思い出が消えないうちに

著者 :
  • サンマーク出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763137203

感想・レビュー・書評

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  • 最後の文章がとても良かった。

    人の死自体が、人の不幸の原因になってはいけない。
    なぜなら、死なない人はいないからだ。死が人の不幸の原因であるならば、人は皆不幸になるために生まれてきたことになる。

    確かにその通りで、別れは寂しいものだけれど
    不幸と思うのはやめようと思った。

  • 函館にある「ドナドナ」が舞台。
    そしてコーヒーを淹れるのは数さんではなく娘の幸ちゃん。
    「100の質問」は優柔不断な私には難しい質問だな。

    今回も涙腺崩壊でした

  • シリーズ3作目。今回も面白く読んだけど、言っているのは「人の死によって不幸になってはいけない」「現実は変わらなくても人の心は変えられる」という前作までと同じことなので、続けて読んでいると少々飽きてきた。あと「周りの人皆病死しすぎじゃない?!」とか思っちゃったり。ただ、停電したところでページが黒地に白抜きになっていたところは今回ならではで楽しめた。

    本作で一番印象に残ったのは、幸の「夢に向かって頑張る人には、自分の一番大切なものを贈るといいんだって。必ず、頑張れない時が来るから。辛くて苦しくて夢と現実を天秤にかけて選択する時が来るから。その時に一番大事なものをもらった人はもう少しだけ頑張れるんだって。結局一人じゃないって気付くんだって。応援されてることに勇気をもらうんだって。」という言葉。

  •  あまり考えずにサクサクと読み進められて一日で読了することが出来た。捻りのない内容は、王道の展開なため、難しい本の合間に娯楽としてストレスなく読める本であった。

  • 久しぶりにシリーズの続きを読んだ。
    読んでいるうちに以前の話を思い出しながら。
    心が温かくなる話だったと思っていたけど、今回の話は読んでいて辛くなる話もある。過去に戻れても現在は変わらないルールは実際には行った人の気持ち行動を変えている。ただ、亡くなった人の現在は変えられないのだけれど。会いたいと思う人に会えたら自分は何を話すのだろうとこの本を読むと思い浮かべる。

  • シリーズ3作目。
    今回の舞台は北海道の喫茶店「ドナドナ」。
    幸の愛読書「もし、明日、世界が終わるとしたら?100の質問」が、いいスパイスとなって物語を展開させていく。
    「人は必ず幸せになるために生まれてくる」
    そうであって欲しいなと思う。
    そのことを忘れそうになった時、「ドナドナ」のようは場所が救いになりのだろうと思った。

  • 『思い出が消えないうちに』川口俊和さん

    菜々子ちゃんはハッピーエンドだと思ってた〜
    今回は、人との別れである「死」がサブテーマな気がする。
    人はどうしても避けられない死。
    特に最後のストーリーは、心に響く言葉だった。

    今回は、流の母親である時田ユカリさんが函館で営業している「喫茶ドナドナ」でのお話。
    ユカリさんがアメリカに行くにあたって、流と数と娘の幸が代わりに函館にきて始まるストーリー。

    〈本の帯より〉
    伝えなきゃ
    いけない想いと、
    どうしても
    聞きたい言葉がある。

    心に閉じ込めた思い出をもう一度輝かせるために、不思議な喫茶店で過去に戻る4人の物語。

    〈本文より〉
    《第一話「ばかやろう」が言えなかった娘の話》
    ・(ユカリ)「よく、あきらめないでがんばったわね。よくがんばった。魔法じゃないんだから、あの日、私があなたに声をかけたからって、現実が一変したわけじゃないでしょう?苦しい状況は何一つ変わらなかったじゃない?でも、未来に向かってがんばろうって、幸せにならなきゃってがんばったから、今のあなたがあるんでしょ?」
    ・「顔をあげなさい。胸を張っていいのよ。この幸せはあなたが自分でつかんだものなんだから…」
    ・「うん、うん、いい顔ね。いい顔してる。それでいいの。その笑顔が大事なのよ。」

