われる時もある。幸せな気持ちになる時もある。

    もし、愛する人の愛が手に入らないと分かってしまったら、自分だったら、どうするだろう?

    エックマンのしたことは、重いことだと思う。でも、彼は愛されたかっただけなのだ。みんなと同じように幸せになりたかったのだ。

    そう考えると、とても、やるせない気持ちになる。

    愛すること。愛されること。愛は、人間の硬く強張ったひねくれた心も、柔らかくほぐしてくれるのだろう。

    愛という感情は、人間にとって、とても大切な感情なんだと教えてもらった小説でした。

  • グロテスクなファンタジーだと思った。

  • 前書き好きすぎる


    美しいものは美しい人によって作り出されるとはかぎらない。実際にはむしろその逆であることが多い。世間から高く評価され、愛される作品を作った人間は、しばしば世間から疎まれ、ののしられる運命にある。人々に愛される人気者ではなく、孤独な嫌われ者なのだ。

    また、この物語は、人間がもっとも崇高な動機からでも、もっとも理解しやすい欲求からでも、同じように恐ろしいことができることを示す試みでもあった。人は人を愛するが、それは相手のことを完全に知らないからという場合もある。相手を完全に理解したとき、愛は憎しみに変わりうる。もちろんその逆もありうるのだが。

    大事なことは全部ここで書いてて中身はそれを物語に落とし込んだって感じだった(と思う。昔読んだので記憶が曖昧)

  • 翻訳ものの小説など滅多に読まないのだけれど、知人に勧められて読んでみた。
    SF?ファンタジー小説?なのだろうな、私の苦手な。
    でも人間の悲しさと、悲しみのうしろにある愛について、考えた物語だった。
    人は人との繋がりの中でしか生きられないってことをまた考えた。

  • これは愛の物語です。
    原題は「the speed of the dark(闇の速度)」。

    でも光に向かって進もうとする人たちの話です。

    世界が愛で溢れますように。

  • 米津玄師おすすめ作品ということで読みました。
    後半にかけて話が気になってしょうがなくなり、気づけば夢中で読んでいた。

    ラストのクリストファーの選択の場面まで持っていくストーリー展開に純粋に驚いた。読み始める前は全く予想だにしていなかった。
    全てを失っても人は愛を選ぶのか、それをスノードームという舞台を通じて読者に問うアレックス・シアラーの力はすごい。
    ファンタジー要素が強いので、すごくハマったというわけではなかったが、新たな世界を見た感じがする。

    エックマンに同情は私はできないし、可哀想とも思えない。でもそれは生まれながらにしてある程度自分に対して満足感を得ている表れなのかなとも思った。

  • 光の速さに近づけば近づくほど質量が増大する?から、闇の速さに近づけば近づくほど質量は減少する?という事だと思うのだけれど…
    設定は大変面白いけれど、登場人物の魅力が私には全く感じられなかった。

  • 愛されたくて酷いことをしてしまった芸術家の話。

    ありえない話だ。だけど、心を揺さぶられ
    もし自分ならと考えてしまう。
    こんなにも惹き込まれる。不思議だ。

    そして、読者は酷いことをしたエックマンを
    憎むことができない。
    醜い容姿へのコンプレックス、愛への渇望。
    許されない行為の動機が
    人間として自然で当たり前で純粋な
    “愛されたい”という思いだから、
    彼の善さも悪さも丁寧に描かれているから、
    彼が単なる悪人ではないと知れたわけで、
    そしてこの物語を書いたのはクリスなわけで、
    クリスはあんなことをされて真実を知ってなお、
    エックマンの善なる部分を認めていたわけで、
    激エモじゃないですかという話(語彙力)。

    エックマンとクリスの間にあったのは愛なのか
    って問いだけど、
    愛の定義が曖昧で難しいけど、
    確かに暖かい感情はあっただろう。
    でもやっぱりあるべき愛の形じゃないと思った。
    そう思いたい。
    騙しているというわだかまりが
    エックマンには常にあったはずだし、
    真実を知ったクリスはエックマンに
    愛していると言うことはないと思う。

    あえて考えたい。
    悪人の謗りを退けたエックマンの悪について。
    エックマンは何が悪かったんだろう。
    環境や容姿、“配られたカード”が悪かったってのは
    確かにそうだ。
    そういった下地があった結果かもしれないけど、
    視野と想像力の不足が問題だったんだと思う。
    他人にも自分と同じような
    事情や感情や願いがあること。
    そこへの配慮が不足している。

    各人が不幸の中でちょっとした幸せを手にした。
    エックマンもそうだ。
    だけど、もっといい未来があったはず。
    それを無に帰したのは
    どう考えたってエックマンのせいだ。
    うまくいけばあったかもしれない本当の幸せを
    諦めないで求めたいから、あえてそう考えたい。

    いや、わからない。
    それを考えるべきではないのかも。
    愛って何か、悪って何か、
    人の幸せや自分の幸せをどう扱うべきか。
    難しい問題なので、また改めて読んだら
    思うことが変わるのかもしれない。
    深い深い本でした。

