甲斐庄楠音画集 ロマンチック・エロチスト

  • 求龍堂 (2009年3月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (293ページ) / ISBN・EAN: 9784763009111

感想・レビュー・書評

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  • 甲斐庄楠音と書いて「かいのしょう ただおと」と読む。大正期の日本画家です。京都国立近代美術館で全仕事を俯瞰できる作品展がありました。LGBT であり、女装癖がありますが、執着したように生涯にわたり女性を描いています。狂気を宿していたり、退廃的な思いに駆られるものもあり、肉感的な作品などは日本画の枠に収まっていません。一筋縄ではいかない人物で、プロファイルが欲しいところです。享年84歳と長寿ですが、最晩年作の「悪女菩薩」の賛に、“恋人と母性が重なり、生涯に触れた女性たちが日輪のように舞う”、「ぼくは まだ死ねない」とあるのを見た時、衝撃が走りました。その2年後、大作「七妍」を書き上げて生涯を全うしています。

  • 【甲斐庄楠音(かいのしょう ただおと)】
    名前からして心をくすぐられる。
    彼の描く女性は妖艶~グロテスク。
    色彩が独特で個性的の上をいく。
    その独特な感性は幼少期からの女装癖か
    美意識から来るのか…
    と妄想が止まらない。

    1番好きな作品は
    【幻覚(踊る女)】です。
    某SNSのアイコンにする程好き♡

  • 高い本だが古本でゲット。凄味を感じる美人画で知る人ぞ知る存在の甲斐庄画伯。女装家のナルシストでバイセクシャル。花魁や芸者に女装してその姿を模写していたそうです(女装写真も何点か収録されています)。何かヌード写真も収録されてるんですよね…。何故ナルシスト(男)は脱ぎたがるのか。教えて偉い人!でもどの絵もさすがにグロすれすれに魔的な魅力があります。それはもう怖いほど。

  • 作品はもちろん、嬉々として撮ったであろう画家本人の女装写真や、自身がモデルも兼ねた作品の制作過程、スケッチ等々が楽しめる贅沢な画集。
    また、画家の趣味嗜好、創作のインスピレーションが窺えるスクラップ帳にも多くの頁が割かれていて、これが本当におもしろい。「穢い絵」と云われ画壇から遠ざかった日々、溝口健二と出会い「雨月物語」等の衣装デザインをしていた日々、再び絵筆をとった晩年の日々も…あれこれ想いながら切り抜き、貼り付けていたのだろうか。
    スクラップ帳を眺めていると、なんとも愛おしい気持ちが湧いてくる。

  • 艶っぽさ、とは。
    物憂げさ、とは。

    それがそこはかとなく、写っている。

  • 甲斐庄楠音(かいのしょうただおと)画家であった彼は画風を酷評され、映画界へと追われるように身を移し、後に風俗考証家となった。楠木正成の末裔だと言われている。裕福な家で過保護に育てられた彼は、男色・女装を好み、かなりのナルシストだが、描く女性は凄艶・艶麗、過剰に妖艶で毒々しい。けれど、よく見ていると、女性であるところの思いが表情に溢れていると思う。彼が女性でありたいと願ったせいなのかもしれない、と感じた。

  • 不気味だけど妖しい。何か出てきそうで怖いがロマンティック。フシギな画家、、、。

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