情報を読む技術

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  • サンマーク出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763131089

感想・レビュー・書評

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  • ★★★★情報を知る・読む・使う・活かす技術。情報を読む時は天気予報に当てはめる。愚かな楽観主義より活力ある悲観主義が正解。色々な可能性にシナリオを描き、色々な結論を用意しておくとリスクヘッジ力が高まる。イギリス人の「情報は早く、行動は遅く」は、色々な方向から眺めても何も見えてこなかったものが、時間を置いたら答えが見えてくるという感覚。遅さの大切さ。時機が熟すのを待つ事も必要。

  • 結局政治や外交の情報の読み解き、活かし方だった。
    ニュースの読み方聞き方考え方。
    なので、池上彰氏の「ニュースの読み方」とほとんど同じ。
    特に経済・経理・会社情報の読み方考え方などではない。

    題名に騙された。
    と思ったので★3つ!

  • 情報をさまざまな側面から把握する必要性を感じた。
    ・ある人間について知ろうとするときは、その人の育ちに関する情報を集める
    ・新聞の小さな記事にこそ、真実が含まれている(大きく取り扱いたくないが報道はしなければならない)
    ・メディアリテラシー
    ・背後で何か進行している」を前提にする
    ・相手が隠そうとしているものと読む(何ら前後関係がないことが進行始めたらそれは目くらまし)
    ・どっちつかずの情報は一見優柔不断に見えるが情報としては信ぴょう性が高い。(1か0かの情報はわかりやすいが真実ではないことが多い)
    ・経済情報は尺度として利用する(国家観、政治観なしの経済論議は実らない)
    ・個人情報(個人に関する情報、個人が持っている情報)を活用する。
    ・情報は地味処理思考ではいかせない。人間が操っている以上ウェットな部分を認識して戦略的に活用するべき。

  • ――――――――――――――――――――――――――――――○
    「迷っている状況に耐えられず、安易に答えを出そうとし始めたら、破滅が近づいている証拠だ」(…)この処世訓は、情報に対する姿勢にも当てはまります。115
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    イギリスは王様でもスパイ罪は訴追されます。たとえば、ピューリタン革命のとき処刑されたチャールズ一世は、歴史の教科書では、議会と対立して、議会の権限を侵して絶対王政に向かおうとしたから殺されたとされていますが、王はじつは、国家反逆罪で処刑されたのです。フランスと通じてフランス軍を援軍に送ってもらって、議会を制圧するという陰謀を進めていたから、とされています。27
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    村山政権で、社会党から官房長官になった野坂浩賢という人物がいます。彼が政界引退後に語ったところによると、社会党は、「自衛隊と日米安保を受け入れる代わりに、首相自ら明確に侵略戦争を謝罪することに反対しないのならば、自民党との連立に加わってもいい」という交換条件を出したのです。それにやすやすと乗ったのが、自民党でした。(…)すでに国際法上完全に片づいている問題について二十一世紀に入っても、日本はひたすら謝り続け、足元を見られ続ける羽目になったのです。97
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    イスラエルはよく知られた情報大国ですが、デンマークも、国は小さいながらも、じつは情報大国です。ドイツは冷戦時から中国との関係を重視しており、中東から中国にもまたがる地域で隠れた形で深いレベルの中独情報協力を続けてきました。とくに有名なのは、パミール高原にロシアの通信を傍受する施設をドイツの連邦対外情報庁が中独共同で運営してきたことです。(…)中国市場でアメリカ以上の成功を収めているこれらの国は、中国の政府筋、情報筋と密接な協力関係を築いているのです。115
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    ロンドンの空港でも、「専門は国際政治学だ」と答えると、必ずといっていいくらい、「ロンドン滞在中の住所をここに書け」とか、「どんな研究でイギリスに来たのか?」としつこく尋ねられました。イギリスの友人にその話をしたら、「イギリスに入国する外国人が国際政治学をやっているなんていったら絶対ダメ。荷物を調べられるのは当たり前だよ」といわれたのを覚えています。(…)こんなところにも、日本人の情報音痴ぶりが表れています。相手国の「関心の構造」がどうなっているかを知らなすぎるのです。175
    ――――――――――――――――――――――――――――――○

  • 著者の主観もずいぶん入っているけれど、情報に対する気持ちを改めて、裏を取るようにしようと思う

  • 父の本棚シリーズ。佐々木俊尚的な、「洪水のようなネット情報とのうまい付き合い方」みたいな感じかな、なんて思って読んでみました。そしたら、かなりきつめのトーンで「日本人は情報音痴でダメだ。諸外国は、、、歴史上では、、、」というような重厚な内容でガンガン攻められました。でも、確かに「なるほど~」という気づきがいろいろありました。

  • イギリス情報部は人間のつながりと個々の人間のプロファイリングを200年にわたって積み重ねている。戦争に一度も負けたことがないイギリスの秘訣。
    信用できるかどうかの判断基準としてひとつ言えることは、論者の思考過程が示されている文章は、情報として、より信用できるということ。
    知識人も職業人。ものをいうことで食べていかなければなりませんから、その人それぞれの営業戦略がある。だから信用すべきではない。

  • TOPPOINT2011年4月号より。

    著者は京大大学院教授。


    情報社会における“実践的情報活用術”を伝授。


    何でもインターネットで簡単に無料で多くの情報が
    手に入る現代。

    じっくりと読む必要があるかも。

  • 比較的最近「FREE」を読んだばかりだったので、冒頭の「タダほど怖いものはない」でニヤリとしてしまった。
    あまり共感は覚えなかったが、「そういう見方もありますよね」という感想。

  • ■情報読解
    1.情報は自分に都合よく解釈せず、悲観的に捉える。その上で様々な可能性を考えれば、情報を読む精度が上がる。
    2.情報を読む際は、表に出ている情報はごく一部で、裏には自分が知らない様々な情報がある、との前提で読む。

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著者プロフィール

1947年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授、京都大学教授を歴任。石橋湛山賞(1990年)、毎日出版文化賞・山本七平賞(1997年)、正論大賞(2002年)、文藝春秋読者賞(1999年、2005年)受賞。専門は国際政治学、国際関係史、文明史。主な著書に『帝国としての中国――覇権の論理と現実』(東洋経済新報社)、『アメリカ外交の魂』(文藝春秋)、『大英帝国衰亡史』(PHP文庫)、『なぜ国家は衰亡するのか』(PHP新書)、『国民の文明史』(扶桑社)。


<第2巻執筆者>
小山俊樹(帝京大学教授)
森田吉彦(大阪観光大学教授)
川島真(東京大学教授)
石 平(評論家)
平野聡(東京大学教授)
木村幹(神戸大学教授)
坂元一哉(大阪大学名誉教授)
佐々木正明(大和大学教授)

「2023年 『シリーズ日本人のための文明学2 外交と歴史から見る中国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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