ウルカヌスの群像―ブッシュ政権とイラク戦争

  • 29人登録
  • 3.25評価
    • (2)
    • (0)
    • (9)
    • (1)
    • (0)
  • 4レビュー
制作 : 渡辺 昭夫  James Mann 
  • 共同通信社 (2004年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784764105447

作品紹介

アメリカはなぜ悲劇の戦争に突入したのか。ブッシュ戦争内閣を動かす外交チームの実像に迫る。

ウルカヌスの群像―ブッシュ政権とイラク戦争の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • (欲しい!)

  • ブッシュ政権第1期の主要人物(≒ウルカヌス)6人の伝記であると同時にアメリカの国際政治における考え方の変化を追った本。

    まず個人的に6人のウルカヌス達の経歴の多様さが興味深い。軍人や学者、企業経営者に議会政治家と幅広い。
    そして、その6人が皆ヴェトナムの敗北後のアメリカの軍事力再建を重視し、冷戦の勝利を体験し、そしてイラク戦争開戦を決断する。イラク戦争はぽっと出の出来事ではなく、30年間の伏線があった上での出来事であったということが示されている。

  • カークパトリック(新保守主義者)の論文について調べるためにつまみ読み。

    1979年、一向にソ連に対して軟弱な姿勢をとり続けるカーター政権に対する批判として、カークパトリックは「独裁制と二重基準」という論文を「コメンタリー」誌に寄稿。
    その背景には、イランで長期間恐怖政治を行ってきた親米のシャー政権が、イスラーム教シーア派勢力によって倒されたイラン革命がある。
    それまでアメリカは、ペルシャ湾岸においてソ連に対抗できる軍事プレゼンスの確保のために、急速な近代化を目指すイランに対し大量の武器を輸出し、さらには武器購入の資金を集めるために不当に石油価格を操作していたシャーを黙認していた。
    革命後、パリ郊外に潜伏していたイスラーム教シーア派のホメイニが最高指導者となり、イランは反米感情を持つイスラーム原理主義国家へと進んでいく。
    カークパトリックは論文において、「われわれは(『多様性』や国家的自立という美名の下で)共産主義国の現状維持を認めているのに、『右翼』独裁者の支配する国や白人の寡頭体制については、それを認めていないようにみえる」 と、アメリカが第三世界の共産主義国を放置したまま、イランやニカラグアなど親米的な独裁政権には民主化を強要するという二重基準を採用して、それが親米政府の転覆という意図せざる結果を招いていることを指摘した。
    この批判の対応として、カーター政権には独裁国と共に第三世界へも民主化を推進するという解決の道もあったはずなのだが、カークパトリックが示したのは、「親米的な独裁体制下の現状維持に目をつぶることで、アメリカはこの二重基準を放棄すべきだ」 というものであった。

    カークパトリックの主張は、民主主義の普遍化よりも、共産主義・全体主義という敵への対抗を優先することを意味しており、それまで新保守主義が一貫してとりつづけていたスタンスを崩したばかりでなく、その後もアメリカが抱える大きな矛盾を肯定するひとつの論理となってしまった。
    この論文は新保守主義者たちにとって「転向」のきっかけのひとつとなる。カークパトリックはレーガンに評価され、女性初の国連大使に任命されたのである。レーガンという偉大な庇護者を得た新保守主義の活動基盤は、民主党から共和党へと移行することとなった。

  • ブッシュ政権をブレーンの生い立ちから探る本。
    ブッシュ政権がなぜイラク戦争へと向かっていったのか。

全4件中 1 - 4件を表示

ジェームズ・マンの作品

ウルカヌスの群像―ブッシュ政権とイラク戦争はこんな本です

ツイートする