元カレごはん埋葬委員会

  • サンマーク出版 (2023年12月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784763140968

作品紹介・あらすじ

金曜夜、二十二時。場所は喫茶「雨宿り」。
食べると元彼の顔が浮かぶけど、お蔵入りさせたくないあのレシピ。
また、作れるようにいたします。

「女を振る場所によりによってラブホをえらばなくたって
いいでしょうが、ばかー!」
29歳、4年付き合った彼氏にフラれた、
クソ重くてめんどくさい女、桃子。

国宝級のイケメンだけど、
実は忘れられない彼女がいる店長、雨宮伊織。

親との関係に複雑な思いを抱えながら
近所の寺、星山寺で修行する僧侶、黒田穂積。

金曜夜、二十二時。場所は喫茶「雨宿り」。

元彼の好きだったあのレシピ、
成仏させて、
また作れるようにいたします!!

泣いて、泣いて、みんなと話して、
泣き止んだら、
あのご飯を作って、一緒に食べよう。

感想・レビュー・書評

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  • 結城桃子が彼氏にふられて、グダグダに酔っ払い飛び込んだのは、喫茶店「雨宿り」。
    イケメン店長の雨宮伊織のいるこの店で近所のお客・坊主頭の体格のいい黒田が、カレーとクリームソーダを食べている。
    あぁ、カレーね。

    ふられた彼氏が好きだと言ってくれてたらチキンカレーを思い出し、注文し食べるが…⁇
    もしかして私の味覚がおかしいのか?
    私が作ったカレーを無理して元彼は食べてたのか⁇
    モヤモヤのなか、今から自分が彼が好きだったカレーを作るから食べてくれないかと?

    …2人とも美味しいと。
    元彼を見返すためにもこの店で新メニューとして出すことに…とこんな流れでお蔵入りさせたくないレシピが登場することになる。

    全8話あるが、イケメン店長の話や黒田さんの話もあり、けっこうキツめの過去がわかる。
    だけどみんな言葉に出して誰かに伝えることで気持ちが軽くなりスッキリし、誤魔化して生きるのをやめようとなる。

    桃子の喜怒哀楽に最初はついていけるかなぁなんて思ったけれど、この取り繕うことのない素直さがいいのかもしれないと思った。
    だからみんな喋ってしまうのかも。

    レシピつきなところもいい。




  • ノリよく軽く読めちゃうのに、度々、おっ!と思うことを言っているので不意打ちをくらった感じになる。

    奇跡的な展開によって絡まった糸が解れて元サヤか?!と期待してしまう話もあったけと、基本みんな埋葬される。うまくいかないのも人生だなー。
    元カレ元カノとは関係ないけど、黒田さんの話が辛くてしょっぱかった。

  • もう、全部◎!!こういう本を待っていた!
    物語も面白いうえに、作中に出てくる料理のレシピがしっかり掲載されているっていうことにかなり感動しました!
    いつも美味しいものが出てくる小説を読むのが好きですが、レシピがちゃんと載ってるのは見たことなかったので、マジで!?レシピついてるじゃん!と喜びの雄叫びを上げました。
    読者の気持ちを良く理解している素晴らしい作者さんだ!と、すっかりファンになりました。
    他の本も読んでみたいと思います。
    その前に…このレシピで料理を再現して、食べるところまで、まだお楽しみが残っているっていうのが、本当最高〜!

  • 激レアさんで知り、渋谷の天狼書店で元カレの好きだったバターチキンカレーを食べた時に読みたいと思い購入。
    思った以上に優しく、人間味満載の物語だった。誰でも一つは心の奥にしまってるものがあり、人には理解されないだろうと悩みがある。それを吐き出して、ゼロにしてもいいし、心の中に留めてもいい、どんな人の生き方も肯定してくれる。
    どの物語も最後自分自身で決めた道に進んでいく人たちを見ると自分も頑張ろうと思える話だった。

  • わ~、これ面白かった~♪
    失恋駆け込み寺的な喫茶店と美味しいご飯。
    これは面白くない訳がない!

