Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法
- サンマーク出版 (2020年6月17日発売)
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感想 : 65件
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Amazon.co.jp ・本 (347ページ) / ISBN・EAN: 9784763138033
作品紹介・あらすじ
世界的ベストセラー、待望の復刊!
不安を消し去る、心の羅針盤となる書。
★『Think clearly』『Think Smart』の著者ロルフ・ドベリ氏による
世界的ベストセラー、待望の復刊!
★ドイツ『シュピーゲル』紙のベストセラーリストのトップテンに3年間にわたり、
ランクインした超ロングセラー!
★40を超える国で翻訳出版!
わたしたちは、なぜ誤った判断を下してしまうのか? 最新の知識と学術的な裏づけをもとに、失敗や不安につながる「思考の落とし穴」について纏め上げた一冊。ものごとを見る新たな視点が、きっと手に入る。
感想・レビュー・書評
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ドベリ氏の新作かと思って読んだら、過去に出版されていた本の再出版でした。
それにしてもうまいな。題名も変えちゃって、こういう商売の仕方はありだと思います。本当にうまいです。
本書の内容は過去の2冊と同じように行動経済学等に基づいた心の迷いを面白おかしく書いたもの。
この本が好きなら
ダン・アエリー氏の『予想どおりに不合理』
は必ず読んでみるべき。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「思考の落とし穴」を自覚していれば、大きなダメージを受けるのを防げるようになり、手遅れにならない。
がメッセージです。
本書を読んだからといって、すべてがうまくいくようになるわけではない。だが少なくとも、自ら招く恐れのある大きな災いに対する保険ぐらいにはなるだろう。
最後の3つの言葉
①「思考の落とし穴」はこのほかにもある。
②ここでは病理的な障害を問題しているのではない
③ほとんどの「思考の落とし穴」は相互に関連しあっている。
「落とし穴にハマらないなんてありえない」
本文は、その52の「思考の落とし穴」を、分類もせずに、ひたすら解説していく。
目次は以下です。
はじめに
1 なぜ、言い方を変えただけで、結果が大きく変わるのか? ▼フレーミングのワナ
2 なぜ、「特殊なケース」には気をつけるべきなのか? ▼確証のワナ その1
3 なぜ、「あいまいな予想」に惑わされてしまうのか? ▼確証のワナ その2
4 なぜ、エラい人には遠慮しないほうがいいのか? ▼権威のワナ
5 なぜ、少ししかないクッキーはおいしく感じるのか? ▼希少性の錯覚のワナ
6 なぜ、「選択肢」が多ければ多いほど、いいものを選べないのか? ▼選択のパラドックスのワナ
7 なぜ、自分に似ていれば似ているほど相手を好きになるのか? ▼「あなたが好き」のワナ
8 なぜ、お酒をおごってもらわないほうがいいのか? ▼お返しの法則のワナ
9 なぜ、「自分だけはうまくいく」と思ってしまうのか? ▼生き残りのワナ
10 なぜ、「もったいない」が命取りになるのか? ▼ サンクコストのワナ
11 なぜ、モデルの友人をつれていかないほうがいいのか? ▼コントラストのワナ
12 なぜ、「違う街の地図」でもないよりはまし、と考えてしまうのか? ▼イメージのワナ
13 なぜ、「その人」を信じてしまったのか? ▼「いったん悪化してからよくなる」のワナ
14 なぜ、水泳をすれば水泳選手のような体形になれると考えるのか? ▼スイマーボディ幻想のワナ
15 なぜ、自分の知識や能力を過信してしまうのか? ▼自身過剰のワナ
16 なぜ、他人と同じように行動していれば正しいと思ってしまうのか? ▼社会的証明のワナ
17 なぜ、歴史的事件の意味は、あとからでっちあげられるのか? ▼ストーリーのワナ
18 なぜ、起こった出来事に対して「あれは必然だった」と思い込むのか? ▼回想のワナ
19 なぜ、「わからない」と正直に言えないのか? ▼お抱え運転手の知識のワナ
20 なぜ、弁護士費用は、「日当」で計算してはいけないのか? ▼報酬という刺激のワナ
21 なぜ、「医者に行ったら元気になった」は間違いなのか? ▼平均への回帰のワナ
22 なぜ、みんなが利用する場所では問題が発生するのか? ▼共有地の悲劇のワナ
