- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763410641
作品紹介・あらすじ
追い込まれる「性」。日本近代史の中の、まなざしの変容。境界を越えた女たちは、いかに周縁化されたのか。「からゆきさん」研究に新たな地平を切り拓く緻密な表象史。「慰安婦」との断絶と連続。
感想・レビュー・書評
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出版社からのコメント
『2014 年提出の博士論文を基に、近代の〈身売り〉、〈出稼ぎ〉史にさかのぼり、戦争に至るまで政策や言説がどう変遷したのかを、多岐にわたる資料(新聞、公文書、「矯風会」「愛国婦人会」などの会報誌、福沢諭吉の論文など)を踏まえて詳細に分析。』
内容(「BOOK」データベースより)
『追い込まれる「性」。日本近代史の中の、まなざしの変容。境界を越えた女たちは、いかに周縁化されたのか。「からゆきさん」研究に新たな地平を切り拓く緻密な表象史。「慰安婦」との断絶と連続。』
『「からゆきさん」 海外〈出稼ぎ〉女性の近代』
著者:嶽本 新奈(たけもと にいな)
出版社 : 共栄書房
単行本 : 200ページ
発売日 : 2015/5/25詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
からゆきさん言説をミクロレベルではなく、世間での認知(言論空間)レベルでの変容を分析した社会学の作品。
天皇制イデオロギー(天皇を頂点として、残る臣民は皆平等)という言説では、からゆきさんを含む娼婦も平等の扱いなのだが、それに対して良妻賢母を当然とする「夫婦」観では、彼女らは劣った物として排除されたという、言説間での対立は面白かった。 -
海外出稼ぎ女性、とりわけ売春に携わることになった女性たちの歴史的・社会的・文化的なコンテクストをていねいにあとづけていく研究書。「からゆきさん」をめぐる実証研究を期待したが、それがいかに難しいかを逆説的に証し立てた一冊とみるべきなのだろう。とくに後半は、社会史的な議論のほうが中心化されている。
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身売りとはいえ、江戸時代とか明治に中国、シンガポールまで働きに出ているとは驚き。