仮面の家 先生夫婦はなぜ息子を殺したのか

著者 :
  • 株式会社共同通信社
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784764102972

作品紹介・あらすじ

92年6月、浦和の高校教師とその妻が、家庭内暴力の長男を刺殺した。長男はなぜ高校・大学を中退し、家庭内暴力をふるうようになったのか。父、母はなぜ息子を殺さねばならなかったのか。立派な教師、理想的な親という幻想にふり回され、共感と自信を喪失した現代の家庭の悲劇を克明にたどる追跡ルポ。

感想・レビュー・書評

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  •  一時、尊属卑属殺人事件が気になって、絶版になっているのを古書から掘り起こし、購入。眉間にしわよせながら、たんねんに読み上げた。
     こういっては何だけど、「これしきのことで」親が子を殺せるのか? と、思った。
     おそろしいのは、その計画性。夫婦が夜な夜な、冷静に、むすこの殺人計画を話し合う。その、ちょっとやそっとでは越えられない「越えてはならない一線」を、越えさせる衝動(精神構造)たるや、いかなるものか。

     死んで欲しい、と思うことはある。だが、殺そうとは思わない。また殺そうと思っても、殺すまでにいたらない。それがなぜなのか、なめるように活字を追いつつ、じぶんに対して何度も問いつづける。問いつづけうちは、正常でいられるような気がした。

     本を閉じ、誓う。殺すくらいなら、殺される方が良い。
     親が子を殺す。いかなる理由であっても、免罪にはならない。
     だけど、司法世界、尊属殺人の方が重い。おかしい。
     

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著者プロフィール

横川和夫(よこかわ・かずお)
1937年生まれ。ジャーナリスト。元共同通信編集論説委員。
教育や子ども・若者・家族問題を中心に、日本社会の矛盾が表出する
現場を一貫して追いつづけてきた。1993年、日本新聞協会賞受賞。
浦河べてるの家を描いた『降りていく生き方』をはじめ、
『不思議なアトムの子育て』(以上、太郎次郎社)、『もうひとつの道』
『心を癒す場』『大切な忘れもの』『仮面の家』『かげろうの家』
『荒廃のカルテ』『熱い鼓動』(以上、共同通信社)など著書多数。

「2004年 『その手は命づな』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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