- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763195852
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
池波正太郎との会話を起こした作品。
男のダンディズムが語られている。 -
今の世の中では、全てがこれでどうにかなる訳じゃない部分もあるとは思いますが。かつて日本にいた、居丈高でない、大人の男性たちの筋の通った格好よさや、責任の取り方、人生への姿勢を語って聞かせてくれる本でした。
女性も社会に出る機会が多くなった昨今、これだけでは女性側から見るとしんどい部分もあります。しかし、無責任でペラペラした小奇麗な生き方よりよほど魅力的な男の姿が活写されています。
女もまたしかり。
その男を支えているのは女であるゆえに。
賢く、したたかに。自分自身も一人前の女になっていくためには、どうしたらいいか考えさせてくれる本です。この男のそばにあって似つかわしい女なら、どう振る舞うかと考えるのも良いのでは。
作品の一部分が抜粋されているので入門書としても
読みやすい一冊です。 -
読むなら対照版がいい。小説を読んでいて、実は読みきれなかった部分を解説されてようやくわかる事が沢山。読む側にも技術がいる。
-
2010/5/29
古い日本人の渋い文句が多い。
家を引き戸にするのは、狭い日本ではいい。
家は性格を変える。
気が強いお袋と家内の上を行ってマネージする。
他人に時間の上で迷惑をかけるのは恥ずべきこと。
男として自分が自由に出来る金を持つ。
あと自分が生きている年数はどれくらいかを基本として考える。
朝気がついたら息が止まっていた、という大往生が理想。
小説も読んでみたい。 -
スバルとマセラティのどっちがかっこいい車か、好きか
家にはトヨタのライトエース、女子中学生15歳はいったいどう思うのだろう。
便利で簡単でささやかなスバル
派手で大仰なマセラティという一つのイメージが心の中に
少なくとも15歳の私がそう想像できたのは、それを感じさせる物語があったから。
よく見て、よく会って、作家が作った世界は
想像以上に奥の深いもので、次元が厚く、いくつもの分析が重ねられて、世界は作られている。
いつでも、エッセイやマナー本、種明かし本
そういう類のマニュアル的語られ方には辟易していたが
今回ばかりは、人生の長さや経験に支えられた作り上げられた知識に向かうことの重みや繊細さを感じた。
この本の向こうにはいつでも池波正太郎の眼差しがあり
この眼差しが描いた世界の粋や愛情には情熱がある
寿司のおいしそうなこと、そばのおいしそうなこと
住みたくなるようなうち、それらがどれも、当り前のことで
(父や、祖父世代の方や会社で会う男性の大人たちも
多かれ少なかれそう思っている。
暮しの手帖や向田邦子が好きな女性たちが思っているように)
一つ一つの知識に真新しさ、は少なく
粋ということをよくよく見とらえてまとめて書いた、というのは
それは作家に時間が割り当てられていること、彼の仕事の役割ということだととらえている。
よくいわれそうなことでこの本に関わるけど
そんなことではこの本がいいと思ったことが伝わらないような伝え方
こんな目にやさしいことを書いていても、
わたしがこの本に対して向かい合っている良さ、と情熱は書けない。
・この1冊を読むだけでものすごくたくさんの経験をしたような
・当たり前のことながら説得力のある本
・普段ただ生きている以上に人やものと出会うということがある種の読書の便利さである -
昔ながらの粋の素晴らしさがよくわかります。
鮨や天麩羅の喰い方から、理想の死に方まで、これぞ、昔からの粋がわかるものであります。 -
男の作法でもあるが、大人の作法、昭和の作法でもあるので女性が読んでも面白い本ではないか。
今日ではそぐわない「男の作法」がいくつも紹介されているが、祖父や親父の時代を映し出している。核家族化、受験戦争、競争社会の平成ではなく、昭和の良き時代を生きたかった。「池波正太郎」渋いです。
○自分の人生が一つであるのと同時に、他人の人生も一つである。
だから他人に時間の上で迷惑をかけるのは、非常に恥ずべきことだ。
○「みっともないこと」「恥ずべきこと」はしちゃいけない。
これが「男の作法」の神髄。
○朝、気がついてみたら息が止まっていた。これが大往生で、人間の理想はそれなんだ。
人間は死ぬのが怖いんだよ。体験したことのないことだから。
だから大往生を遂げたい。
それがために健康に気をつけるんだ。