23 なぜ、「結果」だけで評価を下してしまうのか? ▼結果による錯覚のワナ
24 なぜ、「意見が一致したら要注意」なのか? ▼集団思考のワナ
25 なぜ、宝くじの当選金額はどんどん高くなるのか? ▼確率の無視のワナ
26 なぜ、直感だけで判断すると間違えるのか? ▼基準比率の無視のワナ
27 なぜ、「プラスマイナスゼロに調整する力」を信じてしまうのか? ▼ギャンブラーの錯覚のワナ
28 なぜ、商談のときにはなるべく高い金額から始めるべきなのか? ▼アンカーリングのワナ
29 なぜ、ちょっと株価が上がっただけで大金をつぎこんでしまうのか? ▼機能的推理のワナ
30 なぜ、「悪いこと」は「いいこと」より目につきやすいのか? ▼マイナスの過大評価のワナ
31 なぜ、個人だと頑張るのに、チームになると怠けるのか? ▼社会的手抜きのワナ
32 なぜ、50回折りたたんだ紙の厚さを瞬時に予想できないのか? ▼倍々ゲームのワナ
33 なぜ、オークションで落札しても少しも儲からないのか? ▼勝者の呪いのワナ
34 なぜ、コンサートのあとでは指揮者やソリストの話しかしないのか? ▼人物本位のワナ
35 なぜ、コウノトリが増えると赤ちゃんも増えると考えるのか? ▼誤った因果関係のワナ
36 なぜ、恋に落ちた相手は完璧にみえるのか? ▼ハロー効果のワナ
37 なぜ、成功の裏にあるリスクに気が付かないのか? ▼別の選択肢のワナ
38 なぜ、予測が外れてばかりのエセ専門家が増殖するのか? ▼予測の幻想のワナ
39 なぜ、もっともらしい話に惑わされてしまうのか? ▼条件結合のワナ
40 なぜ、ゴールキーパーはじっとしていないのか? ▼過剰行動のワナ
41 なぜ、ダメージが同じなら何もしないほうがいいのか? ▼不作為のワナ
42 なぜ、「成功は自分のおかげ」「失敗は他人のせい」と考えるのか? ▼自己奉仕のワナ
43 なぜ、社内にはいつも自分と同性が多いのか? ▼選択のワナ
44 なぜ、悪い知らせだけを伝えるべきなのか? ▼連想のワナ
45 なぜ、「はじめから順調」のときが危ないのか? ▼ビギナーズラックのワナ
46 なぜ、自分への嘘でつじつまを合わせようとするのか? ▼思惑と結果のワナ
47 なぜ、「ありえないようなこと」でも、いつか起こるのか? ▼共時性の奇跡のワナ
48 なぜ、「今この瞬間を楽しむ」は日曜日だけにすべきなのか? ▼目先の利益のワナ
49 なぜ、「自分のもの」になったとたんに価値は上がるのか? ▼所有のワナ
50 なぜ、幸福は3か月しか続かないのか? ▼満足の踏み車のワナ
51 なぜ、自分の人生をすべて自分でコントロールしていると信じるのか? ▼コントロール幻想のワナ
52 なぜ、危険を徹底的になくそうとすると痛い目にあうのか? ▼ゼロリスクのワナ
おわりに -
1.自分の人生を振り返る期間をあまりとっていませんでした。基本的に読書をして常に新しいことを学んでいたい自分ですが、人生について振り返ることも大事だと急に思ったので、読んでみることにしました。
2.なぜ人間は不幸な人生を歩んでしまうのか、なぜ間違った選択をしてしまうのか、心理学の研究を集めて自分の人生の幸福度を上げていくための思考法が書いてあります。人間には感情という厄介な代物がついています。それが判断を鈍らせ、自分を誤った選択に導いてしまいます。この時に大切なことは、生活している時に自分が陥っている罠に気づくことです。この本では、日頃から自分が陥っている罠を紹介してくれています。普段の選択で自分が公開したことをピックアップし、改善法を示してくれる本です。
3.何が誤った選択なのかは人によって異なるので何とも言えませんが、自分にとっては、「成長に繋がらない選択」が誤った選択だと思っています。例えば、ムダな飲み会に付き合いすぎて浪費したり、自分を苦しめたりすることはしたくありません。そのため、自分にとって何が無駄なのか、誤った選択は何かを見極める必要があります。この本と他に読んだ心理学系の本と向き合いながら年代別の自分の目標を掲げていきたいと思いました。 -
【おすすめの人】
なんか自分って損してるって思う人
なんで上手くいかないんだろうと思う人
思考の癖を治したい人
【感想】
固定概念とか価値観とかって
強く癖ついてしまっていると感じました。
〇〇のワナという表現で色々な癖が出てくるのですが、どれも新鮮で面白かったです。
新しい発見が多く、読むのに時間かがかりました。
Think シリーズの他の作品も読みたいと思いました。 -
120のワナのうち52を紹介し、我々がいかに誤った選択をしているかについて記載している一冊。
正直読み終えた今、ワナに陥らず正しい選択をして生きていけるかと言われると、全くそんな自信はなく、不可能だろう。
