ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語

著者 :
  • サンマーク出版
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感想 : 65
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763138071

作品紹介・あらすじ

(編集中)

感想・レビュー・書評

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  • 「落語とは人間の業の肯定である」(立川談志)

    著者は慶応大学卒の元ビジネスパーソンという経歴を持つ。

    日本の伝統芸能の落語こそ現代人に必須もののであり、時代を生き抜くカギなのだと力説する。

    落語に出てくる人たちは失敗ばかりしている。

    欠点ばかりが目立っている。

    でも、落語はどんなでも人を否定しない。

    だからいいのだと。

    白か黒か。
    正義か悪か。

    そんなことばかりでは疲れてしまう。

    ま、そんなもんだよ。
    どっちもどっちだよ。

    処世術が身につき、毎日が楽しくなる。

    落語は、日本人の叡智を積み上げた重大な資産。

    吉田茂も渋沢栄一も、好んで聞いていたという。

    巨大な地下資源が埋まっているようなものであり、それを活かさないのはもったいないのだ。


    志ん生。
    文楽。
    小さん。
    談志。
    志ん朝。

    粗忽長屋。
    芝浜。
    らくだ。
    明烏。
    はてなの茶碗。


    Youtubeにはたくさんの宝が埋もれている。

    早速、談志と小さんの粗忽長屋を聞いてみた。

    知っている話なのに、抜群の面白さ。

    噺家が違っても、それぞれが醸し出す味わい深さ。

    そして、圧倒的な馬鹿馬鹿しさ。


    興味を持ったものから聞いてみる。

    再生回数の多いものもオススメだとか。

    歩きながらや家事をしながらでもよい。

    落語が染みこんで「落語脳」ができればしめたもの。

    こんな楽しみがあるのなら、STAY HOMEもわるくはない。

  • わたしが「まんじゅうこわい」を知ったのはつい最近のこと。父に「まんじゅうこわいを知らないの?」と驚かれ、YouTubeで観ました。日本人として、また話の骨を折らないためにも、身につけておくべき知識だとその時思いました。

    落語は江戸庶民の娯楽。共感をベースとした「笑い」です。お笑い芸人のネタに時折見られるような、“差別をしたり、相手をこきおろしたり、おとしめたり、一方的に傷つけたり”してとる「笑い」ではないところが、心温かくていいなと思います。落語に関係する日本の伝統芸能も学べるいい本でした。

    p24
    落語の起源は、江戸時代初期の1623年、徳川家光が第三代将軍に任命された年に作られた『醒睡笑』という「笑い話」を
    集めた作品集だといわれています。
    この作品に収載されている話は最後に“オチ”がついており、現在でも演じられている古典落語のいくつかの噺の元になっています。作者の安楽庵作伝は「落語の祖」といわれています。
    この安楽庵作伝という人物は、浄土宗の僧侶で、茶道にも精通した教養人でした。彼は豊かな教養をベースに、仏教の教えを滑稽にわかりやすく庶民に伝える「説教僧」として活躍します。
    『醒睡笑』は彼が仏教を広めるべく考えた「説教の題材ネタ」が詰まった作品で、いわば「仏教の聖書的存在」です。
    落語というと、「お笑い」のイメージが強いかもしれませんが、落語の元にかった『醒睡笑』は、実は仏教がルーツだったのです。

    p47
    落語の基本構成は「枕」「本題」「オチ」

    p70
    「前座見習い」「前座」「二ツ目」「真打ち」

    p108
    「歌舞伎の三大名作」として名高い「仮名手本忠臣蔵」「義経千本桜」「菅原伝授手習鑑」

    p121
    「能」と「狂言」のルーツは「猿楽」です。
    「猿楽」とは、平安時代に生まれ、南北朝から室町時代の頃に大きな発展を遂げた大衆芸能です。奈良時代にアジアの西域からシルクロード経由で伝わってきた雑芸「散楽」が元になっていると言われていますが確かなことはわかっていません。
    「猿楽」はもともと駄洒落などの「秀句」や「ものまね」「寸劇」など滑稽な演技を主とする芸能でした。それが鎌倉時代になると、滑稽な演技だけにとどまらず、ストーリー性のある演目なども演じられるようになりました。それらは「猿楽能」と呼ばれるようになり、現在の「能」へと発展していきます。

    p122
    室町時代の三代目将軍・足利義満の頃には、観阿弥や世阿弥親子が、義満からの支援を受け、「能」を完成形へと導きます。「猿楽能」に歌やリズム、舞などを取り入れ、より優雅で美しい「能」へと進化させたのです。

    p123
    「狂言」は能と同じく、日本の伝統的な「演劇」の一種です。能と異なり、喜劇的な要素が極めて強く、「笑いの芸術」と異名をとるほどです。

    現代では、「能」の演目と演目の合間に、狂言を演じるというスタイルが一般的になっています(能だけ、もしくは狂言だけをそれぞれ単独で披露する公演もあります)。
    「能と狂言が同じ舞台で、入れ替わり制で演じられる」という形式がいまだに多く見られるのは「同じ流れの中で生まれてきた」という共通項を持つからです。

    p126
    「文楽の演目(物語)を100以上も作り出した」として世界的に知られているのが教科書にも出てくる近松門左衛門という作家です、近松は「文楽」の前身である「人形浄瑠璃」の名作を多数世に送り出し、「日本のシェークスピア」と称されています。

