- サンマーク出版 (2025年3月28日発売)
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感想 : 17件
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784763142092
作品紹介・あらすじ
謎の怪奇事件に巻き込まれる学生たち。
変わり者の心理士が真相に迫る「臨床心理学×ホラーミステリー」
――僕、怪異譚は好きだけど、
臨床の現場に出ているときはすべてを信じないよ。
なんとしてでも理屈をつける。
科学に基づかない医療は危険でしかないからね。
星森大学心理学部臨床心理学科の教員、佐伯翼。
趣味で怪談を蒐集する変わり者。
佐伯ゼミの学生である多度結良と沖山修一が、
謎に満ちた怪異事件に次々と巻き込まれ……。
心理学の知識とカウンセラーの観察眼で、不可思議な事件の謎を看破する。
結良はボランティアで参加した施設で「山で幽霊を見た」という
女子高生と出会う。女子高生の心の傷、
そして“幽霊”の正体とは?(――秘密)
「毎晩この部屋で亡くなったおばあさんが現れる」と怯え、
引きこもりになっている大学生。
“心理的瑕疵物件”であるその部屋には
すべてを覆す「嘘」が隠されていた。(――優しい嘘)
7つの連作短編、
そして最後に明かされる恐怖とは――。
現役の大学教員であり、怪談蒐集家が描く
臨床心理学×ホラーミステリー、ここに開幕!
みんなの感想まとめ
心理学とホラーが交差する不思議な世界観が魅力の一冊。現役の大学教員である著者が描く連作短編では、臨床心理学の知識を駆使して、学生たちが怪異事件に挑む姿が描かれています。主人公の佐伯とゼミ生たちが直面す...
感想・レビュー・書評
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楽しめた、臨床心理学×ホラーミステリの一冊。
怪談蒐集家でもある著者の知識諸々が存分に詰め込まれている短編集は想像以上にサクサク読めて楽しめてハマった。
主人公の大学教員の佐伯とゼミ生の学生2人が数々のゾッとくる怪異の謎に臨床心理学からアプローチしていく過程は問答無用で興味深い。
人の心の複雑な奥深さ、繊細さを改めて感じた。
さて、怪異が先か心が先か…不思議いっぱいの世界観も好み。
現役YouTuber、怪談師さんをモデルに添えてるのもいい。
幽霊も人の心も容易に掴めない、見えない。
だからこそ拡がるのは無限の面白さ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なかなか面白かったけど、え?ここで終わり?という中途半端な感じで毎回ラストが残念な気がする。
怪異だからしょーがないし、その余韻を楽しむのだろうけどスッキリしないなぁ。
いや、でも最後まで読むとこれはこれでなかなか怖い感じかも。
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連作短編で非常に読みやすい内容だと思うが、それぞれの結末がどこかどっちつかずな印象を受けた。著者自身が実際に集めた怪異の話を元に描かれていて、世にも奇妙な物語のようなストーリーだった。臨床心理士の視点での怪談で割と楽しめたと思う。
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大学で臨床心理学の教鞭をとる佐伯翼。彼は怪異譚を集めたり、心霊スポットに行ったりすることが好き。
そんな彼のもとには、ゼミ生の3回生修一と4回生の結良からオカルト的な話が吸い寄せられるように集まる。
オカルトは臨床心理学や科学で説明できるのだろうか?
臨床心理学×オカルト(ホラー)×ミステリーな作品です。
タイトルの「瑕疵」という記載から、民事系の話かと思った私。帯に臨床心理学×ホラー×ミステリーとあって、どういうこと?となり、興味を持って読みました。
本作品の良い点、私の中でもうひとつだったというか、これは漫才なのか?くらいにミステリーなのか?と疑問に思う点を書きたいと思います。
まず、良い点は、本作は偽りなく、怪異譚、オカルト、ホラー要素ありな作品だなと思うし、なかなか身近に起こりそうなことで、どういうこと?ってなる作品だなと思います。
読むまでは、臨床心理学で説明できるオカルト?
そんなに怖くなくね?なのですが、思いのほか内容はホラー。どうやって臨床心理学で説明するの?と思うほどの内容で、この内容をどうやって回収するのか?ワクワクして最後まで読めました。
ただ、以下、私が思ったことは批判的になるので、ここから下は読みたい方やネタバレオッケーな方のみ読んでいただければと思います。
私の中で、もうひとつだったなと思った点は、オカルト的な解決部分は明らかにおかしい点があり、これは、何らかの回答が提示されるものだと思い、なんなら私も読みながら推理してたわけです。
ところが、結構おかしな点や矛盾が書かれているにも関わらず、それらが回収されることはありません。
要するに、オカルト部分はオカルトだけで終わる。
ミステリーである以上、提示された謎は何らかの解答を伴わないといけないと私が思い込んでいるかもしれませんが、あとがきを読んでも、やはり、そこは何らかの解答がないと読み進めた意味がないというか。
そして、ミステリーだと読み進めてしまうと、このオカルト部分、ただの謎となって怖さが半減したようにも思います。
各章の解答はあくまで臨床心理学的に無理やり答えを出しただけなわけですし。
これが、ミステリーと言われていなければ、うん?どういうこと?ってなったようには思うのですが、オカルト=謎の提示として読んでしまったので、カラクリがあると思いながら読むと最後のどんな解答が用意されているのかに向いてしまって…
素材が良いだけに素材のまま終わってしまった感があって個人的には勿体ないなと思いました。
私は肩透かし食らったかなぁというのが読後の感想です。
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臨床心理学とホラーミステリーがどう描かれるのか気になって手に取った1冊でした。
実話怪談というよりも、実話怪談を元にしてミステリーの短編小説を作った1冊でした。
怪異がこんなにも心理学でアプローチされ紐解かれるのかとどんどん読み進めてしまいました!
