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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784763021144
作品紹介・あらすじ
東京オリンピック・パラリンピック開催にあたり、東京は大規模な無電線化が進められています。
見通しのよい街並みが後世に記憶される景色になっていくのでしょうか……。
電線が縦横無尽に走る街の雑然感は、私たちにとっては幼い頃から慣れ親しんだ故郷や都市の飾らないそのままの風景であり、ノスタルジーとともに刻み込まれた景観です。
それは、岸田劉生、小林清親、河鍋暁斎、川瀬巴水、朝井閑右衛門、山口晃、阪本トクロウなど、時代を越えて多くの画家が描いた景色でもありました。
本書は、明治初期から現代に至るまで、晴れやかな近代化の象徴で、“東京”が拡大していく証で、モダン都市のシンボルであった電線、電信柱、架線が描かれた作品だけを集めた、とてもユニークな作品集です。
マニア垂涎の碍子も美術作品として登場します。
150点にもおよぶ作品を眺めていくうちに、私たちの懐かしい街の記憶が甦ってくるにちがいありません。
ノスタルジーに浸りながら頁をめくっていただきたい一冊。
本書は、練馬区立美術館で2021年2月28日から4月18日まで開催される同名展の図録兼書籍です。
感想・レビュー・書評
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幕末の日本にアメリカから電気が持ち込まれ、発電所から使いたい場所まで電気を伝達するには電柱なり電線が必要になる。当時の人にとっては、それらは近代文明の施設であり景観を損なうものでは無かった。むしろ絵画の主役になりうるモチーフにもなりうるものだったはず。
そんな感じの切り口で企画された絵画展が、2021年の春に練馬区立美術館で開催された『電線絵画展 小林清親から山口晃まで』。本書はそのその公式図録兼書籍。
もし景勝地や観光地の絵を描いたり、素敵な写真を撮ろうしたとき、今なら電柱や電線は構図から積極的に外そうとするのだけど、ここに掲載されている作品はなくてはならない存在。なんとも不思議な感覚。
電線や電柱を描いていた画家や絵師の多いことにびっくり。
幕末の浮世絵師から、小林清親、川瀬巴水、岸田劉生、河鍋暁斎、朝井閑右衛門、そして現代の山口晃まで網羅。
電柱等に関するコラムも面白い。碍子などもシブイ。
図書館で借りたのだが機会かあれば手元に置きたい本。 -
電線、電線、電線…。そして懐かしい風景がある。
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書店でたまたま見かけて衝動買い。こんなん買うしかないでしょ。
2021年の2月から4月にかけて練馬区立美術館で開催された「電線絵画展」の公式図録。明治の小林清親から現在の山口晃まで電線、電柱が描かれた絵画を一同に集めたもの。着眼点だけでなく切り口も素晴らしい。
しかし、最近美術展の図録が一般の書籍として販売されることが増えてきたように思う。これは良い傾向。
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