- サンマーク出版 (2025年3月26日発売)
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感想 : 4件
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784763141491
作品紹介・あらすじ
これは、“ほんとうに必要なもの”をみつける旅。
イギリス発、世界中で読まれている「希望の物語」。
「なにかが たりない気がするんだ」
なかよしのふたりは、あたらしい旅に出る。
しかし、途中で嵐にみまわれ、
大海原で身動きがとれなくなってしまう。
すっかり弱気になったドラゴンと、
なにあってもあきらめないパンダ。
そして、ふたりがたどり着いたのは……?
「だいじなのは 行動すること。
ときには おもい腰をあげて
なにかを変えないといけない。
川をわたって 旅に出かけよう」
“『くまのプーさん』のような素敵な物語。
現代を生きるための深い知恵の宝庫”
——英・大手紙『ガーディアン』
インターネットで火がつき、瞬く間に書籍化され、
世界中でベストセラーとなった
『大きなパンダと小さなドラゴン』の作者による
待望の新刊が、ついに日本上陸。
水墨画のような、美しい絵。
深淵で、やさしい台詞たち。
イギリスの作家が描く、特別な空気感をもった作品です。
大きなパンダと小さなドラゴン、
ふたりの冒険の旅は、
“人生において大事なこと”を教えてくれます。
自分への贈り物はもちろん、
大切な人へのギフトにもおすすめです。
感想・レビュー・書評
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物語が色んな場面があり大満足の一冊でした。
困難や悲しみに直面したり、助けてくれる友達がいることに感謝したり、大きなパンダと小さなドラゴンが成長してくことが楽しいです。
頑張って!って応援したくなります。
再読しながら、素敵な言葉を胸の中であたためようと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こわくても、生きていく。
こわくても、前に進む。
そうすれば、きっと美しいものに出会える。
そんなふうに思いました。
ありがとうございます。 -
概要: 本書は、大きなパンダと小さなドラゴンという二匹の友だちが、失われた日々の中で立ち止まらず、一歩踏み出すことの大切さを描いた物語です。古いお寺で暮らしていた二匹は、満たされない気持ちを抱え旅に出ます。道中、自然の美しさや厳しさ、出会いと別れを経験しながら、自分自身と向き合い、大切なことに気づいていきます。困難な状況においても希望を失わず、前向きに生きる姿勢が読者の心を温かくします。
主なテーマと重要なアイデア:
変化と前進:
小さなドラゴンは現状に満足できず、「なにかが たりない気がするんだ。どうしてなのかな? 」と感じています。
大きなパンダは、「問題があっても 立ちどまってはいけない。それは いまとちがう道を いったほうがいいっていう 合図なんだ」と諭し、変化を促します。
「どこにたどりつくか わからなくても じっとしているより 変わったほうがいい」というパンダの言葉は、変化への恐れよりも行動することの重要性を示唆しています。
心のケアと内面の成長:
「心というのは 庭ににている。いつも気にして 手をかけてあげないと いけないんだ。そうじゃないと 雑草だらけになってしまう。雑草がおおすぎると 花はそだたない」というパンダの言葉は、心の状態を維持し、成長させるためには意識的なケアが必要であることを教えてくれます。
旅の途中でティーセットを失った小さなドラゴンは深く悲しみますが、それを通して本当に大切なものが自分の中にあることに気づきます。「ほんとうに必要なものは……もう きみのなかにあるよ」。
困難な状況における心の持ちよう:
激しい嵐に遭遇し、海に流されて絶望を感じる小さなドラゴンに対し、大きなパンダは「ここは ぼくたちがえらんだ場所じゃない。でも、ここが ぼくたちのいまいる場所なんだ……一瞬だけでもわすれて まわりをみれば みたことのないような うつくしい景色が 目のまえにひろがっている」と、状況を受け入れ、今あるものに目を向けることの大切さを説きます。
