都市をたたむ 人口減少時代をデザインする都市計画

著者 : 饗庭伸
  • 花伝社 (2015年12月16日発売)
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  • 14レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763407627

作品紹介

人口減少社会において都市空間はどう変化していくか。
都市計画、まちづくりを専門に研究する若手准教授が縮小する時代のための都市計画を提起する!
熱心なフィールドワークでの実践を踏まえて考察する縮小する都市の“ポジティブな未来"を提示する、新時代の都市論。

都市をたたむ 人口減少時代をデザインする都市計画の感想・レビュー・書評

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  • まちづくり、特に関東大震災以後の都市計画の歴史的な経緯についてわかりやすく解説されている。
    都市は手段。かつての目的は経済成長。
    貯蓄をすることで、銀行が貸し出しができ、企業が投資するという循環。
    個人も住宅ローンという将来への投資をすることで、経済が循環してきた。
    東京の土地は、①銀座など関東大震災後の都市計画地域②計画性の弱い木造密集地域③4メートル道路規制ができてからの木造密集地期の周辺④都市計画のニュータウンの4つに分けられる。
    空き家820万戸といわれるが、賃貸、新築などが入るので、実質は305万戸で全体の5%。
    持ち家は人を土地に固定し、同じ場所で勤勉に働き続けられる人を創出する。

  • 人口減少とそれに伴う都市のスポンジ化の減少についてわかりやすく分析されている。これまでの日本における伝統的な都市計画制度に対する批判及び指摘も的確。

    スポンジシティのレイヤーモデルは、確かに空いた土地に新しい存在意義を与えるという点では有効だが、それが行政/民間/コミュニティ等どのレベルで行われるべきであるかは曖昧。人口という都市のエネルギー(筆者の言う「捌く力」)自体が弱まってきた時、この解決方法には無理も出てくるだろう。しかし、一つの可能性としては有効であり、それを行うべき主体(恐らくコミュニティが主に想定されている)が出現することによって、地域の市民社会の発展およびソーシャルキャピタルの蓄積が期待できる。

    これらの考え方及び制度への批判を踏まえ、法的制度や民間のレベルでも何ができるのか考えるヒントになる。

  • 【工学部図書館リクエスト購入図書】☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB20207523

  • 人口が減少する時代に日本は突入し、だれもが都市は縮小していくであろうと考える。本書は、日本の都市がこれからどのように縮小していくことが予測され、どのように都市を利用していくことができるかを考えさせてくれる。

    縮小都市という言葉から、都市は中心に向かって小さくなっていくというイメージを持ちがちであるが、筆者は調査・研究を通して、空き家や未利用地が街の各地で散在しており、現在の日本の都市はスポンジのように小さな隙間が存在するような縮小・低密度化をしている。

    そのため、これからは都市にできた小さな隙間を有効に使うことで豊かな生活を送ろうという考えが求められている。


    本書は、人口の推移から街のポテンシャルを読み解く方法や、拡大から縮小へと転換した日本の都市を考えるうえでの一つのビジョンを示していて、都市・まちにかかわっていこうという人にとって必読の書であると思う。

  • 制度の目指したところ、実際、そして今起こっていることの分析が面白かった。
    都市建設という自然な人間の欲をコントロールして「秩序」あるまちを作るには、今の「制限」に係る制度では限界がある。都市の中身を充実させること、一つ一つのまちづくりの取組へのインセンティブ付けをどうするか。

  • コンパクトシティは机上の空論であることはよく理解できたが、それに代わる「スポンジシティ」は結局、局地的ゲリラ的な手法で何だかあまり救いがない。もう一段上の都市マスタープランはやはり必要で、それをどのくらいの時間軸で実現していくのか。スポンジシティで都市はたためているのか…。

  • 現代日本の都市を考える際の共通の立脚点になりうる本。建築学生必読。

    コンパクト vs スポンジ
    中心とゾーニング vs 全体とレイヤー
    超近代復興 vs 非営利復興
    などのスキームはわかりやすく、議論をドライブさせてくれるものだ。

  • まだまだタマゴやけど
    都市計画者の端くれとして
    そして、人生の大部分が
    高齢社会、超高齢社会の中で
    生きていく世代として
    考えていくべきこと。

  • 空き家活用プロジェクトのくだりは面白く読めた。これからこういう試みは地域活性に必要かも。

  • 人口が増加していた時代には、それに伴い都市も拡大してきたが、人口減少期に入り、都市を構成する人が減ってきた。
    人口密度が低下した中で、各地域でサービスを展開しても効率が悪い。
    その打開策として、サービスを局所化するコンパクトシティのような概念が提唱された。

    饗庭先生は、長期的にはコンパクトシティの可能性を認めるものの、短期的にはコンパクトシティは難しいだろうという立場をとっている。
    行政がコンパクトシティの方向性を打ち出すことで、長期的には周辺部に住んでいる人たちに対し、家の建て替えなどのタイミングで中心への移行を促す効果はあるかもしれない。
    しかし、短期的には現在周辺に住んでいる人に中心への移行を促すだけの動機付けにはならないだろうと。

    饗庭先生は人口減少局面では、都市が縮小するわけではなく、都市内のランダムな場所で敷地単位で密度の増減が発生するとし、それを孔に見立ててスポンジ化と表現している。
    コンパクトシティが周辺部の低密化・中心部の高密化を志向するのに対し、スポンジ化では低密化した敷地を異なる目的で再利用し、密度の低下を抑えることが提唱されていた。


    本書を読んで、一定の地域内に利用目的の異なる土地が混在するというのが、用途地域が定められる前の状態に戻ることとどう違うのかが、いまいち理解できなかった。
    あと、阪神淡路大震災の頃の日本は人口拡大期だったけど、東日本大震災は人口減少期に発生したから、これまでの復興をなぞるのではなく、新しい復興の形を検討する必要があるという内容が新鮮だった。

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