    明るく楽しく読めておもしろいうえ、鋭い言葉に「なるほどなぁ」と思えたり共感できることもあって良い意味で予想外。
    もっとサラサラ~っと軽い感じだと思ってました。(読みやすいけど思ったよりも深い)

    喫茶「雨宿り」のイケメン店長、クリームソーダ好き常連の修行僧・黒田さん、そして「元カレごはん埋葬委員会」会長で発足の切っ掛けを作ったももちゃん。
    みんな個性的なうえに魅力的。
    このメンバーのわちゃわちゃした会「元カレごはん埋葬委員会」に参加したら元気でそう!

    特別好きだったのは、
    第4話「おばあちゃんの秘密のおにぎり」
    相手を思いやる心にキュンとしたり、じんわり心温まりました。

    でも他の章もどれも面白かった。
    ある章での言葉、
    『強烈に尊敬できる何かを一つ持っているだけで、一瞬で恋に落ちてしまったりするものだ』
    わかるなぁ。

    それにしても本当にみんな色々ある。
    思い出の詰まった切なくて美味しいご飯をみんなで食べて、大好きな人への想いに訣別する。

    失恋に限らず感情に蓋をしちゃわないで、格好悪くても思いっきり泣いたり愚痴ったり、“苦しい”や“悲しい”感情を吐き出すって大事だと思う。

    これシリーズ化して欲しい!
    映像でも見てみたいな~。
    章の終わりごとに美味しそうな元カレごはん
    レシピが載ってるのもいい。
    これは恋愛だけにとどまらない良い言葉がたくさんあって、付箋いっぱい付けちゃいました!

    最近失恋した人も、恋にお悩みの人も、読んで元気を出してください。

    『何歳になっても、「めんどくさい」をやるべきときには、やらなきゃダメなんだって、思ったよ』

    『みんな、自分の痛みを、自分の苦しさを認めるのが、上手じゃないのだ。
    日々、一生懸命、真面目に生きている人ほど、傷ついていないふりをする。大人のふりをする。めんどくさい人間じゃないふりをする。すぐに切り替えられる自分のふりをする。
    そうしないことには、まともに生きていけないからだ』

    『大丈夫やって。自分の好きを、自分で守れる人やもん』

  • 主人公の人柄が大好きになった!
    どこか不器用で、好きな人には一生懸命で、人情深いところもありのアラサーの桃子。
    今の若い人ってシュッとした人ばかりのイメージだけど、この人はそんな感じでもなく。

    誰かの失恋を癒すために発足した元カレごはん埋葬委員会。
    喫茶「雨宿り」に訪れるお客さんは、
    桃子と同じくらいのアラサーの女性や、
    奥さんを亡くした近所のおじさんだったり。

    桃子やイケメン店長たちの委員さんの目を通して写るそれぞれの恋愛模様に心が洗われる気持ちになった!

    小説って映像作品と違って、
    著者の主観を表現しにくい媒体だと思うけど、
    喫茶店のお客さんの失恋を埋葬するというアイデアがこの本を面白くしているんじゃないかな?

  • 題材がユーモアがあって良い!引き込まれるタイトルである。好きだった人といっしょに食べたものとか、好きだった人のためにつくったものって印象深いよね。埋葬することで、前向きに生きる。個人的な好みで言えば、もっと作ってる描写を多く入れたほうが好き。さらっと読めるので読者初心者にもよい。

  • タイトルと表紙と目次が気になって購入した。
    この目次は面白い。これは買うでしょ。全話読んでみて、全てが失恋の話ではないにしろ、各話のタイトルとキャッチコピーのつけ方に無理矢理感がなくて、上手いなあと思った。でも明るくてコミカルなノリで、計算高さみたいなのを感じさせない。

    ドラマ化も漫画化もしやすそう。ドラマ化が物凄く向いてそう。キャラ立ってるし、イケメン出てくるし、1話完結だし。

    全話とも読後感が良い。正直、ここで書かれている恋愛観にはあまり共感しなかったんだけど、それでもずっと面白かったからそれはそれで凄い。
    実際のレシピが載っているのも面白くて、ストーリーだけでなく、本として良いものになるように愛情を込めて作ったんだなと感じた。

