京都うた紀行―近現代の歌枕を訪ねて

制作 : 京都新聞社 
  • 京都新聞企画事業
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763806376

感想・レビュー・書評

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  • 「うた」に詠まれた京都の場所を永田和宏と河野裕子が訪れ、各々がその場所で経験したこと感じたこと思い出をふまえながら、うたを解説していく。取り上げられた「うた」も近現代のものなので、我々にも分かりやすく、心にすっと入ってくる。
    「うた」にまつわる場所を訪れた二人の感慨や、京都に長く暮らしている二人ならではの思い出をエッセイ風に著していて「うた」の内容もより深く心にしみいる。お二人は私よりも一世代上の年齢ではあるが、同じように青春を京都に過ごし、今も生活しておられる。青春の思い出は、私が若き日を過ごした京都の様々な情景と重なり合って、共感と懐かしさを感じる。またほとんどが実際訪れた場所であるため、まるで追体験をしているように感じる。私が今でも京都の近郊に住み、京都に関わりを持ち続けていることに感謝したい。
    一つの「うた」が永田、河野両氏の体験と思い出、「うた」にまつわる思い出等を引き出し、私もその文章で思い出、体験が彷彿としてよみがえってくる。たった三十一文字の歌でありながら、感動を共有し、感動の輪が広がる。和歌、短歌のすばらしさだろう。
    京都新聞の連載だったが、この連載をはじめてまもなく、河野氏の命が限られたものであることがわかり、お二人はどのような思いでこの連載を続けられたか。その文章の中にもなにげななく著されながら、事実を知っていて読むと辛くなってくる。

  • ググッと、三十一文字(みそひともじ)にひかれるように、読み進め、残りはじいんと、しみじみとした心持ちになった。京都のそこかしこに、滋賀の懐の奥行に足を向けたくなった。
    終わりがあればこそ、一層愛しく思えるものもあるにちがいない。それは私にもわかる。

  • 副題は「近現代の歌枕を訪ねて」。少し前にNHKの番組でこの本の存在を知った。永年連れ添った夫婦である著者たちが、京都と滋賀を中心とした思い入れが深い場所を訪れて歌を詠む。二年のうちに訪れた場所は50ヶ所に及んでいる。河野さんは病気が再発し、この本の出版を待たずにこの世を去った。まえがきが出来上ってから10日ほど後のことであった。
    二人の旅は残された限られた時間を思いながら、これまで歩んできた人生を振り返る機会だったことだろう。河野さんは対談の中で「この連載で一番大きな意味は、あなたと時間を共有できたこと」と語っている。紀行文からは切迫した様子はあまりうかがい知れないが、二人の心情を想うと切なくて胸がいっぱいになる。

  • 京都、滋賀の歌枕を辿り、解説しています。

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著者プロフィール

昭和22年滋賀県生まれ。京都大学理学部物理学科卒業。京都大学教授。在学中に高安国世に出会い、「塔」入会、現在代表。若山牧水賞、読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞、迢空賞などを受賞。朝日新聞歌壇選者。

「2017年 『歌集 午後の庭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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