文豪に学ぶ超一流の手紙術

著者 : 亀井ゆかり
  • サンマーク出版 (2015年11月24日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763133465

作品紹介

一流の文豪・著名人たちの手紙は、ヒントにあふれ、言葉のバリエーションを上質かつ豊かなものにしてくれます。30万通の手紙を書いてきた「手紙代筆」のプロが、名文を手本に、「ひと味ちがう」伝え方のコツを伝授する。「ありきたり」から、「とびきり」の一通に。

文豪に学ぶ超一流の手紙術の感想・レビュー・書評

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  • 天も笑い我れも笑えり不覚にも転びたる我が地を這うを見よ
     田島隆夫

    「手紙コンサルタント」という珍しい職業があるそうだ。作法書などの著書をもつ、亀井ゆかり氏の肩書である。手紙の代筆も手掛けているという。

     お手本となるのは、作家たちが書き送った手紙の数々。芥川龍之介、川端康成、太宰治、宮沢賢治、三島由紀夫、そして星新一らも名文の手紙を残している。

     たとえば詩人の室生犀星は、年下の作家・堀辰雄の才能を励まし、別荘に招待した。その折の、簡潔で信頼に満ちた文面―「来たいと思ったら何時【いつ】でも来たまへ、汽車賃だけ持って来たまへ、落葉の下から水仙が伸びてゐる古い町だ」。

     夏目漱石も多くの手紙を残しているが、これは、借金を断る内容―「折角【せっかく】だけれども今は貸してあげる金はない。(略)今うちには何もない。僕の紙入れにあれば上げるが夫【それ】もからだ。(略)君が悪いのじゃないから構わんじゃないか」。きっぱりと断りつつ、最後に励ましの言葉もあり、配慮を忘れない文面である。

     掲出歌は、織物職人の田島が、随筆家の白洲正子に送った手紙より。けんしょう炎をわずらった白洲へのお見舞い状に添えた短歌で、私も庭で転んで地を這いました、どうぞお笑いくださいと、痛みを分かち合いつつ「笑い」を添えてなぐさめている。

     こういう心配りや言葉づかいの機微が、少し距離のある手紙では、輝きを放つのだろう。ショートメールなどが日常的な若者たちにも、筆まめだった文豪たちの「手紙術」を味わってもらいたい。

    (2016年3月6日掲載)

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