  • 押しは強めな主人公だけど、作品全体としてのコンセプトは受け入れる、だからバランスが良い

    2024.8.9
    114

  • めちゃくちゃにエネルギーと未来が詰まってる小説だった。シリーズ化して欲しいし、深夜ドラマ化してほしい。いや、おそらくもうドラマ化の話は進んでいると見ている。

  • 思い出のご飯って、良くも悪くもみんなあるんじゃないだろうか。昔の記憶を思い起こすような、なんでそれ?みたいなものが。
    元カレごはんの"埋葬"なので、どのお話もいわゆる復縁したり再度話し合って…みたいな結末ではないけれど、今より前に進めるような、もしくは少し休憩させてくれるような雨宿りの空間がとても良かった。桃子、店長、黒田さんのバランスも。人の話を聞いていっしょに泣いたり怒ったりしてくれる桃子さんのような人がいることで救われることもあるんだろうな。

  • タイトルが面白そうなので手に取った本。
    相手に好かれたりよく見せたいために色んな
    フリをする。それでもどんなに頑張っても
    上手くいかない時は上手くいかない。
    そういったのもいいカッコをしたいがために
    またさまざまなフリを継続して自分の中に
    溜め込んでいく。そんな溜め込んだものを
    自分も含めラブホで振られた三十路の桃子が
    自分のことのように聞いてくれてレシピと
    一緒にその溜め込んでいたものを
    埋葬してくれるなかなかいい話でした。
    どの話も出てくるご飯は美味しそう
    でエピソードも面白かったですが
    個人的には本屋の木村さんの夫婦の
    お互いを思う気持ちが素敵だった話や
    イケメン店長の一途な思いの話、
    東大卒の修行中のお坊さんの気を使いすぎて
    今まで言えなかった本当の想いの話なんかが
    なんかグッときた。

    なんかいろんな人たちと出会い埋葬し、
    最終的には上手に桃子のレシピも
    埋葬できた感じなのでよかったかな。

    こんな素敵な三人のいる「雨宿り」、
    楽しそうなので行ってみたいです。

  • 料理のレシピが書いてあるのが良かった。主人公のキャラが、ドタバタコメディを連想させて、アニメならもっと面白いと思った。読む年齢にもよるのかな。

  • 恋愛小説かと思ったら、アオハル小説も兼ねてた。
    こんなにしんどい思いしてまで何で恋愛するんだろうと思うけど、そうしなければいけないある種の不器用さが、いつか覚悟に変わっていくのかもしれない。
    その成長と落ち込みの間に、皆んなで卓囲ってご飯食べて元気になる。
    エネルギーをもらえる一冊でした。

  • 生きる時に迷ったら読みたい本。
    食べ物とか場所は誰とという面が強く残るんだなと改めて感じた。
    恋愛だけではない大人の青春を。

  • みっともなく泣いてすがって全力で愛しても届かない想い。元カノ元カレの思い出を浄化してくれる「雨宿り」。他人の失恋であそこまで泣いて共感できる桃子は優しいなあ〜

  • 自分の気持ちを言葉にしてくれて私はこういう気持ちだったんだと霧が晴れたような感覚。
    そしてこの考え方は1人じゃないって言ってくれて当に私の欲しい言葉が詰まってる。

  • 100点満点!面白すぎ♪
    恋愛、ご飯、つきものですね

  • 料理で本心をぶつかり合う爽やかな短編集。ヒロインの桃子ずっと爆走してるし、爆泣きしたし、愛おしい。店長さんと黒田さんの物語で泣きました。

  • 失恋って多分すごく辛いけど、それを料理を交えて埋葬。めっちゃ前向きになれるやん。

    店長と黒田さんのキャラがしっかりしてて好きww
    特に店長、店長のエピソードの前後でやや変化があり、後半の店長はもはやかっこ良かったです。

    各話で出てきた料理のレシピが実用的!だけど結構手間暇かけた感じの内容だから、上手く作れない自信しかないww

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著者プロフィール

1992年、東京都生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。
ライター。 ライティング・ゼミ講師。
天狼院書店スタッフとして、売上戦略管理・企画編集・マーケティング業務を担当。
「川代ノート」のWEB記事「美容院で髪を切られすぎるとどうしてあそこまで落ち込んでしまうのか」(累計72万P V)、「親にまったく反抗したことのない私が、22歳で反抗期になって学んだこと」(累計44万PV)、「世にも恐ろしい女子ヒエラルキー」(累計33万PV)、「元彼が好きだったバターチキンカレー」(累計27万PV)等で人気を得る。
2020年に個人事務所を立ち上げ、フリーランスライターとしても活動中。
2021年、テレビ朝日系「激レアさんを連れてきた。」出演で話題に。

「2022年 『私の居場所が見つからない。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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