でも、ラストがラストだけがもっとストーリー感が欲しい…
でも、そのラストは想像で楽しんでもいいかもしれない気もする。 -
怪談イベントにも出演する臨床心理士・佐伯つばさ先生の初著書。2025年作品。
実話怪談本ではなく、実話怪談を元にしたミステリー仕立ての短編小説集です。
大学で臨床心理学を研究する佐伯翼助教授が、佐伯ゼミに所属する沖山修一と多度結良という男女2人の学生が持ち込む怪異の謎解きをするという全7編の連作短編集になっています。
全体的に「虚偽記憶」というものが縦軸のテーマとしてある気がします。
オカルト的怪異と、人間心理の不可解さと、二重の不思議が楽しめますが、人間心理の不思議でオチがついた話が、結局は人間心理では片付けられない、という大オチになるのは、こちらの心理も操られているかのような不思議な読後感があります。
登場人物のキャラクターが薄すぎる、とか、セリフが話し言葉として不自然、とか、小説として読むにはマイナスポイントはありますが、ラスト2編で修一と結良の過去の記憶に関わる体験談と、直後のエピローグとの、読者の記憶さえ疑わせる構成の見事さは、小説としての瑕疵を補って余りあるものでした。 -
怪異を臨床心理学のアプローチで解き明かしていく連作集。あくまで解決ではなく可能性の提示に留まり謎を残すのが特命リサーチ200Xみたいでよかった。札幌のホテルで顔のいいやべー男にウザ絡みされる話が好き(言い方)。あと都市ボーイズが女体化してた。
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2026.02.23
島田秀平さんの『お怪談巡り』で佐伯つばささんを知った。
「臨床心理士 x 怪異現象」という新しいジャンル。「怪異は心理的なもの」という、いわば「科学で説明できないものはない」という話かと思いきや。
実際「心の問題」で片付けられることもあるかもしれないなと、この本を読んで改めて思った。同時に「説明のつかない事象もあり得る」ことも強く理解。
短編集で、登場人物像も分かりやすくて、読みやすかった。全て実話に基づいていて、いわゆるオチのない話なだけに「ナニソレ」という意味でゾクっとした。
私も、夕焼けをじっと見ていてふっと周りの音が消える経験をしたことがある。「夕焼け恐怖症」は、何となく分かる。 -
↓利用状況はこちらから↓
https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00574212 -
臨床心理学科助教の佐伯は、きわめて現実的な人間だが怪談蒐集をライフワークとしている。そして佐伯ゼミの学生たちは、なぜか怪奇現象に巻き込まれてることになる。科学で説明のつくことなのか、それとも……? 緩やかな読み心地の、だけれどぞくっとするホラーミステリです。
怪異はあるものの、案外と些細な印象です。だけど些細な違和感のように怪異が起こる方が、実際には恐ろしいのかもしれません。それが本当に怪異なのか、それとも自分自身の認識が狂っているのかわからないという事態の方が、よりいっそうリアルな恐怖を感じるのではないでしょうか。
というので一番怖いの、「死なない友人」でした。これは怪異が起こっていたという場合でも、そうでなかった場合でも、どっちでもとんでもなく恐ろしい事態です。いったいどっちの真相がましなんでしょうか。
「心理学に興味があって」は、あの人の存在が凄まじく怖い。これに比べたら怪異の方がまだましかもしれないなあ。 -
図書館のおすすめコーナーにあり手に取った一冊。
少し中高生向きかな?と思いながらも読了。
結局なんだったのか?グレーな終わり方だったけど読みやすく楽しめた。
夏の涼しくなりたいときにはおすすめだと思います。 -
著者の佐伯翼さん自身が、臨床心理士である主人公佐伯として展開する7つの短辺からなる話。心理学的な視点から怪奇現象や人間の心の闇に迫る内容となっており、各物語では、現実と幻想の境界が曖昧になるような不思議な出来事が描かれ、読者を不穏で不安感を煽る独特な世界観へと誘う。
佐伯の教え子であるゼミ生の結良と修一は様々な怪奇事件に巻き込まれていく。二人の話を聞き、また行動を共にし、佐伯が心理学的なアプローチを用いて不可解な事件を解明していく過程が描かれており、最後の章では思いもよらない展開が待っており、ただの不思議な物語というだけでは終わらなかったところにいい意味で裏切られた。物語の中で、人間の心の奥深さや、社会に潜む「瑕疵(かし)」について考えさせられる内容となっており、また各エピソードは実際に起こった出来事を基として書かれているところも更に引き込まれていく魅力だと思う。
