口紅のとき

  • 求龍堂 (2011年12月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (107ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763011435

作品紹介・あらすじ

初恋、結婚、別離…ドラマはいつも口紅とともに。角田光代書き下ろし短編小説。

口紅のときの感想・レビュー・書評

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  • 一人の女性の口紅にまつわる物語を6歳から79歳まで順に追った連作短編集。
    いかにも企画物と言う感じで疑心暗鬼で読み進めたが、なかなか良かった。
    あとがきにも書いてあるように口紅って女性にとっては特別なものでもあるし、だれしも共感できる部分があると思う。

    特に最後の79歳の章が良かった。
    介護施設に入っている主人公が若い女の子に化粧をしてもらいながら回顧する記述にグッと来た。
    やはり角田さんだ、巧い。

    この章を呼んで思い出したのは米寿で亡くなった夫の祖母。
    長い闘病生活を経て42歳の若さで亡くなった義母の代わりに夫の兄弟たちを立派に育て上げた祖母。
    普通ならばのんびり余生を過ごす年齢でありながら難しい年頃の子どもたちを育てるのは並大抵の事ではなかっただろう。
    そんな祖母だが初めて出会ったときからとってもお洒落な人だった。もう70代半ばだったと思うが、外出の時は仕立てた洋服に帽子をかぶり必ずお化粧をする。もちろん口紅も。
    普段の姿とは違ってパッと華やかに、可愛らしくなった。
    それまで私の周りにここまでお洒落な人はいなかったから、ちょっとした衝撃だった。
    苦労を重ねても歳をとっても女を忘れずに紅を塗る。
    人生を彼女なりに楽しんでいたんだろう。

    それに引き換え、私の体たらく。
    最低限の化粧はするが口紅最後に塗ったのいつだったかな・・・。
    リップをするかグロスがせいぜい。
    紅筆どこいっちゃっただろう。
    祖母の事見習わなくちゃいけないな(笑)

    • まろんさん
      しがらみ活動をなんとか終えたまろんです。
      (「しがらみ活動」のネーミングセンスに笑いました。さすがvilureefさん!)

      おばあさま、お洒落で素敵な方だったんですね。
      孫たちを育て上げながら、女性としての身だしなみや佇まいにも気を配れるなんて。

      私も、ピアノのレッスンをする日以外はお化粧もしないで過ごしているので
      たまに回覧板を持ってきた生徒に「!!!」という顔をさせてしまったりして。。。
      大いに反省して、おばあさまを見習わなくては(>_<)
      2013/05/16
    • だいさん
      口紅とは、女性にとって特別なものらしい。
      (男にとっては別な意味でアピール力がありますが)

      vilureefさんも時々口紅を塗って「女であること」を楽しまないと!
      2013/05/16
  • 真っ赤な本の装丁が実に素敵です~。
    口紅を題材にした「6歳~12,18,21,38,47,65,79歳」の超短編集。
    さらりと読める1冊ですが、最初では、亡き母親を思い出してほろりとさせられたり、最後の79歳では、人生振り返りジーンとさせられた。
    口紅って、いつの年代も輝かせてくれる特別なものなんですよね!女性でいる限り、化粧しなくっても薄紅は、し続けたいなーって思いました。

  • 「だれにも教わらなくとも、なぜかきちんとぬることができた。」
    という言葉が印象的。
    そうだったかもしれない。たぶんそうだ。

    この本の中には6歳、12歳、18歳、29歳、38歳、47歳、65歳、79歳の私がいる。
    もう通り過ぎた時間とこれから会いに行く時間、もしかしたらたどり着けない時間もあるかもしれない。

    でもまぁいいか、と思う。
    こんな物語を持っている女性が1人でもいるならそれで十分だ。
    その誰かの物語を私は愛せる気がした。

    写真もとても素敵。

  • あれPresentsって確かこの人のだよね?それに似た感じ。年を重ねてまた違ってくる口紅。なんかいい。

  • 短い文章だけど、書き留めておきたい言葉がたくさんあった。化粧をすること、もっと大事にしなきゃ。

  • 口紅の思い出かぁ。
    母親が口紅をつけている場面というよりも七五三のときに口紅をつけてもらってちょいといつもと違う雰囲気にワクワクしたことを1番に思い出す。
    彼氏にプレゼントされるなんて素敵♪
    人にプレゼントしたこともされたこともないなぁ。
    口紅のプレゼントってアリなのかぁ。

  • 「口紅」の威力というか、魔法を私はまだ知らないと思った。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「魔法を私はまだ」
      子どもの時に、お芝居(学芸会と言う奴です)で、口紅塗らされて、ゲっとなりましたが、
      大学の時、アルバイト先の女性で、唇を真っ赤にしている人が居たのですが、その時はゲっとは思わずに、、、ドキドキしました。

      でも何故か、ベッタリ口紅を塗っている人とは、お付き合いしたコトなく、本当の口紅の味?は知らないままです。。。
      魔法に掛かってみたいな、、、←コラコラ
      2012/07/09
  • 読んだ後は口紅を塗りたくなる。グロスやティントではなく、きちんとした口紅を筆で、ていねいに。
    ふらっと手にした本だったのにとってもステキな一冊に巡り会えた。これからお化粧が楽しくなりそう。私も一本、とっておきの口紅を買おうかな。

  • 口紅を引いているときのお母さんの顔が不意に別人に見えて怖くなったり、もう目を覚まさないおばあちゃんの唇に引かれた紅の明るさに息を飲んだり。

    なんとなく私自身の過去ともオーバーラップするヒロインの姿に、そんなこと私もあったわ〜と感じた前半。

    そして、
    少女にとって【大人の女性】の象徴だった口紅が、いつしか誰かにプレゼントされる物になり、愛する人を思って唇に差すものになり。
    そうしていつしか、少女の頃に見ていた母親の化粧をする後ろ姿に、彼女自身が重なっていく姿が描かれています。

    ヒロインがこの物語で最後にたどり着いた章で語られる結末には、胸を塞ぐようなほろ苦さを掻き立てられますが、そんな彼女が鏡の中に見出したものに、一抹の救済を見出すこともできて、なんだか酷く安心しました。女はいくつになっても女でいられるんだな、って笑。

  • 化粧品の中で最もドラマを感じられるのが口紅

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