品川の学校で何が起こっているのか―学校選択制・小中一貫校・教育改革フロンティアの実像

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  • 花伝社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (115ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763405852

作品紹介・あらすじ

学校選択制で街から〈地元の学校〉が消えていく
小学1年生から中学3年生までが巨大校舎に同居する小中一貫校
自治体教育改革フロンティア・東京品川の10年を検証

感想・レビュー・書評

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  •  全国各地で、いわゆる教育改革が進められているようですが、その中でも、品川区は様々特徴的な改革を進めていることで知られています。しかし、実際にどんな改革が行われているのかよく分からないというのが、品川以外に住んでいるほとんどの人の実感ではないでしょうか。

     この本では、主に学校選択制度に焦点を当て、小学校、中学校の入学者の推移を分析することで、品川区の学校で起こっている教育改革の実態を明らかにしようとしています。私自身は品川区の教育について何ら知識がないので、この本で書かれている内容を評価することはできませんが、p.98のおわりにのところで、「全国の新自由主義教育改革と品川の教育改革の関係」が述べられていますので、全体的には、品川区の教育を例に取りながら、今の教育改革の流れを批判する立場で書かれていることが分かります。

     どちらにしても、あと10年も経たないうちに今の教育の方向性が正しかったのか、あるいは間違っていたのかはっきりするでしょうから、その時にまた読み直してみると面白そうです。

  • 品川区では、約10年前から既存の学区にとらわれず区内のどこの学校にでも行ける学校選択制度を実施している。
    また、5年ほど前から、小学校、中学校の一貫教育を実施している。

    著者は、このどちらも気に入らないようで、一方的に批判している。

    学校選択制度については、地域と学校の結びつきが切断されたことやいわゆる勝ち組と負け組が生じ人数に偏りがでることなどが批判の根拠とされてる。

    また、小中一貫教育については、狭い敷地に高層の校舎(伊藤学園では7階建て、日野学園では6階建て)を建て、そこに9学年の生徒を押し込み、運動会なども9学年でいっせいにやるため、支障が生じていることやそもそも一貫教育に教育学的根拠がないことなどを批判の根拠としている。

    私も、品川区の小学校で、新入生が10人に満たない学校がある半面、応募が定員を大きく上回り抽選となる学校があるなどという話を聞いたことがあり、品川区のあまりに自由放任にすぎる姿勢に疑問をもっており、学校選択制については、もう少し規制を加えるべきだと思っている。

    ただ、それ以外の批判はあまり納得のいくものではない。
    なぜなら、地域(従前の学区よりはやや広い範囲)の半数程度のみ抽選で他の地域の学校に行けるような緩やかな学校選択制度にすれば、著者の批判の多くは解消されてしまうからである。

    また、小中一貫教育について教育学的根拠がないかどうかについて、私は知識を持ち合わせていないが、学問的根拠があるかどうかより、実際に教育的効果があるかどうかのほうが重要であろう。
    そして、それを判断するのは、現状では時期尚早と言わざるを得ない。
    批判があるなら、もう少し待ってから、言うべきではないか。

    このように著者の主張には賛同しえない点が多く、また論調も批判一辺倒のため、読むに堪えない。

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著者プロフィール

1946年、兵庫県篠山市生まれ。法政大学キャリアデザイン学部教授。教育科学研究会委員長。主な著書に『学力と新自由主義』大月書店、2009年、『品川の学校で何が起こっているのか─―学校選択制、教育改革フロンティアの実像』花伝社、2010年、『危機の中の教育――新自由主義をこえる』新日本出版社2012年

「2014年 『保育園でいま何が起こっているのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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