なんらかの選択に迫られた際、今自分がすべき選択は何かを考えて、その結果がどうだろうと受け入れる覚悟を持って生きるしかないのだろうな。
環境がどうであれ、幸せは自分のこころで作り出せる。選択の結果によらず、幸せにはなれるらしい。自分の考え方、生き方を見つめ直していければと思う。(がんこだから素直にできるとは思えないけど。) -
私たちが思考する際に無意識のうちに犯してしまう過ちを「○○のワナ」という形で紹介してくれている。論理的な決断を下すために参考になるポイントが多数あった。
ただ記憶には残りづらかった(本書内で52個のワナについて述べられている)。また読み返したい。 -
幸せを長く感じ続けるためのヒント
①長いこと試してみても慣れることのできないネガティブな現象、たとえば通勤、騒音、慢性的なストレスといったものを避ける
②車、家、ボーナス、宝くじの賞金、金メダルとあった物質的なものによる喜びの効果は、短期間しか期待できないことを知っておく
③ポジティブな効果を長続きさせるためには、できるだけ多くの自由な時間を手に入れ、自分の意思で行動しよう。たとえ収入が減ることになったとしても、もっとも情熱を感じられることに時間を割き、友情をはぐくもう
確実なものは存在しないとはいえ、幸いなことに失われにくいものは存在する。それは「自分の内側からわき起こる幸福感」だ
宝くじを当てて億万長者になろうが、足が麻痺して歩けなくなろうが、その人の本質的な幸福の感じ方が変わることはない
幸せな人は何が起ころうがいつでも幸せであり、不幸せな人はいつでも不幸せである -
一日一項目とか決めて読むと楽しめそうだけど、通読するには、私には合っていませんでした。
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本書は、2013年に刊行された「なぜ、間違えたのか?」の改訂版にあたります。
「Think clearly」「Think Smart」と並ぶ「52の思考法シリーズ」第一弾にあたり、2020年に発刊されました。
人間の思考はけっして合理的ではない。思いもよらぬ不合理な行動をとってしまい、それが失敗や想定外の間違いを引き起こすものであり、失敗を招きかねないそうした思考の落とし穴は、行動経済学や社会心理学、進化心理学の分野で研究されており、著者によると、現在わかっているだけでおよそ120のワナが存在しているとのことです。本書では、その「思考の落とし穴」52を紹介しています。
ハロー効果やすっぱいブドウの木のように有名なものから、言われてみればそういう風に考えてしまいがちと納得してしまうもの、本当にそうだろうかと思ってしまうものまで、多岐に渡っており、様々な研究や経験を通して紹介されていますので、ショートストーリーをいくつも読んでいる感覚になります。
たとえば、
「回想のワナ」:ものごとが起きてしまってから、あとになって、それは予測可能だったと考えてしまうこと
取り除くのがもっとも難しいワナの1つ
「自分はうまく予測できるはずだ」と自己過信し、わたしたちを思いあがらせ、誤った決断に導く
アドバイスは、日記をつけること
また、「お抱え運転手の知識のワナ」
お抱え運転手とは、知ったかぶりをする人、自分を実際以上に誇示する人
「本物の知識」と「お抱え運転手の知識」を区別するのは難しくなっている。
「お抱え運転手の知識」を信用してはならない。見極めるサインは、本物の知識をもちあわせている人は、自分が知っていることと知らないことをよくわかっている
というように、思考の落とし穴を紹介したあと、その対処法をのべているので、自分がよく引っ掛かりそうな話を中心に読んでいけば正しい判断を下せるようになるのかもしれません。
一方で、そのように思考してしまう背景に、進化の歴史があり、間違ってしまうことは仕方ない、ということもたびたび指摘していることから、最初から完璧を目指すのではなく、失敗したら、少し修正し、次の機会に備える、その繰り返しこそ豊かな人生につながる、ということなのだと思います。
▼本書は「思考の落とし穴」に陥らないためのリスト
「思考の落とし穴」とは、「合理的に考えたり、論理的で理性的な行動をとろうとしたりするときに、一定の法則にしたがって陥る推論の誤りのこと」
▼「社会の中で、一般的な考え方にしたがいながら生活するのは簡単だ。
孤立して、自分の考え方だけで生きることも難しくない。
しかし、偉大な人間とは、社会の中にいながらも
自立した考え方を保ち続けることができる人である。」
(ラルフ・ワルド・エマーソン(思想家))
