Econofakes (エコノフェイクス)

  • サンマーク出版 (2022年12月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784763139962

作品紹介・あらすじ

経済学は、難解で抽象的な数式で提示されると、科学的で議論の余地のない真実のように見える。「科学」には普遍的な「法則」が必ず存在する。しかし、じつのところ、経済学の分野はそのような法則にもとづいたものではなく、ゆがんだイデオロギーによって導き出された「ウソ」で満ちあふれている。そして、これらの虚偽によって一部に権力や富が集中するシステムが正当化されているのに、私たちの多くはそのことに気づいていない。
応用経済学が専門の著者によって、本書では我々の生活と富の分配方法に大きな影響を及ぼしている経済に関する10のウソが解きあかされる。「資本主義とは自由市場と競争の経済」「社会の高齢化で年金制度は行きづまる」「雇用創出のために賃金を下げるのはやむをえない」など、社会システムの根本にまつわる「ウソ」について、経済の素人でもわかるように解説、最後には「ホント」が示される。世の中の常識と思われていることに疑問を持つことを教えてくれる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • ☆ブクログ1,430冊・夏場は復習期間R06-06-07Fri 芥川賞ハンチバック・コンビニ人間の英語・幾何まとめ

    ☆経済学を自然科学(国民の人気取り、政争の具とは無縁)と思い込ませる戦略は見事!本国スペインでは白い目で見られている経済学者(他のブクログのコメント)

    経済学は客観的ではない。何が良いか悪いか、主観的な判断に基づいている。
    Econofakes 日常に潜む経済学の嘘を暴く
    1分配の嘘
    2×経済学が言う事は科学的であり、疑問を挟む余地は無い。
    3×経済は自律的システム
    4×競争が促されイノベーションが生まれる。
    5×賃金や利益は生産量に応じて決まる。
    6×通貨は単なる交換の媒介物である。銀行は単なる仲介役
    7×失業者が生まれるのは高すぎる賃金や労働者の権利のせい。給与は企業にとって単なるコスト
    8×公的年金制度が維持できなくなる。
    9×保護貿易よりも自由貿易と競争の原理でみんなが潤う。
    10×政府による財政支出は悪影響を与える。

    食料、モノの本当の問題は分配できていない事。
    希少性だと勘違いさせる戦略 価格の釣り上げ 何が、誰にとって、何のために、なぜ、不足するのか?

    1968年スウェーデン国立銀行300周年でノーベル経済学賞設立
    国立銀行の幹部は当時、国内で最強の政治勢力、社会民主主義政党と論争→国立銀行が金融政策を正当化するため
    塩素とナトリウムの混合物が塩化物になるか塩素酸物になるのかを国会で議論しないのと同じ
    中央銀行が金利水準や通貨量について科学的な措置を取る場合は、議論は不要との印象操作
    他の偉大な科学と同等の名声を得ているかのようにカモフラージュ
    受賞した経済学者が主張するイデオロギーの潮流がお墨付きを得て、高く評価される。
    既存の秩序を正当化し、社会の変化にブレーキをかけている。

    需要と供給のクロスするグラフ→×市場で起こっている事は、法則に則って自律的かつ機械的に調整されている。〇ケースバイケース ☆このグラフは株式取引なら成立するか?人気投票だから?
    価格が自動的に設定されるという考えで得をする人がいる→価格を決定するのは、生産者と消費者の交渉力

    完全競争市場は理想
    アメリカ政府の住宅部門への財政支出は不動産業界の総取引高の6分の1 市場価格を歪める
    1社で世界のダイヤモンド取引の75%☆英国のアフリカ征服を象徴する風刺画描かれているセシル・ローズ/ダイヤモンドの婚約指輪の相場はデビアス社が決定・婚約指輪は給料の三か月分」という有名な相場/三か月分は日本のみでフランスは二か月分、南米の国は一か月分/デビアス社は日本での婚約指輪の相場を他国よりも高い水準にすることに成功/2017年6月デビアス(DE BEERS)は日本における店舗戦略を見直し日本市場から一時撤退
    2社で穀物取引の4分の3☆首位の米カーギルが自社で調達する穀物は年約7500万トン/2位の米アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)は約6500万トンと推定
    3社でコーヒー市場☆ネスレ…
    5社でタバコ市場
    6社でレコード産業
    4社で食料品70%
    10社で製薬市場の50%
    鶏卵の半分と七面鳥の半分 ヘンドリックス社☆鶏卵技術を抑えている会社?自然に卵を産ませるだけなら大量供給ムリか?