    《第二話「幸せか?」と聞けなかった芸人な話》
    ・(世津子さん)「死んでも、ゲンちゃんが忘れない限り、私はいつでもゲンちゃんの心の中にいる。私が死んでもがんばれたのは、ゲンちゃんの心の中に私がいたからでしょ?」
    「私は死んでも、ゲンちゃんが活躍すれば嬉しいし、とっても幸せなの。死んだ私を幸せにできるのはゲンちゃんだけなんだからね?」
    「私は、私の人生全部でゲンちゃんのこと愛してる」
    「死んだら終わりなんて言わせないんだから」

    《第三話「ごめん」が言えなかった妹の話》
    ・雪華(妹)の照らす灯りは、麗子(姉)を幸せへと導いている。そして、その灯りりはなくなった雪華をも幸せに導く灯りなのである。なぜなら、麗子の幸せは、そのまま雪華の幸せでもあるのだから。

    《第四話「好きだ」と言えなかった青年の話》
    ・人は、どんな困難な状況からでも、きっかけ一つでちゃんと立ち直れるのだと、流は実感するのだたった。
    ・人なんて、いつ死ぬかなんてわからない。
    ・明日が来るかどうかなんて、本当は誰にも分からない。
    当たり前の日常が、いかに大切で、大事な人がそばにいることがどれだけ幸せなことなのかということを、玲司は今回のことで思い知った。
    明日、伝えようとして伝えられないこともある。
    ・終わらない世界で、今、この瞬間に自分がやらなければならないことは、自分の気持ちに正直になることなのかもしれない。他人は関係ない。伝えるべき大切な人がいるのであれば、それは伝えなければならないのだ。
    ・未来はわからなくとも、伝えるべき思いがある。
    ・夢に向かってがんばる人には、自分が一番大切にしているものを送ってあげるといいんだって。夢に向かってがんばる人は、必ず、頑張れない時か来るから。つらくて、苦しくて、夢と現実を天秤にかけて、選択する時がくるから。その時にね、一番大事なものをもらった人は、もうすこしだけがんばれるんだって。結局、一人じゃないって気づくんだって。応援されてることに勇気をもらうんだって。だから、幸は玲司お兄ちゃんにがんばってほしいから、この本をあげるの
    ・玲司がボロボロになるまで読み込んだ『もし、明日、世界が終わるとしたら?一〇〇の質問』の最終ページのあとがきにはこう記されている。
    「私は思う。人の死自体が、人の不幸になってはいけない。なぜなら、死なない人はいないからだ。死が人の不幸の原因であるならば、人は皆不幸になるために生まれてきたことになる。そんなことは決してない。人は必ず幸せになるために生まれてきているのだから…」

  • 言葉が与える力強さを感じた。
    一気に読まないと話の内容についていけない。なので、〈コーヒーが冷めないうちに〉①、②を順番に読もうと思う。

  • 前作、前々作から続けて読んでいます。他の方が言われているようにパターン化といえばそうかもしれませんが、どの回も自分がこの立場だったら…と考えてやっぱり心を動かされてしまいます。第4段も読みたいなと思いました。

  • シリーズ3作目。場所が函館に移ったもののお店のメンバーが変わらないので最初はなんで?東京のお店は?と知りたい情報が多すぎましたが、その辺の問題がわかってくるに従い物語に集中できました。話だけで実際出てこない新たな登場人物(ユカリさん)にも興味津々でした。

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著者プロフィール

大阪府茨木市出身。1971年生まれ。小説家・脚本家・演出家。舞台『コーヒーが冷めないうちに』第10回杉並演劇祭大賞受賞。同作小説は、本屋大賞2017にノミネートされ、2018年に映画化。川口プロヂュース代表として、舞台、YouTubeで活躍中。47都道府県で舞台『コーヒーが冷めないうちに』を上演するのが目下の夢。趣味は筋トレ、サウナ、シーシャ。モットーは「自分らしく生きる」。

「2023年 『やさしさを忘れぬうちに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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