▼人間というものは、そもそも論理的に考えずに間違いをおかしやすい。それは、すべての人に当てはまると考える。優れた知性をもちあわせている人ですら、同じ落とし穴に何度もハマりこんでは、試行錯誤をくり返している、こうした誤りは偶然に起こるのではない。ハマった落とし穴の種類によって、決まった方向に間違いをおかすのである。そのことを理解すれば、過ちを予測でき、ある程度、行動を修正することができる。それでも、あくまである程度にすぎず、決して完璧には修正できない。
▼わたしたちは生物学的には、原始人となんら違いはなく、どんなにブランドの服に身を固めても、脳をはじめとする肉体は、狩猟と採集をする人間にすぎないのである。変化したのは「人間そのもの」ではなく、わたしたちが暮らす「環境」のほうだ。
▼人間は「間違い」をおかすようにできている
①進化はわたしたちを決して”最善の状態”、つまり完璧にはしてくれていないのだ。つまり、わたしたちがほかの生き物よりも環境に適応している限りは、行動に間違いがあっても許される。
②人間の脳は、「真実を追求」するためではなく、「繁殖を目的」として機能している。
③「直感的な決断」は、それが完璧に合理的ではなくても、特定の状況においてこそ価値がある。
▼失敗してもそれほど大きな問題にならない状況では、論理的に考えるのをやめて、自分の直感に任せている。論理的に考えるのは骨が折れる。だから、大きな損害が出ない場面では、頭を使って悩まずに、間違いをおかすことを自分に許すのである。そのほうが生きやすい。わたしたちがそれほど大きな危険をおかさずに生きている限りは、わたしたちの決断が正しくても間違っていても、自然にとってはそれほど大きな問題ではないのだ。しかし、重要な場面では、どのような決断を下すべきかよく考えることが必要なのである。 -
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古代の世界では、指数関数的に時間の経過と共に数が増えていく状況はなかったので、直感で動くことは合理的な判断だった。
しかし現在では直感で動くと損をしてしまう事態が発生する。それは我々は古代から受け継いだ思考方法は理解しやすいが、指数関数的な思考を理解することは難しいためである。 -
肉屋の店員が「脂肪分99%カット」と「脂肪分1%」どっちを選ぶ さてどっちを選ぶか。現代この様な「話の穴・罠」が多くあり、選択によっては損得が明確にでることもある。権威の罠では「無意識のうちに権威のある人に服従してしまい、権威を信じるあまり、自分自身で考えなくなってしまう」など
本物の知識とは自分自身で体感することだと思っている。 -
私が過去に誤ってしまったものの理由がわかった。
後悔してもしようがないので、これから選択するときに間違いをなるべくおかさないようにしていきたい。 -
合理的にものを考えるのは、自分の幸福な生活を維持するため。そこは前作からぶれない筆者の視点。
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類著のThink Smartに比べると非常に中身が薄い…
読み手次第の本だと思う。 -
脳の死角について、今までにない視点からの見方。
また読みたい。 -
clearly、smartに比べると、私に深く響く部分は少なかった。
しかし、過剰行動のワナは非常に身につまされた。「動けば事態は好転する」と思いがちだが、そんなことはない(場合も多々ある)。
動かなくても確率は変わらないのに「かけた労力の分だけ報われる」と勝手に思い込み、いたずらに行動を取ってしまう。
積極性と成果に関連はない。気を付けよう。 -
すでに自分が分かっていることもあったが、なるほどとこれから生きていくためのヒントになる項目が沢山あった。
何かに迷った時はまたここに戻ってきたい。
物事は平均値に戻っていくようになっている。 -
少し、いや結構難しい内容の本ではあった…自分の集中力が足りなかったのかもしれないけど、
もう一度読み返して理解しなきゃだなと思う作品。
後半になるにつれ、興味深い内容が多かった。 -
先日読んだThinkシリーズ2冊が面白かったので購入しました。Thinkシリーズでは一番最後に発売された本書ですが、著者が一番初めに出した本の復刊とのことです。本書は「誤った先入観を捨て」よりよい選択をするための52の思考法が書かれています。
色々参考にすべき項目が多かったのですが、個人的には「もはや回収できない費用=サンクコストのワナ」については身につまされました。いわゆる「もったない」です。もったないと考えるのはとても良い事ですが、やはり時間のサンクコストはなるべく減らしたいと本書を読んで感じました。
著者プロフィール
ロルフ・ドベリの作品