    資本主義における自由市場が招くのは、富の集中

    2人の生産者が100キロのじゃがいも→Aさんは競争の激しい市場でキロ当たり2ユーロ、Bさんはキロ当たり4ユーロ→価格が違うために生産物の貨幣価値が異なる。労働者の貢献度に応じて賃金が定められるは嘘

    ×労働者は常に労働可能な時間を働いて相応する賃金を受け取る。あるいはその時間を余暇に充てるかを自由に選択できる。失業者が存在する理由は、労働者が賃金をもらって働くより遊んで過ごす時間を選択しているから。
    ⇒失業者が減る好景気に比べて、失業者が増える不景気の時期にゴルフクラブ、レジャー、クルーズ船の売り上げが上がるはず。

    「他の条件が一定ならば」なんてありえない 賃金は労働者と資本所有者との交渉力で決まる☆賃上げするためには、労働者が会社の経営状況を知る必要あり・バカは財務状況理解できず・資本論で「賃金は飢えずに衣食住があり子供の教育に回せる最低限の金を渡す」だったハズ

    ×通貨は単なる交換手段→〇通貨は権力 通貨は一種の共同幻想だと定義する経済学者もいる。
    ×通貨は中立的なもの→〇銀行は何もないところからお金を作り出している(銀行の融資) 強大な権力

    1920年代投機的なものにまで銀行が融資するビジネスモデル→バブルが1929年株式市場大暴落
    →商業的業務と産業投資関連業務を明確に分けなければならない法律→銀行は安全な融資のみ
    →1980年代90年代 制限が解除
    →2007年にリーマンショック

    地球上に流通するお金の90%を作り出して世界を支配している銀行の力を隠す人々
    経済が必要とするお金はどうしても不足してしまうと思い込むように仕向ける。
    金利を課す事を正当化できる☆銀行窓口は無知高齢者、クレーマーで業務に支障のイメージあり・カスハラが特に注目されているR06-06-09Sun
    融資をするたびに通貨を作り出せるほぼ無制限の力

    需要量と価格の逆相関は、経済学の主要な命題 労働組合が賃金を高くしようとすれば失業の一因となるとの主張

    1945年から70年代 賃金上昇・雇用が増加☆企業によって賃金を抑制した方が都合が良い
    経済成長の歩みを遅らせる賃金引き下げ
    賃金が上がれば、財とサービスの需要が高まる。そうなって初めて企業は技術革新に投資するインセンティブを持てる。

    スペインの例 人口推移の予測する事の難しさ、人口推移が年金に及ぼす影響、30年40年後の人口を正確に予測できない☆移民政策で方針が180°転換もあり得るからか?スペインは予測不可だが、日本は予測可能か?

    年金制度の破綻に関する研究費用は金融機関から出ている
    年金を支払う受給者の数ではなく、経済が生み出す富や生産量、収入に左右される。
    嘘を信じて利益が小さくてリスクの高い民間の年金基金にお金を回す人増加→民間銀行の巨大ビジネスチャンス

    自由貿易など存在しない。
    経済成長と市場開放度は反比例 強い立場の国が都合が良い制度設計☆スポンサーに自分の都合の良い事を流しイメージ戦略するTV

    コロナ対策で、政府支出は有効だった
    インフラ、基礎研究、教育、公営企業、ケアエコノミー→富や生産的な経済活動が生まれるなら、公共投資自体が支出しただけの額を生み出している事になる。

  • 大学1年生の講義で入門的な経済原論的なコースの副読本として最適。
    学生だけじゃなく大人の、自分のような経済学素人でもわかりやすくてタメになる本。
    保護主義最高、労働組合最強など、ちょっと左派の論客が喜びそうな論が並ぶけど、基調となるのは「経済学は、科学的でも客観的でも中立的でもない」という過激な主張。
    案の定というべきか、母国のスペイン経済界からは白眼視されてるらしいが、読んでると”なるほどなぁ"と感心させられる指摘がスバスバと胸に刺さって、もし経済学部に入ってこの本読んでたら絶対変更届出していたと思うほど。

    初っ端の「ノーベル経済学賞は実は”ノーベル賞”ではない」というジャブからして強烈。
    ノーベル経済学賞なんてのは存在しない、と。
    どういうことかと言うと、この賞はノーベルさんの遺言によって創設されたんじゃなくて、実はスウェーデン国立銀行があとからつくりあげた賞で、それも単に記念事業的に見栄からやったというより、かなり腹黒い計算が隠されていたというから面白い。

    とにかく本書はタイトルの通り、経済学の10の嘘を暴いているんだけど、普通と違うのは、なぜ嘘をつくのかという動機や目的をきっちり明かしているところが凄い。
    「経済学は、最も豊かな社会的集団をさらに豊かにする政策提言を正当化するために、仰々しい数学と抽象化という衣をまとったイデオロギーになってしまった」と語るように、主な動機や目的は以下の3つに集約されると思う。