    p130
    それに対し講談は、支配階級にあった武士に、武士の歴史や作法を伝える講義がルーツになっていると言われています。釈台に本を置き、歴史物語を読み聞かせるように武士に授業していたのが「講談」だったのです。
    国民的な人気を誇る時代劇『水戸黄門』(TBS系列)も、もとは「水戸黄門漫遊記」として江戸で人気を博した講談の一つでした。
    これらの講談は、それまで口伝で広まっていましたが、明治時代に「講談本」という形で一般にも広く浸透するようになります。その講談本の出版事業に携わっていた会社の一つに、現代の「講談社」があります。社名の通り、創業当初は「講談」を売っていたわけです。

    p131
    詳しく分類すると、講談は「軍談」「御記録物(ごきろくもの)」「世話物」
    という3つのジャンルにわかれます。
    ◆「軍談」・・・「太閤記」「太平記」などの合戦を描いたもの。
    ◆「御記録物」・・・「赤穂義士伝」「伊達評定」など将軍家や大名に伝わる記録、伝記のこと。
    ◆「世話物」・・・「白浪物」(「石川五右衛門」や
    「鼠小僧」のような泥棒の話)、「怪談物」(「四谷怪談」など)、「侠客物」(「清水次郎長」などのやくざの話)、「武芸物」(「宮本武蔵」など負け知らずの剣豪を描いたもの)、「お裁き物」(「大岡越前守」「水戸黄門漫遊記」など)。

    p183
    今の日本には、様々な「笑い」が溢れています。
    時折立ち止まって、「その笑いに“品”があるかどうか」を考えてみてください。
    差別をしたり、相手をこきおろしたり、おとしめたり、一方的に傷つけたりといった笑いが、本当に心を豊かにしてくれるものでしょうか。
    「人として共感できるかどうか」という指標で判断するのも、笑いの価値を測る一つの方法です。

    p213
    YouTubeで絶対に観るべき3人
    ◆立川談志(七代目)・・・「粗忽長屋」(面白さナンバーワン!)「芝浜」(談志が描写を変えて毎年のように公演してきた不朽の名作)「らくだ」「ねずみ穴」
    ◆古今亭志ん朝(三代目)・・・「お見立て」「愛宕山」「船徳」
    ◆桂米朝(三代目)・・・「百年目」(「桂米朝百年目」)

  • その道のプロが、素人に向けて読みやすく、わかりやすく書く、というのは簡単そうで意外と難しいと思う。
    著者が慶応大学卒と聞いて納得。
    ビジネス書の棚に置かれるのかと思うとちょっと悔しい。
    老若男女、誰にでもオススメしたい落語入門で、私も落語デビューしたい!!と、すっかりその気になりました。

  • この本は、落語について詳しく知らなかった私でも基礎知識から有名な噺まで知ることができ楽しく読み通せました。
    母国の伝統芸能を知るという意味でも落語について知っていることは有用だと思いますが、落語は単純に楽しめるコンテンツであり、楽しみながら教養を身に付けることができます。
    本書の最後に落語のYouTubeが紹介されていますが、これを機に落語をYouTubeで見てみようと思います。

  • 落語をわかりやすく解説してくれており落語への理解を深められました。最近落語に関心を持ちました。落語の歴史、噺の構造、名作古典落語の紹介などの内容で落語の基本を知ることができます。落語を知りたいと思う方にはわかりやすくて良いと思います。

  • 寄席に行くようになって、体感として落語の面白さを発見している。それに携えるかたちで本書を読むと、奥行きを見つけられるようになってくる。
    落語の歴史や構造、初心者の楽しみ方もわかりやすい。
    タイトルが最近の「教養としての」みたいな野暮ったなのが残念。

  • 理屈抜きで、落語が好き。より楽しむための、まさに教養が詰まった一冊。解説がとてもわかりやすい。

  • 有名な落語のあらすじ、楽しみ方。
    落語の用語など、分かりやすく書かれていておすすめです。今は動画で気軽に観られるので、解説を読んでから視聴すると理解しやすいです。

  • 出来る人は落語を共通言語に持っている!
    粗忽長屋や芝浜といった古典落語から現代のビジネスマンが学べることは多い。現在の日本に置き換えるという意識を持って落語を再び勉強したいと思わせてくれる一冊。過去の名人たちの人となりの紹介もあり、バックボーンを知った上で枕を聞くことでさらに面白みが増すような気がする。ただ、顔と名前を一致させるのは難しい。枝雀さんと談志さんしか顔がわからない。

  • なかなか楽しく読める。落語を含め日本の文化人情触れるきっかけになる。落語が好きな人、興味を持っている人にはおすすめ。蘊蓄も増える。

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著者プロフィール

■立川 談慶(タテカワ ダンケイ)
1965年長野県上田市(旧丸子町)生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、(株)ワコールに入社。3年間のサラリーマン時代を経て、91年に立川談志18番目の弟子として入門。前座名は「立川ワコール」。05年真打昇進。独演会を行うほか、テレビやラジオ、講演会などで活躍。
著書に『落語家直伝うまい! 授業のつくりかた』『談志語辞典』(いずれも誠文堂新光社)ほか多数。21年には『花は咲けども噺せども 神様がくれた高座』(PHP研究所)で小説家デビューも果たす。

「2022年 『落語流 教えない授業のつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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