水の家族

著者 : 丸山健二
  • 求龍堂 (2006年6月1日発売)
3.61
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  • 本棚登録 :289
  • レビュー :21
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763006356

作品紹介・あらすじ

死者の視線が、平凡な家族の、ある過去と現在を照らし出す。忘れじ川の水とともに浄化されていく魂の救済を描いた、生と死の壮大な叙事詩。作家による再構成をした新生版。

水の家族の感想・レビュー・書評

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  • 長野に移住して文壇と一線を画した丸山氏の自然描写の簡潔で美しい文章に酔った。私は自然を知らない。何度も辞書をひいて意味を確認した。水は神聖でしかも色っぽいものだ。川の水音が聞こえてくる本。

  • ストイックな文体で水がめぐるその活動のすべての描写が清々しい。。というか掃き清められたお寺にひとり参拝しているような清らかな気分になった。
    八重子との描写は生々しすぎて、私にはちょっと重かった。

  • これは、私が死に、彷徨う魂魄となった私が草葉町を俯瞰する叙事詩である。

    隔離され守られているさえ感じられる箱庭。それにおける生命は、絶え間なく行われる循環、大水車のように輪廻し、水の動きに重なり均等を保つ。
    私は省みながら、私もまた水の一部と知り、先憂も後悔も失われ、涙は再び遍く永劫の均等を約諾する。

    この話自体もひどく均等が保たれ、また歳を重ねてから再読してみたい、そう思いました。

  • 家族よりひとり離れて、さまよったさきに死んでいった主人公の
    魂が語り部なのですが、内容は非常に異常な世界で
    殺人。不貞。裏切り。堕落等々ひどい内容ですが
    文体が非常にうつくしく読みやすい文体です。
    なんとなく、非常に印象に残る作品。生と死って
    こういうことなのかと思われる。

  • 死者の視線が、平凡な家族の、ある過去と現在を照らし出す。忘れじ川の水とともに浄化されていく魂の救済を描いた生と死の壮大な叙事詩。作家による再構成をした新生版。

    夜の経済ニュース番組で三浦しをんが本作を激賞していたので読んでみた。物語が始まってすぐ主人公がとんでもない目に遭う。書かれている内容自体は通俗的という気もするが、その表現力や構成力にぐんぐん惹き込まれた。久しぶりに格調高い、芸術性に富んだ純文学に触れた気がした。名前だけは聞いたことがあるという認識だった丸山健二、他の作品も読んでみようか。
    (B)

  • 流れるような文章で、不思議なリズムに引き込まれました。
    内容は衝撃的なので、なんとも言い難いのだけど、なぜかすんなり読めてしまう魅力があるような。

    言葉の選び方のセンスを分けてほしいな

    May?, 2013

  • 人の持つ多面的な力は本人が気付けなくても確かにそこにあり
    この世界の密度は押し広がる。
    水は汚され清められただ流れて行き、
    それぞれに理由があり意味は無く力にあふれ亡くしながら
    生まれ死んで行くんだろう。

  • 続けて読むのを断念した。

  • 私と妹八重子

  • WBSのスミスの本棚で、小説家の三浦しをんがこの本を紹介していた。その紹介が興味深かったので購入した。
    読み始めは正直、面白くもないし何一つ共感できることもなく、買って失敗したかなと思った。近親相姦の設定もそうだが、日常的なことを描いているようで、まったく人物たちの境遇が日常離れしているし、一人で考えて一人でしゃべって一人で勝手に悟っている、くだらない独白に思えた。
    ただ、文章は確かにひきつけられるものがあったので文章だけを楽しむつもりで読み進めた。結局、最後の最後でこの作品の意図がわかって、どうして日常離れした設定のくせに日常を描くのかということがわかった。
    生成消滅・流転していくものを水に例えることはよくあることだし、あれこれ考えたあげくに最後に生を肯定するというモチーフもありきたりなものだが、この作品はそれを何かもっと感覚的なところで「触れ」させくれる不思議な魅力がある。
    三浦しをんが「小説が持っている力を実感できる」作品だと言った理由がよくわかった。この作品は映像化などはできないし、してはいけない。
    言葉と想像力だけで、こうも瑞々しく感覚的なところに深く訴えかけられるものなのだな、と新鮮な驚きがあった。
    ストーリーを楽しむような小説ではなく、まったく万人向けではないと思うが、言葉のもつ力や、言葉のもたらす想像力がどこまで及ぶのかを発見できる小説なので、言葉や文章に興味のある人は読んでみるといいと思う。

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