    ・「自分たちの特権的な地位を維持したい」
    ・「外部からの干渉を遠ざけたい」
    ・「これから取る政策の方便として利用できる」

    「外部からの干渉を遠ざけたい」という動機でなされた嘘はそれこそ、「毎年優れた経済学者にノーベル賞が授与されています」っていう嘘だろう。
    「スウェーデン国立銀行は最初から、ノーベルが創設した賞の一つであると誤解されるように綿密に計画した」というようにかなり周到な嘘だった。
    が、銀行側からしたらそうしないとすまない、止むに止まれぬ事情も透けて見える。
    1960年代後半、時の政権は北欧ならではの福祉政策を最重視する社会民主労働党。
    自身の政策を実現するため国立銀行にあれやこれやと干渉を繰り返してくる。
    独立性を堅持したい中央銀行の幹部たちは、そこである秘策を思いつく。
    金融政策は、独立した専門家集団が、他の干渉を受けずに決定すべきだという論調に、国民からの支持を集めるためには、経済学を物理学や化学、医学に匹敵する科学であるというオーラをまとう必要がある。
    そこでノーベル財団に擦り寄ったのだ。
    はなから誤解させる目的で生まれた賞だから、「経済学が何十年にもわたる実証や実験を通して名声を得てきた他の偉大な科学と同等の名声を得ているかのように、カモフラージュした」のだ。

    だもんだから、人間に利益をもたらした研究に対して授与するというノーベルの遺志に反することも起きちゃう。
    例えば、世界的な経済危機を引き起こす金融派生商品に関わる研究に授与されたり、同じ年に同じ経済問題について全く逆の主張・提言をした学者に賞を与えたりすることも起こったのだ。

    「スウェーデン国立銀行の巧みな戦略は、経済学があたかも科学の分野で一定の地位を得ているかのように人々に思い込ませる決定打となった」

    あたかも客観的、中立的、科学的な判断をしていると思わせ、自分たちが下す決定を、素直に受け入れさせる目的で創設された賞だなんて、知ってました?
    いや、まったく知りませんでした。

    「これから取る政策の方便として利用できる」という動機でなされた嘘は、経済学の初歩として誰でも習う、「財とサービスの価格は需要と供給の法則によって決まる」というあれだ。
    お馴染みの「需要曲線」とか「供給曲線」の2本のカーブが交わる点が「均衡価格」で、これこそ企業が売りたい(売ってもよい)・消費者が買いたい(買ってもよい)価格なんだ、と。
    これも実は法則ですらなく、現実的に不可能な条件や前提に基づいたものであることをキッチリ証明してみせた後で、ではなんでこんな嘘が必要なのかを説明してみせる。

    「市場で起こることは法則にのっとって自律的かつ機械的に調整されている」とすることで、外部からの介入を避けるメリットもあるが、同時に次のような方便としても使える。
    例えば、最低賃金を上げるべきだとかいった主張に対しては、「人為的介入は法則に反することであり、市場に修復不可能な大きなダメージを与えかねない」と返し、労働者を解雇をしやすくしたり、土地取引の自由化を促進したいなと思えば、「市場が適切に機能するために必要な措置だ」と言って、主張を通すことが出来る。
    財の価格は需要と供給の法則によって自律的に決まるのだから、外部からむやみに干渉して阻害してはダメで、流れを補佐するように務めなければならないという実に都合のよい論理を用いて「知的な詐欺」が行なわれているのだ。

    「自分たちの特権的な地位を維持したい」という動機でなされた嘘はほぼ10個すべてに当てはまるが、強いてあげれば「自由貿易は保護貿易よりメリットが大きい」という嘘だろう。
    保護貿易の方が経済をよくすることを知りながら、先進国は途上国に自由貿易を強いている。
    というより、そもそも自由貿易など便利なフィクションに過ぎず、絵空事に過ぎないのだが、富裕国は自国の権益を侵されまいと自由な競争を賞揚している。

    とにかくこれら10の嘘が、国民のなかで極めて効果的に作用しているのは、我々があらゆる経済活動に対して、家計を中心にして類推してしまうためでもある。
    最初に収入があって、その後に支出が発生するという順番で、ついつい物事を見てしまう、あの考え方だ。
    しかし実際は、企業だろうが政府だろうが、まず支出をして、その後で収入を得ている。
    企業ならまず資本財を仕入れて、それを使って商品を作り、それを売ってようやく収入を得るように、国も同様に政府支出が先行する。
    だから、政府支出の財源として徴税は不可欠だという論調はまやかしなのだ。
    銀行が貸し出すお金も、顧客の預金から出ているわけではなく、銀行は何もないところからお金を作り出している。

  • 2023年3月号

  • 途中でリタイア

    経済学の定説や常識を取り上げてそれはうそだ、真実はこうだと解説してるんだけど。
    ・論理展開や結論が腑に落ちない
    ・ただの言葉のあやの問題では?
    と思う場面があったり
    ・そもそも取り上げるテーマ、トピックに惹かれない

    といった感じであった。

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著者プロフィール

1954年、スペインのグラナダ生まれ。セビリア大学応用経済学教授。数多くの科学書や実用書の著書があり、いくつかはベストセラーとなった。同大学ではさまざまな要職を歴任し、あらゆる種類の機関や社会的組織に協力している。「コミュニケーションの経済学」や「法の経済分析」などをテーマにした著作や現代の経済問題や近年の経済危機について扱った著作が注目されている。『Economíapara no dejarse engañar por los economistas(仮邦題:経済学者にだまされないための経済学)』(Deusto、2016年)など著書多数。

「2022年 『Econofakes』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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