  • エックマンがとても悲しい。彼が起こしたことは何人もの人生を深く変えてしまう事だったけど責めきれるかというとそれは出来ないです。
    世間から背を向けられ、普通の人々と同じ事を望んでもそれが叶えられることは無い…という人生だったらここまで歪んでしまう気持ちがわかるので。
    クリストファーへも、ロバートとポッピーと彼らの娘へも罪滅ぼしの気持ちもあっただろうけど、守るべき家族が出来たという気持ちの方が大きかったんだろうな。自分も普通の人間になれた、と。
    エックマンに感情移入はしてしまうけれど、クリストファーの遺書部分のどの人物の絶望も伝わってきてつらい。クリストファーの行動もわかります。こちらの世界へ二度と戻ってこられなくても、愛する人があちらの世界にしか居なかったら。。
    チャーリー、彼らの世話してくれるのかな。。いつか彼らをこちらの世界に戻すことが出来るのだろうか。

  • 久々に声を出して泣いてしまった物語。
    感想を書きたくても自分の言葉では表現できないくらい繊細で儚く美しく…その中に人間が持つ醜さ狂気残酷さ… 世界の見方も変わる愛と哀しみのファンタジー。

  • 初めてのシアラー作品。
    「愛されるよりも愛したい」なんて歌の歌詞にあったけど、実際はエックマンのように「誰か僕を愛してくれ」って思っている人の方が多いと思う。
    エックマン。
    クリストファーの最後にかけた言葉だけをあなたに捧げたい。

  • カバー見返しの『選択に迷ったらコインを投げてみる。表が出るか、裏が出るか。コインはきっと、正しい答えを選ぶだろう。たとえそれが、どんな愛でも。』

    本文にはないが最終章を読むと意味が分かる。というか心が震える。

    『わたしが世の中に背を向けたんじゃない。世の中のほうが、何度もわたしに背を向けたのだ。』

    何をどう努力しても報われない、と本人が思っているだけではなく実際に報われないことが人生には確実にあり、さらに同じことを軽めにしただけで容易に報われる人もいる現実。

    そしてそれを恨む訳ではないが、軽めの恨みならば容易に報われてしまうとき残酷な行為に出てしまわざるを得なかった悲しさ。

    そこが思い込みかもしれないけれど(なぜなら私は少しでも努力が報われる人生を歩んでいるから)少し分かってしまう気がします。バッドエンドとは簡単に思えない話です。

  • 残酷な物語だった。

  • 堀北真希が紹介していて、ずっと気になっていた本。
    悪人になりきれない、エックマンが切ない。
    私も最後のクリストファーと、同じ選択をすると思う。今は。

  • スノードームに閉じ込めた、愛と哀しみの物語。全てを知った時のクリストファーの狂気のような感情に胸が苦しくなる。驚愕、怒り、憎しみ、喜び、絶望。読み終わった後、表紙の絵を見てとても切なくなった。

  • はじめての読後感。
    今まで感じたことがない気持ちのため、★5つにするにはどうなのかと思ったが中盤から後半まで完全に物語の中にのめり込んでしまった。
    スノードームという邦題に惹かれて読み始めたが読後は原題であるThe Speed of the Darkの方がしっくりくる。
    登場人物が限られているため、壮大な物語ではなくとてもひっそりと物語が進んでいく。
    ジオラマの中の物語を眺めているような気持ちでいたが読み進めていくうちに本当にそういった世界になる。
    この物語の主人公はエックマンだと思う。
    その他の登場人物は本来の主人公のクリストファーを含めて全員が物語上だけの人物のように感じられた。
    そのくらいエックマンの心理描写がリアルで彼の暗い感情がジクジクとリアルに突き刺さる。
    最初はあまりの奇形の中年男性として描かれているので彼への共感は感じなかったが、徐々に誰しもが持つ暗い感情に共感を覚えた。
    ファンタジーの要素を含むが相対性理論の逆の現象を起こせば物質の質量は縮小するという考え方は個人的にとても面白く思えた。
    またクリストファーが宇宙人は自分の何百倍も大きいだろうという解釈や宇宙の広さと極小の世界の対比などもおもしろい。

    イギリス人作家を読むのはカズオイシグロに続き二人目だが
    自分には合っていると思う。他の国の作家よりも世界観への没入度が圧倒的に違うと思う。

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著者プロフィール

英国スコットランド北部のウィックに生まれ、現在はサマセット州に住んでいる。テレビやラジオ、映画、舞台のシナリオライターとして活躍したあと、数多くのヤングアダルト小説を執筆、ガーディアン賞にノミネートされた『スノードーム』(求龍堂)などを生みだした。映画やテレビシリーズになった作品もあり、日本では『チョコレート・アンダーグラウンド』(求龍堂)を原作としたコミックやアニメ映画が制作された。他に、『青空のむこう』、『13ヵ月と13週と13日と満月の夜』『This is the Life』(いずれも求龍堂)、『スキ・スキ・スキ!』(あかね書房)、『世界でたったひとりの子』『あの雲を追いかけて』『骨董通りの幽霊省』(いずれも竹書房)などがある。

「2017年 『ガラスの封筒と海と』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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