「迷子になったとおもったなら 目をとじてごらん。そして いかだに打ちよせる波の音を きいてごらん。肌をてらす太陽や 顔にあたる風を 感じてごらん。きみはいま ここにいる。だからもうすぐ じぶんじしんを みつけられるよ 」というパンダの言葉は、どんな状況でも自分自身を見失わないためのヒントを与えてくれます。
シンプルであることの価値:
新しい土地で食料を見つけた際、小さなドラゴンは「たべものや のみものがあることに こんなに感謝の気持ちがわくなんて かんがえたこともなかった」と語ります。
大きなパンダはそれに対し、「こうして あらためてみてみると 単純なものが いちばんのしあわせを はこんできてくれるなんて」と応え、日常のささやかなことの中にこそ幸せがあることを示唆しています。
失われたものと新たな始まり:
古いお寺に戻れないことを知った小さなドラゴンは悲嘆に暮れますが、大きなパンダは「ここは あたらしい世界なんだ。きたこともないし どこにももどれない場所なんだ」と告げ、過去への執着を手放し、新たな始まりを受け入れることを促します。
「小さなドラゴン、水が 岩をよけながら ながれているのが みえるよね? ながれをじゃましているものがあるけど 水は 目的地にむかって やさしく ながれつづけている。ぼくたちだって おなじようにできるよ 」というパンダの言葉は、困難を乗り越え、目標に向かって進むための柔軟性と忍耐力を教えてくれます。
喪失と受容:
友だちや家、そして大切なティーセットを失った小さなドラゴンは、「でも、ぼくはいま それをどうやって受け入れるかを まなんでいるんだとおもう」と語り、喪失の悲しみを乗り越え、受け入れていく過程を描いています。
壊れたカップに光が差し込む様子を見た小さなドラゴンは、「とてもつらい時期があったので きずついたように感じていた」「でも、このきずがあるから――光がみえるんだ」と語り、傷や困難もまた、新たな視点や希望をもたらす可能性があることを示唆しています。
友情と支え合い:
旅の途中で困難に直面するたびに、大きなパンダと小さなドラゴンはお互いを励まし、支え合います。「いいことも わるいことも ふたりでわかちあえば もっとなかよくなれるし たすけあえる」。
「生きているかぎり……だれにでも まちがいはあるし、迷子になることもある。そういうものなんだ。でも、いっしょにいれば たすけあえるし すすむべき道をみつけられる」というパンダの言葉は、困難な時こそ、共にいることの重要性を強調しています。
訳者あとがきからの重要なポイント:
本書は「希望と再生の物語」であり、人生の困難な旅に出かけようとしている人や、道に迷ってしまった人に向けられている。
不安や辛さ、行き詰まりを感じた時だけでなく、順調に進んでいる時にも開いてほしい。
物語を心の中に増やすことは、人生を豊かにする大きな秘訣である。
訳者自身もパンダとドラゴンに励まされた経験がある。
著者あとがきからの重要なポイント:
本書は、ターネットで公開するために描いたイラストと対話をまとめたもの。
「自分をとりまく環境や自分自身とたたかう旅」というコンセプトに心を惹かれている。
成功物語だけでなく、苦悩を認め、そこから始まるスピリチュアルな旅を描きたかった。
物語のアップダウンは、著者自身の経験や知り合いから聞いた話を反映している。
登場人物の心の状態が風景描写に反映されている(暗い気分だと世界は不毛に見える)。
イラストでは、物事がうまくいっている時は左から右へ、そうでない時は右から左へキャラクターを動かしている。
新しい世界に足を踏み入れる際には、別の絵の具を使用し、「すべて」が違う感覚を出している。
冒頭の鳥居は、日常的な世界からスピリチュアルな世界への入り口を象徴している。
読者が小さなドラゴンの葛藤に共感し、変化は可能であり、忍耐強く取り組めば良い方向につながるという慰めを見いだせることを願っている。
本書は、美しいイラストと心に響く言葉を通して、人生における変化、困難、喪失、そして希望について深く考えさせられる作品です。パンダとドラゴンの旅は、読者自身の人生の旅を照らし、一歩踏み出す勇気を与えてくれるでしょう。
