生命(いのち)の暗号 2 (サンマーク文庫 E- 49)

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  • サンマーク出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763184733

感想・レビュー・書評

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  • 「生命の暗号」を読み、遺伝子のON/OFFの考え方に共感し、さらに深く内容を知りたいと「命の暗号」②を購入し読んだ。

    副題には、「あなたの『思い』が遺伝子を変える」とある。
    また、同じく表紙に「遺伝子はそれぞれの人の『生き方の設計図』である」との表記もある。

    あるいは裏面には、「個々の持ち方や環境の変化で遺伝子はオンにできる。」との表記もある。

    もともと我々には遺伝子に基づくたくさんの潜在パワーがあり、ただ遺伝子が今だOFF状態にあるがゆえに、そのパワーが発揮できないでいるが、それを自分の思いでONに変えることができるというのが、これらの言葉の意味するところである。

    第1巻の発刊時期から、ヒトゲノム計画は進み、この第2巻の発刊時期には、人の遺伝子の解読は完了している。完了してはいるが、ただ読み終わっただけであり、その解釈を行っていくこれからのほうが重要であると著者は言う。

    この②の発刊が2009年であり、それから今日までに間にも遺伝子研究は格段に進んでいるはずである。

    解読完了後、設計図の意味を持つ部分が全体の5%程度であることが分かり、その他95%についてはジャンクと呼ばれ、役に立たない存在であるかのように扱われている。

    しかしこの点について著者は、そのジャンクにこそもっと重要な意味が隠されているのではないかと着目している。研究を閉じた世界で行うのではなく、先入観にとらわれないで広く可能性を追究されるのが著者の流儀のようだ。

    さて、内容について基本的には、第1巻目の領域を超えるものではないと思う。ただ、具体的にOFF→ONに変える方法が述べられている。その方法として、「人のために生きる」ということ、「自然の摂理にしたがって生きる」という章を設けられている。

    自身の未活の遺伝子をONに変えることができるという仮説を、自らの体を使って実証実験してみたいものだ。

  • 村上和雄先生の著書、『生命の暗号』の第2弾。
    第1弾に負けず劣らずおもしろい。
    視野が広がりました。

  • 2012/9/15

  • ・細胞→核→染色体→DNA→2重らせん上の4つの文字からなる遺伝情報のうち、たんぱく質を作る情報に関する部分を遺伝子と呼ぶ. 意味がわかっていない部分を含めた遺伝情報をゲノムという.
    ・遺伝子はDNAの5%ほど
    ・どうして同じ精子と卵子で同じ遺伝子を持つ子供が生まれず、兄弟は似ていても同じ人間にならないのか. どんな環境でも種の存続を図るためと考えられる. 氷河期で寒さに弱いものは死ぬがそうでないものは生き残る、というように.
    ・ヒトよりもたくさんの遺伝子を持つ植物もある. ハエとヒトの遺伝子の数は大体同じという発表もあった.
    ・感情や心のはたらきが遺伝子の状態を左右する
    ・温度や体が大きくなるにつれて、性別が変わる生物がいる. その集団での性別の比率で、性別が変わる生物もいる.
    ・胎児は母親のアルコールやタバコに悪影響を受けるだけではなく、母親がそれらを摂取しようとしたときから、意識的に嫌がるシグナルが出ている(ソニーの井深大さんの言葉)
    ・個人ごとの遺伝的特徴をスニップ(一塩基多型)という. スニップはヒトゲノム中数百万あるといわれている

    ★遺伝子をONにする方法
    ・適度な飢餓感
    ・深い悲しみを実感することによって遺伝子がONになるときもある。
    ・勝算をあれこれ考えず思い切ってしてみて、何かこれだと思ったら狂気でし続ける
    ・好きなことをする
    ・他人や社会のために行動する(遺伝子はそうすると喜びを感じるようにできている。)

    ・死は生の対立関係ではない。細胞には死も生もプログラミングされている.
    ・自然の摂理から逸脱しないように生活する。
    例えば、食べすぎたらお腹が苦しくなるので、腹八分目が一番良いなどが分かり、つつしみの気持ちが生まれる。

    ★繊細で巧妙な遺伝子はサムシンググレート(偉大なる何か)によって生み出されたのでは?(p200-)
    サムシンググレートは、ある人は神、仏教、宇宙というかもしれない、何と表したとしても、私たちの大元には人間を超えた大いなるものが存在していて、その不思議な力によって人は生かされている。
    サムシンググレートという言葉を使わなくても、その偉大な何かの存在と働きを認識するのが大切なのではないでしょうか。
    私たちは一人前の顔をして1人で生きているといばっていますが、1人で生きているのではなく、大いなる生命の一部として生かされているのです。
    いくら人間が科学を進歩できても、生命1つを創り出すことはできない。最先端の科学をもってしてでも、生命のコピーはできても生命それ自体を生み出すことはできない。
    生物の体を元素のレベルにまで分解すると、みんな地球上にある元素から成り立っている。
    「宇宙誕生の最初の3分間がわからない」(宇宙物理学者の桜井邦朋さん)
    もし爆発のタイミングがほんのわずかでも狂っていたら、いまの宇宙、地球、生命はありえない。あるとしてもまったく違う形で存在することになっただろう。そこにちりひとつ混じっていただけで地球、人類は誕生しなかったかもしれない。桜井さんは、そこに「宇宙の意思」を感じると言った。偶然できあがったというより、何か大きな意思によって創造されたと解釈する方がつじつまもあう。DNAに2重らせんや遺伝子の精巧さもとても偶然の産物とは思えない。
    全部の遺伝子の暗号を読み終えた時、生命とは何か、生命の本質は何か、究極の姿は何か、どこから来てどこへ行くのか、生の目的、死の意味、そうゆう原理の一部が明らかになるのでは。

    読んだ後に、なぜか心が満たされた気持ちになりました。
    壮大な宇宙や自然に生かされているということを思うと、感動しました。200p-206pだけでも読み応えがありました。

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著者プロフィール

筑波大学名誉教授。米国オレゴン医科大学、京都大学農学部、米国バンダービルト大学医学部等を経て、1978年より筑波大学応用生物化学系教授。同大遺伝子実験センター長、先端学際領域研究センター長等を務め、99年に退官。83年に高血圧の黒幕である酵素「レニン」の遺伝子解読に初めて成功、世界的な注目を集める。90年、マックス・プランク研究賞、96年、日本学士院賞を受賞

「2021年 『コロナの暗号 人間はどこまで生存可能か?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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